心の弱い自分がほんとうに嫌い。
身体が心に引っ張られるのも情けない。
自意識が強すぎるのは、こんな状況では、何の役にも立たない。
そんな私なので、この本には共感を覚えます。
サッカー日本代表・ボルフスブルク所属・長谷部誠著『心を整える。』
先月17日発売だったと思います。…背番号を意識してでしょうか。
書店ではいきなり売り切れで、次に店頭に並んだときにコーズィが買ってきました。
ちなみに同じく日本代表・G大阪・遠藤選手の『信頼する力』も一緒に。
どちらも興味深く、グイグイ読んでしまいました。
同じ大会を同じチームで戦っても、メンタルと立場が違うとこんなに見方が違うものかと。
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『心を整える。』はなんと33万部を売り上げているそうです
こんな時だから、タイトルが魅力的に感じるし、“印税がユニセフに寄付される”と公表されてたことも大きかったかもしれません。
でも、気になるよね…W杯でベスト16入りして、アジア王者を奪還した代表チームの現キャプテンの精神論。
(なんと一昨日発売のビジネス雑誌でも特集を組まれたそうです)
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私は読んでみてビックリした。
もっと学校の先生のような、世間で正しいとされる考え方が並んでると勝手に想像してたから。
中身は全然違って、私生活から仕事(サッカー)までのことが赤裸々に(?!)告白されていました。
そして全ての章から、自分の弱さと向き合って、自分を律しようと必死に取り組んでいることが伝わってきましたね。
思うに長谷部選手って、私と人間のタイプが似ている(ブーイングしないで下さい、個人的な性格分析です)。
自意識が非常に強いんでしょう。それは文章の書き方や行間から伝わってきます。
また真面目な性格だと思われやすく、責任を与えられると全うしようと張り切ってしまう。
キャパを超えても責任感が上回るので投げ出せない。
結果、心的ストレスを溜め込み…
『心を整える』ことが必要になる。
自分の理想像と現実の姿に常にギャップを感じているんでしょうね。
自分に対する負い目のようなもの、マイナス評価の意識が強そうです。
でもそれを「ネガティブ志向」で終わらせず、「ポジティブ」に転換・昇華させていく術は見事なもの。
それが、いつまでもダメな私との決定的な違いであり、
まさしくこの本のテーマなんだと思います。
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自分で選んだとはいえ、、
常にメディアに露出され、批判もされれば甘言にもそそのかされる、
活躍できる年数も限られ、怪我との闘い、あらゆる面でのメンテナンスが必要、
そして何よりファンとクラブとスポンサーの命運を左右するプロスポーツ選手というのは、大きな責任を負って大変だな。。と実感しました。
でも、出来ることの選択肢と、プレーや言動が与える影響は、我々一般人とは比べ物にならないくらい多い、これも事実。
だから、多少大変でも仕方ない……とは私は思いません。
だって同じ人間だもの。無理をしたら壊れてしまう、身体も心も。
今、さまざまなスポーツ界が震災の支援に乗り出していますが、全員がそういう活動に協力すべきとは思ってません。
まず仕事をすること、競技で自分の責務を果たして、それと並行して出来ることがあれば、出来る人がやる。
それでいいのではないかな。
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そんなスポーツ選手の在り方を考えさせられる本でした。
「これ、取り入れてみよう」という心の整え方もたくさんありました。
興味ある方もない方も、ぜひ読んでみて欲しいです。