自動車誌「ＮＡＶＩ」に対して

NAVI ( ナビ ) 2010年 03月号 [雑誌] ニ玄社 このアイテムの詳細を見る

自動車月刊誌「NAVI」が休刊に！

いつから購入しているだろう？この自動車誌。

とりあえず今すぐ取り出せる本棚には２００１年１月号から並べてあった。
段ボールを開ければもう数年分のストックはありそうだ。


車の免許を取ってすぐ購入を始めた雑誌は、自動車の購入方法などに特化したマニュアル本。
そのうち職場の先輩の勧めに乗っかって「ベストカー」を買うようになった。

ベストカー別冊 もっとベストカー傑作選THEベストOFベスト 2010年 2/14号 [雑誌] 講談社 このアイテムの詳細を見る

ベストカーも面白かった。当時はこの本だけでなくコンビニにて「ベストモータリング」のビデオを買ったりして、友達と盛り上がりながら見ていたものだ。

初代ＧＴ－Ｒ、３２Ｚ、ＮＳＸが登場したころの、まさにスポーツカーが一大ブームだった（？）ころだった。



　「走る」ことをこだわっていながら、何か疑問も持ち始めたりして、とりわけ改造とかチューンすることが嫌になっていた時期があった。

　趣味趣向が変わってきたのかな、と自分で感じ始めたころに購入を始めたのが「ＮＡＶＩ」だった。


　今でもそうだが、ＮＡＶＩの記事は走る・曲がる・止まる、にとどまらない、総合的な自動車雑誌だった。
　編集長や副編集長が冒頭に１ページを割いて書くエッセイ？（コーナー？）が好きだった。
　時流に乗った話題が多かったが、少なくとも自分の考えや視点とは一味もふた味も違う深みのある記事ばかりだったと思う。

　紙面全体は外車バンザイ傾向も強かったが、車を文化として捉えていた月刊誌だったから、歴史や伝統を重んじたいんだろう。
　一方で、世の中の流行にはあまり興味がなかったようで、おかげで今でも過去の記事を読みなおしたりできる。


　おそらくは、私がわずか３年とは言え、ＨＯＮＤＡの「Ｓ２０００」、一車種あけて「ランチア・デルタ」というとんでもない車ばかり乗ってしまったのは、この月刊誌の影響も大きかった部分もあると思う。

　忘れもしない、購入したばかりの私のピカピカのＳ２０００は有珠山の火山灰を浴びてざらざらになっていた。





　ＮＡＶＩが休刊するという情報を見て、まさに今の自分が乗っている車がＭＰＶであることに重ね合わせてしまう。


　もう車を文化で語る時代ではないのかな、と。いや、ミニバンも一つの文化なんだろうと思うけどね。

　車は「道具」であり、道具である以上求めることの主眼は「コスト」と「機能」のバランスなのだろうと思う。
　そこに「趣味」につながる「感性」は必要とされていないのだろう。



　今になって自動車メーカーが、スポーツカーを復活させようと努力している。
　「いまどきの若者は車に興味を持たない」とか言われることも多いが、「感性」とか「文化」という偏った視点で車を見る車好きから見て、面白い車は現代はほとんどない。

　オペルのスピードスターとか、ルノーのスポールスパイダーとかとんがっていて今でも大好き。
　まして日本車においては昔からとんがった車は売られていないのだから、「趣味」というスタンスで車を選ぶ人は中古車に行かざるを得ないのが現状なのではと思う。

　若者が興味がないわけではないのではないかな。

　興味を持つような面白い車を売ればいいのだ。高くなくてもいいのだ。ホンダビートとかオートザムＡＺ－３とかはとんがっていたと思うなあ。

　コペンはスタイルが残念すぎる・・・。

　


　エコだのデフレだの景気の悪い話しか聞かないし、実際に景気も悪い。
　だけど、好きなことに投資をする人は確実に世の中に存在する。

　自分がそうだった。
　そして、車という趣味に投資をすることが、お金の使い方としては利口ではないのだが、自分でバカと認識したうえで車に投資していた自分がなんか誇らしく感じる。


　バカでいいのだ。


　バカでもよかったのだ。


　バカをやることのできる環境があったことが自分は幸せだったなあと思うし、今でもそのことを後悔していない。反省はするけどね。


　「ＮＡＶＩ」の休刊が、事実上の廃刊であろうことは過去の雑誌類の変遷からも想像できる。
　それでもいつか復活してほしいと思う。


　トヨタからFT-86という車が登場すると言われている。AE86の復活といわれているようだ。

　ＮＡＶＩも復活を果たして、「文化」や「感性」から「ジドウシャ」を語る視点を蘇らせてほしいものだ。

　きっと私にも、車に対して過去の反省に基づき抑えている感情が復活するだろう。



　そして「バカ」な車を「バカ」な買い方すると思う。





　そしてそんな自分を自慢したいと思うんだろうな・・・・・。