さて今日の本題。たまにレンズのレビューのような記事を書こうシリーズ第3弾?今回は古いマニュアルレンズという、需要がなさそうな製品紹介ですね。たぶん一般的にはクラシックレンズといわれる製品なんでしょうけど、まだ現行製品で売られていたときの記憶があるので、クラシックといいたくないのですが…。
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smc PENTAX A 50mm F2.8 MACROです。もうちょっとメジャーなところ行けよ、という話もありそうですが、我が家でフィルム・デジタルどちらでも使用頻度が高かったレンズで、他にデジタルでも使うAレンズといったら恐らくA135mm F2.8位ではないでしょうか。
とにかく昔からマクロレンズは好きでして、Kマウントではこのレンズと
smc PENTAX FA 100mm F2.8 MACRO
HD PENTAX DA35mm F2.8 Macro
タムロン52BB SP90mm F2.5
オリンパスOMマウントでは
MC ZUIKO MACRO 80mm F4.0 + AUTO EXTENSION TUBE 65-116
67用では
smc PENTAX 67 135mm F4.0 MACRO
smc PENTAX 67 100mm F4.0 MACRO
等などといった具合です。このブログでは殆ど触れていないですが、本当はスクリューマウントPENTAXが大好きなのですが、何故かマクロは買いませんでした。何でだろう??
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このレンズは一般的に言われるところの「ハーフマクロ」というやつで、最大倍率が1/2倍です。
ハーフマクロといわれると敬遠される方も居るようですが、正直フィルム上で等倍が撮れなかったとしても特別不便ではありません。もっと大きく写したいときは接写リングとか、ベローズ使えば良いだけの話です!偉い人にはそれが解らんのです。
ハーフマクロということがデメリットだったとして、メリットとして小型軽量化出来るので、普段使いにとても重宝するレンズです。普通の50mmF1.4とかとサイズが殆ど変わらないですし、45cmまでしか寄れない一般的な50mmよりかなり使い勝手が良いです。
フィルム時代はこれか、smc PENTAX A 35mmF2.8を1本だけ付けてスナップ写真撮っていたりしてましたから、遠景も行けます。しかし、デジタルになってからは、K-1が出るまでAPS-Cサイズで使うこととなり、35mm換算で約80mm程度の中望遠になってしまいます。
所謂ポートレートレンズになるのですが、いかんせん人物写真撮らないのであまり使わない焦点距離になってしまうんですよね。女の子撮り漁っていた人には丁度良いのかもしれませんが(検閲・削除)。
そのようなわけで、デジタル時代はもっぱら花などの撮影の時に必ず引っ張り出して使っておりました。
最短撮影距離は約24cmで、絞りは6枚です。私にとってハーフマクロというところより、絞り枚数が少ないことが少々残念な点です。とはいえ、それはこのレンズの個性と思えばいい話であって、大きな問題点ではないですね。
そんなわけで、ここからこのレンズで撮影したお花たちをいくつか紹介。古い写真も出てくるので、使用カメラはまちまちです。
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たまたま購入した黄色い薔薇。めったに薔薇なんてうちで買うことないので、物珍しさもあって撮影しました。カメラ修理技術者時代にマスターボディで露出精度の調整したレンズですので、フィルムカメラでは問題ないはず、なのですが、露出計通りに撮影すると少々オーバー気味に写る傾向が私の個体はあります。
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亡き祖母が植えた、名前は全く覚えていないのですが、ネットで検索するとカラスウリというものに似ています。今年は咲かなかったなぁ。そこまで庭の手入れが出来ていないので、もしかしたらもう生えてこないかもしれません。
ボケ味が特徴有りますが、嫌いな描写ではないです。色のりは比較的あっさりしており、落ち着いた描写が好みです。
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我が家の玄関前に咲く初雪草。6枚絞りのボケがうっすらと見えます。昔のレンズなんてこんなもんです。気にしてはいけません・笑。
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花の名前は詳しくないのでgoogle先生によるとスターチス?というのでしょうか。紫が鮮やかです。ハーフマクロでも寄ればこれくらいはこなせます。
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小手鞠。AF-160Cリングフラッシュと組み合わせて撮影しています。フラッシュ単体ですと、被写体は平面的に写りがちですが、他にも照明をあてつつ、フラッシュ光を押さえると良いでしょうね。周りが黒くなりますので、背景はあまり気にしなくても大丈夫・笑。
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チューリップ。これはK-1MarkIIとの組み合わせですね。本来の画角で撮影出来ますね。1980年代のレンズといわれないと解らない写りではないでしょうか。まぁ、今時のレンズほどキレッキレの写りでは無いですが、私はこういった柔らかい描写の方が写真らしくて好きですけど。
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上から撮影したチューリップ。これもK-1MarkIIです。フルサイズでマクロを使う時はFA100mmマクロを使う頻度も上がりますが、ここは50mmで取りたい!と思うときも有ります。被写界深度がどちらの焦点距離で撮影するのが良いかを考えて選ぶことも良くありますね。
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かすみ草。さすがにこれをこの大きさで撮影するにはハーフマクロでは厳しい…。ということでヘリコイド接写リングの出番です。レンズ側のピントリングと接写リング側両方使ってピントを調整、というか倍率の調整というか、撮影します。ヘリコイド接写リングを使うと、自動絞りが使えなくなりますので、レンズ側の絞りをAポジション以外に設定し、実絞りで撮影となりますね。開放測光の時と、実絞りの時とでは露出の傾向が変わったりします。私の個体では開放測光時よりさらに若干オーバー気味になる傾向があります。デジタルの良いところとして何度も試し撮りが出来ることですよね。これは室内で撮影しているので、風の影響とかも起きにくいし、じっくり撮影出来ました。
最近のレンズでは絞りリングがないレンズが多いので、リバースアダプターや、接写リング、ベローズといった、接写アクセサリーが使えなくなってしまったのが残念です。私みたいにフィルム時代から撮影している方であれば、そういったアクセサリーを活用することでこのレンズは撮影の幅が広がります。
確かにMFですし、レンズ焦点距離の情報はレンズ側に存在しないので手動で設定する必要があり、その辺りが手間ではありますが、接写の世界ではAFだけでピントを合わせることはほぼ無いという点もあり、未だに他のレンズと列んで使用している要因ですね。塗装がMレンズとかと比べて剥がれやすいので見た目が酷い状態になりがちなレンズですが、今のところ価格も安いですし、キットレンズで大きく映せないとお思いの方は選択肢に入れても良いかもしれませんね。
以上、smc PENTAX A 50mm F2.8 MACROのレビューみたいなもの、でした。
それではまたお会いしましょう。