タイトル:本を愛した彼女と、彼女の本の物語
著:上野 遊
いつも何気なく手に取る本に意思があったらと、どんな人に手に取ってもらいたいでしょうか?
この本はそれを感じさせてくれる物語でした。
書店におかれ、返品寸前で、ある若い女性(銀河)のもとに届けられた(死後の世界にある不思議なホテルを舞台にした)一冊の意識を持つ本。
プレゼントされたことも知らず読むことすらしなかった銀河ですが、ふとした出来事で本を読み、物語に共感し勇気をもらい、大きな一歩を踏み出します。本をきっかけに高校で一生涯の親友そして、大学で素敵な彼に出会い、まるで物語の主人公のように、悩みながら将来を夢見て幸せに過ごします。
銀河は、自分を変えてくれたその本をお守りのように持ち歩き、またその本も銀河に読んでもらえ大切にされているのを誇らしく見守り、時には友のように連れ添います。とある出来事がおこるまでは・・・
一冊の本が人を変えるきっかけになるお話はよくありますが、本の視点から持ち主に対しての想いが伝わってくるお話ははじめてでした。誰でも、自分にとって大切で、読み返したい本(電子書籍も含め)がどこかにあると思いますが、この本はその一冊に加えてもいいと思える本でした。
いつか、この本に出てくる、架空のお話「ホテル・カロンの物語」も書籍化されたら読んでみたいと思いました。
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