タイトル:雲雀坂の魔法使い
著:沖田 円
雲雀坂にひっそりある魔女が営むお店を舞台にしたお話。
見た目は少女だけど、長く生き英知を持った、気難しく依頼を受けてもめったに魔法を使わない魔女(翠)ですが、気になった人にはちょっとした魔法を使います。
この物語では、女子中学生、画家、小説家、男子大学生が依頼主として登場しますが、翆は話を聞きつつも、しっかりとした観察眼(魔法使いとしての感性)で、本当に魔法が必要なのか、依頼者に謎のような問いかけをしながら、気になった依頼だけにちょっとした魔法をかけます。
魔法を使わなくても答え(自分の中に解決できるもの)を見つけられるものについては、魔法を使わず自然に答えが出るように、後押しをそっとしてくれます。長く生き様々な知識と経験をもとに、時には失敗をしつつも、魔法使いとして冷静に判断して、人と適度な距離感で接する生き方は、共感するとともに、すべてを解決する魔法はなく、思っていることは自分で声に出し、相手に伝えることも時には必要であることを教えてくれている気がしました。
こんな魔法使いのお店なら一度訪ねて、話だけでも聞いてもらいたいと思いました。
(物語に毎回登場するお店で出してくれるその人にあったハーブティは、読んでいて、飲んでみたくなりました。)
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