猫と犬と米国暮らし(旧 猫に寄せて)

米国カリフォルニア州/フロリダ州/ニューヨーク州/マサチューセッツ州と移動を続けてきた動物中心一家、E家の生活記録。

トトに寄せて ー はじめに…

2018-11-12 20:00:00 | 家族のこと
5月10日木曜日、
トトを見送るときに
心に流れてきた曲は
意外にもこの曲だった。






トトは、アメリカに来て
初めて迎えた猫だった。




日本で教育を受け
社会経験も積んだ私にとって、
アメリカでの生活は
違和感そのものだった。
日々の閉塞感で、潰れそうになった。
一分一秒ごとに、
息を吸うごとに、苦しみが増していく
そんな気がした。
私はここで受け入れられていない、
私は誰にも理解されない、
そうした思い込みが
やがて恐怖に変わり、
私は常に怯えるようになった。
怯えることが習慣になった。



そんな私の傍にいて
その様子をずっと見ていたのが
トトだった。
私の精神が、どんどん崩れていく、
その一部始終をみていたのがトトだった。



トトは完全室内飼育に
するつもりだった。
でも、うちの子になったその日から
トトは外へ出たがった。
動物愛護をかじった私が
愛猫を外に出すなんて
つじつまが合わない。
私はいらだった。




そんな私を横目に
トトは網戸をのぼり、壊し、
家じゅうにシッコをして
外に出ようとした。



出来る限りのことをして、
外へ出ようとした。


私は折れて、
そしてトトは外へ出た。




トトはまるで、

「俺は外へでる。
 俺は最高の家猫人生を
楽しむために生まれてきた。
 そのために、お前を選んだ。
 だから俺は外にでる。
 最高に楽しい家猫人生を送る」

と言っていると感じた。



そして、今思えば
それは私へのメッセージ
だったのかもしれない。
物事すべてに対して心配し、
怖がっていた私にトトは、

「外へ出ろ。
 お前は自ら望んでアメリカへ来た。
 お前がここでやりたいことは何だ。
 やってみろ。
 お前の人生を生きろ。
 その限られた時間を生きるのだ。
 怖がることは時間の無駄だ。
 自分を信じて飛び込むのだ!
 そして、その人生を楽しめ!」

そんなメッセージを
彼はその行動で見せて、
伝えようとしていたのかもしれない。




その証拠に、
トトが遠出をして帰宅が遅くなり
私がひどく心配しても
彼は必ず戻ってきた。



私の心配は無駄なことだ
というかのように
ひょうひょうとした顔で戻ってきた。



この15年の間、
彼はそうして必ず私の元に戻ってきた。
私の心配はどれもこれも
無駄だということを
私に確信させるために
彼は私の元に戻ってきた。



彼は「信じる」ことの大切さを
私に教えてくれた...。


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