こんばんは。
ちょっと、秋風の吹く中、本日はある人に会った。
1年以上前に会った人で、その時の騒動はこんな感じだった。
自称、「自分に嫌なことをすると、相手が怪我をしたり、死んだりする」と言う人だ。
職場で派遣をお願いしたら、この手が来たらしく、初日から仕事にならないらしい。それならそれで、普通に解雇すればいいのだが、実はこの自称禍のひと、実に経歴がバッチリなんである。
学歴職歴ではなく、禍反転率と、禍の精度が高い。
呪い屋になった方が、適職だろうと言うことまで、職場はリファレンスを取ったので、逆に解雇に向けて怖くなったらしい。
という時に、呼ばれる、愚かな低時給の裏上司、朋である。涙
まあ、職場で面談すると、かなり社内の雰囲気や、体面上マズイので、彼女に出てきてもらって、都内で顔を合わせた。
しょっぱなの挨拶は、通常は、はじめましてとか、こんにちはであるが、禍のひとを仮に、禍さんと呼ぶとしよう。禍さんは、面接で会った不動明王の彼女の采配で、採用になって、その他に、人事権を持つ、メンドくさいひとがいるとは、思わなかったようで、案の定、わたしを平社員と見て、こう話してきた。
「わざわざ、外に呼び出すって、あなた普段職場にいないのに、なんの人?」
わたしは、自分も所属である旨を伝えたが、あえて、人事権を持つとは話さなかった。
「転職の誘いとか、そーいうのはウザいんですけれど。」
禍さんは臆面もなく、疑うこともなく話している。実は、禍さんに会うために、わたしは特殊なメイクでダウングレードし、バブル引きずってる感を打ち出した服を着てた。故に、彼女は、油断したのだろう。
「なんか、今の職場は嫌なんですよね。わたしに大事な仕事とか任せないで、電話番だけで、スキル落ちちゃうんですよ。」
うん。それは、君が、サイコ物件かどうかの試用期間だから仕方ない。でも、その中で、禍さんはニヤッと微笑んで言った。
「あんまり、わたしのこと大切にしないと、大変な目に遭いますよ。こんなとこで、こんなオバさんと何を話せって言うのかな。ああ、辞める気はないんで。職場は名が知れてるし、いい経験になるし。早く、即戦力になりたいんですよ。」
わたしは、それで、まずはスキルチェックから始めた。
アプリ開発経験なし。アナリスト経験なし。でも、多少Excelが使える。極めて単純な関数のみであり、うちが乱発する関数は知らない。Wordは、装蹄しすぎてフォントサイズが、段ごとに変わって読みにくい。
リサーチの経験はなし。
ということで、うちが使う主要ソフトの経験は、あるらしくそれで引っかかったらしい。確かに、そのオペレーターは、時給が高い。しかし、実際に、持っていったダミーの環境で、指示したことを行わせたら、全くできなかった。指示付きで、マニュアルまであってできない。
「これは、経験がないのかな。どうかな。」
そう、わたしが尋ねると、大変な剣幕で、周囲に気を使わず怒鳴り立て始めた。
「これは、なに?あんた、わたしを動かない環境で失敗させようとしてるでしょう。わたしのことを大切にしないと、あんたの大切なもの、ひとつずつ壊れてくよ。いいの?
職場で聞いたんでしょう?」
やっと、本題だ。今までこそが、ダミーだ。というより、その環境で使えないとなると、確かにオペレーターではないようである。口だけ申告だろう。
「大切なものが壊れるって、初めて聞いたんだけれど、どうかしたの?」
「わたしを不愉快にさせると、あんた事故に遭ったり、不幸になるよ。」
「ふーん。そうなんだ。で、それは、どうやって、事故にわたしを遭わせるの?」
「わたしは直にやらないけど、わたしの周りのものがやるのよ。あんた、事故に遭わせてあげる。1度も不幸な目に遭ったことないでしょ?わたしの勘よく当たるんだ。」
「わたしの勘って、どうやって知るの?」
「わたしに憑くものが、わたしに知らせる。」
まあ、もう、皆さん、ご想像通り、その時のわたしの嬉しさは、既にマックスである。満面の笑みで、相手に対応してる。
「それで、なにが憑いてるの?」
「あんたに言うことじゃないよ。ただ、そいつに、わたしがあいつを殺せとか言えば、事故に遭うんだ。」
「凄くカッコいいね。どんな感じ?もう一回やってみて。」
わたしがそそのかすと、相手は身構えてこう言った。
「わたしに禍を成す、目の前の人間を殺せ。・・・・こう言うのよ。」
禍さんはニヤッと笑って言った。
「これで、あなた、今日の帰り、事故だね。工事現場で死ぬかな。」
「へえ、場所まで特定するんだ。凄いね。んじゃ、これ見てくれる?」
わたしは、すかさず、鏡を取り出し、相手に見せて、相手の声を録音したものを聞かせた。
禍さんはパニックになった。
「卑怯だ。卑怯だ。これ、呪詛返しだ。ヤバイ。うちの近所に、工事現場ある。ヤバイ。完全ヤバい。」
わたしは、笑って言った。
「こうやって、返されたら、あなたが危険だわねぇ。どうしたらいいかしら?」
禍さんはパニックのままである。
「あんた、社員じゃなくて、お祓い系の人でしょう。嫌がらせで来たんでしょう。」
「トンデモない。あなたの使えない関数も、使えないソフトも開発できる人材ってだけで、ついでに言えば、大変狡猾。あなた以上にね。
でも、あなたの理論でいくと、あなたは今日近所の工事現場で命を落とすと言うことなのかな。大変ね。物騒だわ。嫌ならお金を積んでくれって言いたいところだけれど、あなたの憑き物の正体を知ってるから、わたしも使役できるのよ。
でもね。普通に心で思うだけで、相手が事故に遭うなら、慎重にしないと。見えないのかな、使役する度に、それは増えるのよ。
最後、どこの企業にどんな術者がいるか、分からないから、普通はそういうの言わないし、使わないし。
ついでにね。あなたの声の録音は、軽~く恫喝に値するから、法の方も気にした方がいいと思うの。だって、拘置所って大変な生活でしょ。」
「あんた、なに言ってんの。あたし、このままだと今晩死んじゃう。今晩死んじゃう。(涙声で)やだ、そんなつもりじゃなかったのに。どうしよう。解除してよ。」
「嫌よ。あなたが自分の声で命令したんだから、鏡貸してあげるから、自分で解除しなさいよ。」
「違う。わたし、人を呪っても、人に一度かけた呪いは取り消せないのよ。」
「ああら、大変ね。わたしのも返したから、利息で、倍かあ。凄い凄い。」
「ちょっとぉ。もう、あんな会社辞める。」
「辞めても、今晩死んじゃうでしょう?」
「あー、ちょーメンドくさい人に会った。事故だわ事故!凄くメンドくさい。」
「でも、今晩死んで見るのいいかもよ?いい日旅立ちって感じで。」
「やだ、この人異常!ねえ、助けてよ。助けてくれたら、なんでもする。」
「でも、あなたの勘だと、わたしは1度も不幸な目に遭ったことがない女なんでしょう?」
「うん。しかも、独身。」
「・・・・・・・これ、過去にあなたがやってきたことのリスト。覚えてる?」
「・・・うん。」
「これ見ると、随分使役関係長かったのね。」
「なにが言いたいのよ。あんた、死ねばいいのよ。」
「んじゃ、あなたも、ついでに今日死んじゃおうか。いいね。死ぬにはいい日和。」
「やだやだ、嫌だって。もう、お願い。職場辞めるし、あんたの周りも呪わない。」
「ホントかな。」
「なによぉ、信じなさいよぉ。あんた、何気に、また呪詛返し?いい加減にして!」
「自分の呪詛から逃げれると思うなら逃げなよ。あなたは、使役したこれらを増やしてきちゃったのね。凄い数だわ。リスト外は、電車とか公共乗り物かな。
これら憑き物は、馬鹿だから、言う通りに動く。馬鹿だから、主も呪う相手の区別もつかない。馬鹿だから、怖いのよね。減らすように日々送るのなら、考える。」
「やだ、勘弁して。うちのお姉ちゃん、もっと凄いんだから。」
「馬鹿ねえ、相変わらず録音中だっチューの。家族で考え直さないと。あんたが家族を殺しちゃうよ。」
「ねぇ、あたし、今日死んじゃうんだよね。」
「つーか、一つ聞いてくれる?あんたが、使役したものから、聞いた情報は間違い。わたしは、不幸に何度も遭ってるし、死んだ数は半端ない。ついでに、独身じゃない。」
「うっそ、それ絶対嘘。あんたの近所に工事現場があるんだから。」
「少なくとも、今日はねえわ。」(帰宅道には、工事現場は含まれてなかった)
「独身でもないの?」
「だから、あんたが使役してたと思ってた奴らに、あんたは使われてるんだって。そこ、わからないと。」
「じゃあ、今日は死なない?」
「どっちかな。コインの裏表で決めよっか。」
「頭いいひとって大嫌い。ズルいズルい。自分ばっかり楽して、あたしのこと、誰も理解してくれない。嫌だ嫌だ。」
「で、ズルい論は分かったから、今日は死ぬ?」
「やだ。」
「んじゃ、職場に電話して、直帰して、派遣会社に目の前で電話して。」
「うんうん。・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
「これで、死なない?」
「どうかな。明日に持ち越しかな。」
「どうしてぇ?」
「今、あなた、職場と派遣元に電話して、憑き物少し減ったの分かる?」
「うん。チョットだけ減った。」
「んじゃ、あとは、自分の努力で、憑き物減らせば、逃れられるかもね。姉さんがそういう体質なら、姉さんのも減らさないと逃れられないね。」
「減らせば、いいの?」
「うん。減らしなよ。減らさないとやられるね。まあ、自業自得ってことだけど。」
「これって、逃げられるの?」
「ん?減らせば逃げられるよ。元々の使役の家系でしょ。子供にも憑いて回るけれど、何代かで、減らし続ければ、使役の契約終わるよ。」
「嘘。子供の頃からいじめられてて、ずっとずっと、お姉ちゃんと悩んでて。」
「まあ、それも、あんたの心がけ次第だな。」
「あなた、誰なの?なんでこんなこと知ってて、助けてくれるの?」
「いや、だから、まだ助けてないって。ひとの話聞けよ。全ては、あなた次第なんだよ。」
「なんで、こんなこと知ってるの?」
「まあ、平たく言うとあれだな。あなたと違った意味での憑き物の業の家系出身なだけのことだよ。」
「ええ?じゃあ、あなたは子供はいるの?」
「いる。憑き物がいるから、人並み以上に、大変だ。だから、あんたが思う理不尽さはよく分かる。でも、憑き物に使われると、表情がいやらしくなるからな、今以上に厳しい生活が待つぞ。
腹はたてるな、可愛く怒れ、無茶くちゃだよ。今までの生活と比べればね。でも、それを何代か続けると、上手くいく。」
それで、1年ぶりに、数の確認でお目にかかった。
禍さんは、余程コントロールしたんだろう、表情は温和で、人格の良さげな顔つきに変わり、憑き物は、3分の2になった。
「なかなか減るのは難しいのだけれど、よくやってるね。すごいよ。」
「始めは、頑張れば頑張るほど、増えてしまって。でも、あなたが、辛かったら電話しなよって、名刺くださって、それを支えにしてきました。」
「凄いね。相変わらず。それだけ、修羅場踏んだね。スッキリとした闘った後の静けさのような表情だよ。」
「何回か、電話しようとしたんですが、きっとあなたは、んじゃ、今日死のうって、付き合って死んでくださる気がして、絶対それは、この人のお子さんのためにもならないって、思ったんです。」
「そっか。ありがとう。で、今日は数の報告だけじゃないね。妊娠したね。」
「判るんですか?まだ、生理が遅れただけで、検査薬は今日の帰りにしようと思ってたんですけれど。」
「いや、ご主人にも恵まれたし、本当の闘いは、これからなんだよ。子供がコントロールしきれなくなる時、あなたが守るんだ。お姉さんで苦労しただろうから、上手に行くよ。」
「普通の社会人の方なのに、本当に霊能者みたいですね。でも、わたし、もっと強くなって、昔の祖先がした業を断ちます。覚悟はできてます。」
「いいねえ。いい話だ。ところで、少なくなったところで、わたしの背負う業が見えるようになったかな。」
「・・・・・・はい。かなり、増えたかと思うのですが。」
「うちのは、繁栄をもたらす禍なんだ。禍が思うようにわたしの能力が及ばなければ、一家目茶苦茶だよ。だから、やればやるほど、増える。幾つかのモノも預かっているから、増える。でも、基本はあなたと同じことしかしてない。」
「え?どういうことですか?」
「嘘つかない、誠実に謙虚に、能力はみんなの利益の為に最大限努力する。自分を制する。それだけだよ。」
「わたし、いい母になれるでしょうか?」
「母になるのは、なれるかどうかじゃないよ。自分を育ててなっていくんだ。来年は楽しみだね。お子さんは、まだ、もう少し授かりそうだし、ママ友は面倒だし、修羅場は、いつもあなたと隣り合わせだ。逃げたくなったら、また電話していいよ。」
「昨年は、本当にご迷惑をおかけしました。皆さんにもよろしくお伝えください。」
「うん。じゃあ、ここは払うから、帰りなさい。」
「あの、ご飯一杯食べちゃったんで、自分の分は自分で払いますし、ここはお礼に奢らせてください。」
「そしたら、こうしよう。ここの分は、わたしがあなたの1年間の努力のご褒美に奢ろう。その金額で、あなたは、ご主人と美味しいものを、お腹の子と分け合って、3人で祝いなさい。ささやかながら、お祝いだよ。」
禍さんだった彼女は、幸いさんになって、振り返り振り返り、涙を拭きながら、地下鉄に向かった。
さーて、この食費。会議費じゃ落ちないから、接待費で、落としてと。2人で、2万5千円食った。(笑)
いい話だ。心がけ次第で、この世は地獄にも極楽にも変わる。
残念なことは、世の中、自分が罪悪人であると言う自覚を持てぬまま、罪を重ねていく人がいることの方が多いことだ。
抜け出すのは、当人の心がけ次第。
毒親からも、そして、先祖が契約してしまった負の憑き物を持つ家系からも。何代もかけて、抜け出すんだ。
全ては、当人の覚悟の痛みを伴う心がけ次第。
2014年の1件、やっと、ひとつ目処がついた。彼女の先は長い。でも、負けないだろう。わたしは、信じてる。来年は、また妊娠中になりながら、小さな子を連れて来ることを。
しかしだな、鬼祓いは、ホントネタ尽きねーよな。わたしにとっちゃ、ひでぇ話や。
朋
ちなみに、実はこの人、そのままにしておいたら、呪いが溜まって自滅してたと思う。それ程、増えた数は多かった。何かって?蠱毒みたいなもんやな。
今回の幸さんのスキルを聞いて、ああやっぱりこの程度では仕事にならないんだなぁと再認識しました。
Excelはシートをつなぐ簡単な関数しか使えないしWordはポチリポチリなので文書はExcel頼みでしかも8年前のソフト。
この歳では転職は無理と、他のオカルト好きな方とは違う点に目が行ってしまいました。
何せ必要は上達の母で仕事をしてきたので、持ってる資格を活かそうと思ったら辞めるしかありません。
やはりパワハラ上司を我慢しながら働いていくしかないんだなぁと思ったのですが、それなら今やってることでスキルを上げて何か資格が取れるか調べればいいんだと気がつきました。
ありがとうございます。
いつもオカルト以外でいろいろ気づかされます。
最近、オレンジコスメのヘマチンシャンプーとトリートメントがしっとり系でパーマをかけてる身にはなかなか良いです。
たまには美容室の業務用も買ってみるものですね。
いつも教えていただいてばかりなので使用感など一言ご報告まで。
梓という少女が登場するのですが、禍さんのようなキャラクターなのです。
わたくし霊感は皆無ですが、今回の記事も勉強になりました。
『嘘つかない、誠実に謙虚に、能力はみんなの利益の為に最大限努力する。自分を制する。』…厳しく自分自身を戒めたいと思います。
ところで、お二人で2万5千円とは、何を召し上がったのでしょう?
記事を読んで勉強させていただいております
それにしても自分と似たような人がいるものだと驚いています。
私の場合は、異性と付き合う→2~3か月後音信不通→大ケガで入院と言うパターンでした。
後から必ず問題ありの人物だと分かるので、別れてよかったねと友人から言われました。
私も「嘘つかない、誠実に謙虚に、自分を制して、みんなの利益の為に最大限努力して」を肝に命じて生きていきたいと思います。
長文失礼いたしました。
こんな人が身近にいたらどう対処したらいいか分からないです。朋さんのやり方は、一般人はアウトでしょ。逃げるしかないですよね…。
でもこの方朋さんに出会えて良かった。救われましたね。今も苦行中でしょうが、 理解者に出会えて、道が見えたと思います。
朋さんは、どこに行っちゃうのですかねー。想像の枠越えてますよ。バージョンアップし過ぎー。こちらはワクワクしてますけども。
身体大事に、楽しく仕事に勤しんで下さいませ。
何だか、今年になってから色んな所から会計を5つほど頼まれ、役員も掛け持ちし、すんごい大変でU+1F630。私もそういう時期に入ったのかなぁーと思い、勉強させていただく気持ちで引き受けました。
まあ、人がいなさ過ぎて、断れないんでございます。そういう訳で金額も少額、だから出来るんですけどね。
忙しくて、 朋さんのブログも読み逃げしてばかり。久々にコメント入れました。U+1F609 いつも楽しみにしています。今回の彼女は、また登場される予感がします。U+1F60A