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時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

晴れのち大雨 奈良・飛鳥の博物館行

2017-08-06 22:35:47 | 近畿/日本
 「万葉集」に因んだ展覧会を鑑賞するため、奈良県明日香村にある、「奈良県立万葉文化館」を訪ねました。

 古代文化のロマン漂う、飛鳥の地を訪れるせっかくの機会でしたが、連日の猛暑が続く時季での訪問;
 事情で、日中最も暑さ厳しい午後到着となったことから、熱中症を避けるためにも、点在する見どころを巡るのは、今回はしないことにして、展覧会のみを鑑賞することにしました。

 それでも、京都へ帰る前に、橿原神宮は参拝しようと考えていたのですが、この遅い時間帯の行程が仇となり、激しい夕立に見舞われて、あえなく断念(爆)
 橿原神宮まで指呼の間という最寄駅から、そのまま京都への帰途に就きました。

 <奈良県立万葉文化館>


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 初めて降り立った、奈良県桜井市の玄関口・桜井駅。

 京都から、JR奈良線で奈良へ。
 奈良でJR桜井線に乗り換えて、やって来ました。

 60km強の距離を、1時間40分程で、到着。

 桜井線には、難しい読みをする駅の名が、結構ありました。
 奈良から続く3つの駅名が、「京終」「帯解」「櫟本」…地元の方でなければ、中々読めませんね;
 (正解は、この記事の最後にw)



 地上と橋上駅舎とを結ぶ階段で、山のように見える、桜井駅の南口。
 桜井駅には、JR西日本の他、近鉄も乗り入れています。

 駅舎の足元にあるバスのりばから、バスに乗車します。



 奈良交通の、石舞台行の路線バスに乗車、奈良県立万葉文化館を目指します。

 この、桜井駅発石舞台行の系統は、1日わずか3便の運行。
 春と秋の土日祝日には増発されますが(それでも1日6便)、真夏のこの時期、貴重なこのバスを逃す訳にはいきませんでした(^^;)
 14時ちょうどに、桜井駅を出発しました。

 因みに、このバスの終点である石舞台は、もちろん、飛鳥にある蘇我馬子の墓といわれている、石舞台古墳の最寄停留所です。
 バスの行先からして、古代のロマンを感じ取れるあたりは、流石に奈良といったところですね。


 

 桜井駅からおよそ20分で、万葉文化館へ到着。
 1日数便という路線の停留所にしては、立派過ぎる程の停留所です。

 停留所にすぐ隣接して、万葉文化館の門があります。


 

 この展覧会を、見に来ました。
 展覧会等の催し物や、館内施設等の案内掲示が、門からのアプローチに沿って建てられている様子が、印象的でした。

 じっと立っているだけで、汗が滲み出てくる、蒸し暑い真夏の午後。
 訪れる人の姿も、疎らでした。


 

 どことなく古代から続く、悠久の歴史の流れを感じさせるような意匠を施された、万葉文化館の建物。
 シンプルな装飾と、力強い雰囲気を纏わせた骨太な柱や、建屋全体を雄大に感じられる、緩やかな傾斜の屋根が、印象的でした。

 万葉文化館の敷地は、「万葉庭園」として、緑豊かに整備されています。
 庭園は、散策することができるよう、小径があるのですが、真夏のこの時季でしかも14時過ぎという灼熱の下では、気持ち良く散策…という訳には、到底至りません。
 サクッと撮影を済ませて、汗の噴き出る前に、館内へと急ぎます。



 エントランスも、やはり古代風ですね。
 全体的に重厚な印象ですが、シンプルな意匠が、重苦しさを感じさせません。

 エントランスの傍らに、見覚えはあるものの、久しく目にしていなかったお方?が…w



 せんとくん、まだいたのですね(失礼w)!

 ご存じ(かどうかは分かりませんが)、平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターとして物議を醸しましたが、今では奈良県のマスコットキャラクターとしての地位を、ガッチリと確保。
 古代の役人風?の装いで、訪問者を出迎えていました^^



 この日の訪問のお目当ては、開催中であった、この展覧会、「こい・孤悲・恋 ―アニメ「言の葉の庭」~漫画・日本画―」。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 「万葉集」で多く詠まれている、恋の歌(相聞歌)にテーマを当てた、アニメや漫画、日本画等の作品を展示した展覧会でした。
 会場は撮影禁止でしたので、画像はありません。
 歌の意味の解説もあって、古代の人々の、今日と変わらぬ情熱的な恋心のやり取りを、感じ取ることができました。
 恋心を歌に詠み、相手に伝える…何とも風雅で粋な、古代人の恋愛表現ですね(´▽`)

 この展覧会で、アニメーション監督の新海誠氏の、「君の名は。」の前作である「言の葉の庭」を、アニメ作品として取り上げていたことを、ひょんなことから知って、この日訪れてみたのでした。
 万葉集の相聞歌に引っ掛けた、謎めいた出会いの演出、緑や水等のリアルかつ心理描写にも通じる、際立った美しさ等、新海作品の真骨頂を極めた「言の葉の庭」の設定や絵コンテ等の資料の展示もあって、こちらにも、ジックリと見入っていました。。
 会場の一角では、エンドレスで上映も行なわれていて、家にブルーレイディスクがあるにもかかわらず、やはり最後まで観てしまいましたw


 

 展覧会を鑑賞し終えて、会場から退出し、外を見ると…大粒の雨が降りしきっていました…;;

 万葉文化館の敷地からは、「飛鳥池工房遺跡」が発見され、「和同開珎」以前に「富本銭」という貨幣の鋳造が行なわれていたことが、確認されました。
 本来の飛鳥池工房遺跡は埋め戻されて、館内から見えているのは、実物大に復原して展示したものとのこと。
 これらの展示の傍まで立ち入ることもできますが、雨に加えて、帰りのバスの時刻が迫ってきていたことから、館内から眺めるだけに留めました。


 

 外へと出てみると、路上を叩く雨の滴が跳ね上がる様子まではっきりと判別することができる程の、雨脚の強さ;
 相変わらず、人影は見当たりません。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 緑に包まれた、雨の庭園風な眺めが、「言の葉の庭」の作中風景を思い起こさせて、軒から犬走りへと滴り落ちる雨滴を見ながら独り、悦に入っていました(^^;)



 にわか雨と思い込み、すぐに上がるかと思いきや、大粒の雨が益々強くなる中、万葉文化館の西側にある、往路とは別の停留所(桜井駅から乗車した往路の路線は、丁度良い時間の便がなかったため)で、橿原神宮駅行の奈良交通バスに乗車。

 時刻は17時過ぎ。
 離合も困難な細い田舎道を、巧みに走り抜けていきます。



 バスに乗車してからも、土砂降りの雨脚は衰えず、バスのボディを激しく叩く雨音が、走行中の車内にまで聞こえていました;;
 車窓を流れる風景も、ご覧のとおり…。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 車道も歩道も、半ば水溜り状態です。
 橿原神宮駅に到着するまでに、この雨が上がるか、心もとなくなってきました。



 …そして到着した、近鉄橿原神宮前駅(奈良交通バスでは、「橿原神宮駅」と表記)の東口;;
 乗車した、万葉文化館西口停留所からの所要時間は、約20分でした。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 薄日が差しながらも滝のような土砂降りの中、バスから下車。
 おまけに、稲妻がひっきりなしに光って、雷鳴が轟き渡っています;;

 傘を差してもずぶ濡れになりそうな勢いの雨の中を、駅へと駆け込みました。
 駅では、雨宿りの人多数。

 橿原神宮前駅から橿原神宮までは、歩いて10分程。
 京都へと帰る前に、せっかくの機会なので、参拝しようと考えていました。
 しかし、中々上がるどころか雨脚の弱まる兆しすらみせない激しい雷雨に見舞われて、この日の参拝は、諦めざるを得ませんでした。


 

 橿原神宮前駅の東口からホームへは、構内踏切を通行する必要があります。
 つまり、改札から目的のホームまで、線路上は屋外となる訳で…必然的に多くの人が、この雨と雷の下へと出るのを躊躇する人垣を作っては、意を決してホームへと駆け出していました。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 改札の外からも余裕で見える、横殴りに吹き荒れる、嵐の様相…;;
 この有様では、人々が駆けだすのを一瞬躊躇ってしまうのも、無理はありません。
 かくいう私も、心の準備をしてw、雨の中へと飛び出しました。



 橿原神宮前17時55分発の京都行特急で、京都への帰途に就きます。
 貯まっていた、近鉄のチケットレス特急券のポイント利用のお陰で、900円の特急料金ゼロでラクラク快適移動♪

 自宅への最寄駅がある京阪電車への乗り換え駅、丹波橋までの50分弱の間は、座席のリクライニングを倒して、ウトウトしていました。

 古代の人々のロマンチックな心情や、新海監督の傑作に久々に触れて、感動も新たにした、心に残る展覧会でした!
 帰路で見舞われた豪雨もまた、強烈な印象として、記憶に残りそうですw

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 JR桜井線の3駅の駅名
  京終:きょうばて
  帯解:おびとけ
  櫟本:いちのもと



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2017-08-06 23:58:35
このまま私たちが生活習慣を変えないと、2050年には東南アジアは人が住めないほどの気温になり、南欧では葡萄の栽培ができず、ワインの産地が北欧になるぐらい地球温暖化が進んでいるそうです。
奈良でもこんなスコールのような雨が降るなんて、日本も熱帯化しつつありますね。
万葉集が作られた頃は、夏の気温も30℃を超えることは殆どなく、愛しいお方の事を考える余裕も十分にあったのでしょうね。
桜井線の駅名、地元の人とクイズ王しか読めないでしょうね。
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タヌ子さん。 (taろう)
2017-08-07 23:34:01
もうずっと、年々気温が上昇しているような気がしています;
それにしても、北欧がワインの産地になってしまいそうとは…人間の環境破壊力は、凄まじいものがありますね。
今年の夏も、日本は猛暑で、奈良も御多分に漏れず、酷暑が続く毎日。
京都でも、毎日のように、夕立に見舞われています;
万葉集が詠まれていた時代は、歌が気持ちを表す、普通の手段であったのでしょうね。
彼らが今日にタイムスリップしてきたら、どんな歌に詠むでしょうね?
桜井線、難読駅が3駅立て続けという、ハードルの高さでしたw
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