延暦寺の巡拝を終え、すっかり日が短くなった11月も中旬に差し掛かった頃の夕刻、もうあと1時間もないところまでに闇が迫る中、明るいうちに比叡山を越えて一旦大津側へ下りて後、京都への帰路へ就くことにしました。
比叡山の大津側の麓に位置する坂本から京阪電車に乗車、浜大津で京都方面へ向かう電車に乗り換える頃には、すっかり日も暮れていました。
比叡山と大津側の麓である坂本までを結ぶ、坂本ケーブルのケーブル延暦寺駅前からは、琵琶湖を遙か北の方角を望むことができます。
既に16時を過ぎていて、17時になる頃にはすっかり暗くなっている、冬至も近い11月の夕刻です。
望遠の倍率を上げると、琵琶湖の北湖と南湖との境界の辺りに架かる、琵琶湖大橋のすっきりとした姿をはっきり捉えることができます。
北の方角を眺めていますが、空も既に黄昏時の最後の輝きを放っていました。
これから暗くなるまでは、信じられない位にあっという間です。
坂本ケーブルのケーブル延暦寺駅です。
麓のケーブル坂本駅と共に、昭和2年(1927年)の開業当時に建築されたそのままの姿で現存する、レトロな洋風建築の駅舎です。
軒や庇の支えも装飾風な意匠で、中々お洒落な雰囲気です^^
2階は当初は貴賓室であったそうで、1階の張り出し部分を屋上として、外に出ることもできます。
その屋上部分から眺めた、先程の駅前とは逆方向である、南側の眺めです。
琵琶湖の最南端部に架かる近江大橋から、琵琶湖に沿って広がる大津中心部の市街地が一望の下に。
大津の市街地から更に西の方向へ目を遣ると、逢坂山を越えて、京都府側の山科盆地の東端からその南に続く宇治方向までが、遥かに見渡せます!
西日を浴びている山肌はどれも、既に秋の装いを纏って色付いているように見えます。
ケーブル延暦寺駅を出発するケーブルカーを撮影してみました。
大勢のお客さんを乗せて、ゆっくりと傾斜を下っていきます。
ケーブルカーが通り過ぎるまで、軌道の中央に渡されたケーブルは1本ですが(すれ違って上がってくるもう1両のケーブルカーにつながっているケーブルです)、ケーブルカーが通り過ぎた後には、そのケーブルカーに繋がったケーブルが加わって、2本のケーブルが見られます。
ケーブル延暦寺駅の改札口。
間もなくケーブルカーが到着し、改札が開始されます。
この坂本ケーブルは、路線延長2,025mで日本最長、途中に2ヶ所の駅があるという、異色のケーブルカーです。
麓のケーブル坂本駅までの所要時間は、11分です。
ケーブル延暦寺駅のホーム端に据え付けられていた、梟?と兎の木彫りの愛らしい彫刻。
比叡山に生息している等、縁でもあるのでしょうか。
彼等に見送られて、私の乗り込んだケーブルカーも、麓へと出発しました^^
途中に2ヶ所ある駅の1つ、ほうらい丘を通過しました。
ケーブル延暦寺とほうらい丘との間に、残るもう1つの駅、もたて山がありますが、撮影のタイミングを逸しましたorz
これら2つの途中駅で下りる場合は、乗車駅での改札時に予めその旨を係員に申し出る必要があります。
乗降客がいない場合、ケーブルカーは停車することなく通過します。
私の乗ったケーブルカーも、これらの駅に人の姿はなく、一瞬のうちに通過しました。
16時30分に山上のケーブル延暦寺駅を出発して11分後、麓のケーブル坂本駅に到着しました。
ケーブル坂本駅は、登録有形文化財に指定されています。
ケーブル延暦寺駅と比べてモダンな雰囲気で、同時期に建築されたとは思えません;
明るい白基調の外観とはうって変わって、セピア色の落ち着いた佇まいを見せる駅の構内。
木製のベンチや、アーチ状に壁をくりぬいたような改札口、そして天井からつり下がったレトロな電灯…構内だけ、時間の流れが止まったかのようです。
木彫りの梟が、ここにも置かれていました。
ケーブルカーに連絡しているバスで、京阪電車の石山坂本線(いしやまさかもとせん)の始発駅、坂本駅までやって来ました。
ケーブル坂本駅からは充分に歩ける距離ですが、この日所持した京阪電車の企画乗車券(延暦寺巡拝券付の比叡山横断チケット、平成24年は12月2日(日)までの限定発売)はこの区間のバスも有効であったので、ケーブルカーに連絡しているバスに乗車、数分で京阪電車の坂本駅に到着しました。
京阪電車の石山坂本線は、ここ坂本から琵琶湖に沿って大津中心部のターミナルである浜大津へと向かい、更にその先紫式部ゆかりの寺としても名高い寺院の最寄りとなる、駅名も寺院と同じ石山寺までを結んでいます。
坂本を17時頃に出発してから約15分で、京都方面へと向かう京津線(けいしんせん)との乗換駅でもある、浜大津に到着しました。
京津線はこの駅が始発駅、最終区間のラストスパートをこの電車が担ってくれます。
ホーム反対側への乗り換えなので、2分の接続ですぐに出発です。
馴染みのある駅名の行先案内表示を目にして、ようやくほとんど戻ってきたという感慨が湧き上がりました!
浜大津を出る頃には既に17時を過ぎていて、大津から京都へと抜ける逢坂山へと分け入る頃にはみるみる夕闇が濃くなっていきました。
逢坂山中の谷間の急勾配を登る電車は、1両の長さが16.5m(通常の電車は大体19m~20m)×4両の短い編成ですが、車幅灯の点灯した後ろの車両がはっきり見える程にきついカーブが続きます。
この眺めからも、上り坂ということが分かります。
京津線は浜大津を発車直後、次の駅までの区間は道路上を通行します。
その後この山越えの区間に進入、66.1‰(パーミル:1,000mの距離で66.1mの高低差)という登山鉄道並の急勾配を越え、更に山科の次の駅、御陵(みささぎ)からは京都市営地下鉄の東西線に乗り入れて京都市役所前や太秦天神川まで地下鉄を走行します。
浜大津~太秦天神川の最長区間でも20km足らずの間に、路面電車、登山鉄道、通常の地上の専用軌道、地下鉄という異なる形態の路線を同一車両(800系)で次々に走破する、非常に珍しい電車です。
10時過ぎに京阪電車の三条を出発してから約7時間半をかけて、京都市営地下鉄東西線の三条京阪に戻ってきました!
比叡山を越えて大津に出て、ぐるりと一回りの日帰り旅行、ここに完結です(^o^)
素敵な八瀬のお寺拝観に始まり、初めての延暦寺三塔の巡拝、個性的なケーブルカーとロープウェイでの比叡山越え…と、時間の限られた日帰りの行程でもバラエティに富んだ内容の、楽しい小旅行でした。
せっかく京都に住んでいるのですから、こうした名所旧跡をのんびりと巡る旅もいいものだなと、改めて実感することができました。
遠い近いに関係なく、出る度に新たな発見がある旅の醍醐味を満喫して、とても満足して結ぶことができた比叡山横断でしたが、相変わらず簡潔に纏まらず、ダラダラ続いた日帰り旅行記にお付き合いくださり、ありがとうございました。
比叡山の大津側の麓に位置する坂本から京阪電車に乗車、浜大津で京都方面へ向かう電車に乗り換える頃には、すっかり日も暮れていました。
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比叡山と大津側の麓である坂本までを結ぶ、坂本ケーブルのケーブル延暦寺駅前からは、琵琶湖を遙か北の方角を望むことができます。
既に16時を過ぎていて、17時になる頃にはすっかり暗くなっている、冬至も近い11月の夕刻です。
望遠の倍率を上げると、琵琶湖の北湖と南湖との境界の辺りに架かる、琵琶湖大橋のすっきりとした姿をはっきり捉えることができます。
北の方角を眺めていますが、空も既に黄昏時の最後の輝きを放っていました。
これから暗くなるまでは、信じられない位にあっという間です。
坂本ケーブルのケーブル延暦寺駅です。
麓のケーブル坂本駅と共に、昭和2年(1927年)の開業当時に建築されたそのままの姿で現存する、レトロな洋風建築の駅舎です。
軒や庇の支えも装飾風な意匠で、中々お洒落な雰囲気です^^
2階は当初は貴賓室であったそうで、1階の張り出し部分を屋上として、外に出ることもできます。
その屋上部分から眺めた、先程の駅前とは逆方向である、南側の眺めです。
琵琶湖の最南端部に架かる近江大橋から、琵琶湖に沿って広がる大津中心部の市街地が一望の下に。
大津の市街地から更に西の方向へ目を遣ると、逢坂山を越えて、京都府側の山科盆地の東端からその南に続く宇治方向までが、遥かに見渡せます!
西日を浴びている山肌はどれも、既に秋の装いを纏って色付いているように見えます。
ケーブル延暦寺駅を出発するケーブルカーを撮影してみました。
大勢のお客さんを乗せて、ゆっくりと傾斜を下っていきます。
ケーブルカーが通り過ぎるまで、軌道の中央に渡されたケーブルは1本ですが(すれ違って上がってくるもう1両のケーブルカーにつながっているケーブルです)、ケーブルカーが通り過ぎた後には、そのケーブルカーに繋がったケーブルが加わって、2本のケーブルが見られます。
ケーブル延暦寺駅の改札口。
間もなくケーブルカーが到着し、改札が開始されます。
この坂本ケーブルは、路線延長2,025mで日本最長、途中に2ヶ所の駅があるという、異色のケーブルカーです。
麓のケーブル坂本駅までの所要時間は、11分です。
ケーブル延暦寺駅のホーム端に据え付けられていた、梟?と兎の木彫りの愛らしい彫刻。
比叡山に生息している等、縁でもあるのでしょうか。
彼等に見送られて、私の乗り込んだケーブルカーも、麓へと出発しました^^
途中に2ヶ所ある駅の1つ、ほうらい丘を通過しました。
ケーブル延暦寺とほうらい丘との間に、残るもう1つの駅、もたて山がありますが、撮影のタイミングを逸しましたorz
これら2つの途中駅で下りる場合は、乗車駅での改札時に予めその旨を係員に申し出る必要があります。
乗降客がいない場合、ケーブルカーは停車することなく通過します。
私の乗ったケーブルカーも、これらの駅に人の姿はなく、一瞬のうちに通過しました。
16時30分に山上のケーブル延暦寺駅を出発して11分後、麓のケーブル坂本駅に到着しました。
ケーブル坂本駅は、登録有形文化財に指定されています。
ケーブル延暦寺駅と比べてモダンな雰囲気で、同時期に建築されたとは思えません;
明るい白基調の外観とはうって変わって、セピア色の落ち着いた佇まいを見せる駅の構内。
木製のベンチや、アーチ状に壁をくりぬいたような改札口、そして天井からつり下がったレトロな電灯…構内だけ、時間の流れが止まったかのようです。
木彫りの梟が、ここにも置かれていました。
ケーブルカーに連絡しているバスで、京阪電車の石山坂本線(いしやまさかもとせん)の始発駅、坂本駅までやって来ました。
ケーブル坂本駅からは充分に歩ける距離ですが、この日所持した京阪電車の企画乗車券(延暦寺巡拝券付の比叡山横断チケット、平成24年は12月2日(日)までの限定発売)はこの区間のバスも有効であったので、ケーブルカーに連絡しているバスに乗車、数分で京阪電車の坂本駅に到着しました。
京阪電車の石山坂本線は、ここ坂本から琵琶湖に沿って大津中心部のターミナルである浜大津へと向かい、更にその先紫式部ゆかりの寺としても名高い寺院の最寄りとなる、駅名も寺院と同じ石山寺までを結んでいます。
坂本を17時頃に出発してから約15分で、京都方面へと向かう京津線(けいしんせん)との乗換駅でもある、浜大津に到着しました。
京津線はこの駅が始発駅、最終区間のラストスパートをこの電車が担ってくれます。
ホーム反対側への乗り換えなので、2分の接続ですぐに出発です。
馴染みのある駅名の行先案内表示を目にして、ようやくほとんど戻ってきたという感慨が湧き上がりました!
浜大津を出る頃には既に17時を過ぎていて、大津から京都へと抜ける逢坂山へと分け入る頃にはみるみる夕闇が濃くなっていきました。
逢坂山中の谷間の急勾配を登る電車は、1両の長さが16.5m(通常の電車は大体19m~20m)×4両の短い編成ですが、車幅灯の点灯した後ろの車両がはっきり見える程にきついカーブが続きます。
この眺めからも、上り坂ということが分かります。
京津線は浜大津を発車直後、次の駅までの区間は道路上を通行します。
その後この山越えの区間に進入、66.1‰(パーミル:1,000mの距離で66.1mの高低差)という登山鉄道並の急勾配を越え、更に山科の次の駅、御陵(みささぎ)からは京都市営地下鉄の東西線に乗り入れて京都市役所前や太秦天神川まで地下鉄を走行します。
浜大津~太秦天神川の最長区間でも20km足らずの間に、路面電車、登山鉄道、通常の地上の専用軌道、地下鉄という異なる形態の路線を同一車両(800系)で次々に走破する、非常に珍しい電車です。
10時過ぎに京阪電車の三条を出発してから約7時間半をかけて、京都市営地下鉄東西線の三条京阪に戻ってきました!
比叡山を越えて大津に出て、ぐるりと一回りの日帰り旅行、ここに完結です(^o^)
素敵な八瀬のお寺拝観に始まり、初めての延暦寺三塔の巡拝、個性的なケーブルカーとロープウェイでの比叡山越え…と、時間の限られた日帰りの行程でもバラエティに富んだ内容の、楽しい小旅行でした。
せっかく京都に住んでいるのですから、こうした名所旧跡をのんびりと巡る旅もいいものだなと、改めて実感することができました。
遠い近いに関係なく、出る度に新たな発見がある旅の醍醐味を満喫して、とても満足して結ぶことができた比叡山横断でしたが、相変わらず簡潔に纏まらず、ダラダラ続いた日帰り旅行記にお付き合いくださり、ありがとうございました。
地図上に名前が書いてある場所を全て回ったら、一日でも足りないかもしれませんね。
四季折々、異なる表情を見せてくれそうな比叡山。
一面の雪景色も素敵でしょうね。
ケーブルの延暦寺駅、この時代の建造物は10年も経つとすっかり疲れた形相になってしまう近代建築と違って、年を重ねるごとに魅力が増しますね。
そんな人間になりたいけれど、やっぱり私は近代建築だなぁとちょっと悲しくなった次第。
境内も山内三ヶ所に広がりを持ち、シャトルバスが必須な訳ですが、車での移動がベストでしょうね。
標高が800mを超える立派な山なので、厳しい自然条件で山を彩る木々等も鍛えられて、四季折々の美しい景観を見せてくれるのだと思います^^
雪化粧の比叡山は京都からでも眺められますが、その姿を見ると、一段と底冷えをキツく感じてしまいます;
現存する古い駅舎等の施設の建物は、きっと今日のそれよりも、新技術の象徴として、丁寧にコストも惜しまず造り込んでいたのでしょうね。
現代はヒトにもモノにも、かかるストレスが日々増加しているように感じるので、双方共に早々にくたびれてしまうのもしれません(^^;