時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

さようなら交通科学博物館-3~館内展示<1>

2014-03-16 11:27:23 | 近畿/日本
 交通科学博物館、決して広いとは言い難い館内でしたが、充実した展示物から、展示密度の濃さを実感しました。

 時間の関係もあって、館内をくまなく回った訳ではありませんが、印象的であった展示や、0系新幹線電車と共にこの日内部を公開していた電気機関車等の様子を、とり挙げてみました。

 <交通科学博物館>
 <EF52形電気機関車>
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 交通科学博物館の館内、保存車両の展示スペースに入館すると、まず目に入るのが、このリニアモーターカー、「マグレブML500」です。
 丸みを帯びた風貌は、背後に見えている、0系新幹線電車に通じるものを感じました^^

 実物の ML500 は無人の実験車両で、宮崎県に敷設されたリニア実験線において、昭和54年(1979年)に 517km/h という、当時の世界最高速度を記録しました。



 こちらは、国鉄初の特急用電車である、151系の先頭車の、やはり実物大のモックアップ。
 前に大きく突き出ている、この先頭車のスタイルに見覚えのある方も多いのではないでしょうか。

 運転台に入って運転席に座れるようで、ちびっ子にもお父さんにも、鉄道ファンにも超人気の、長い長い行列ができていました!



 保存車両が展示されていたスペースの反対側の壁面上部には、かつて東京や関西から北陸、山陰、九州等西日本方面とを結んでいた寝台特急、すなわちブルートレインの名列車たちを牽引していた機関車に、誇らしげに掲げられていたヘッドマークがズラリ♪

 「はやぶさ」や「さくら」は、今日では新幹線(前者が東北、後者が山陽・九州)の列車名に採用されていますね。
 「つるぎ」も、1年後の平成27年(2015年)春に長野~金沢の区間が開業する北陸新幹線の、富山~金沢の区間を運行するシャトルタイプ列車の名称に決定しています。



 ちょうど2年前となる平成24年(2012年)3月のダイヤ改正で定期運行が終了となった、大阪~青森を走行していた「日本海」は、その直前に乗りに行きましたっけ。。。
 懐かしいなぁ(´-`)

 「瀬戸」や「出雲」は、列車名から目的地が分かりますね!
 平成26年(2014年)の現在でも、それぞれ名称の前に「サンライズ」を冠した電車寝台特急として健在、貴重な夜行列車として高い人気を誇っています。

 

 中央にあるのが、大阪~札幌を長駆する寝台列車「トワイライト・エクスプレス」のヘッドマーク。

 ここに掲げられているヘッドマークの列車名のうちで、唯一(平成26年 / 2014年)機関車が牽引する寝台列車として現存している名称です。
 しかしながら、2年後の平成28年(2016年)春に予定されている、北海道新幹線の新青森~新函館(仮称)の区間の開業に伴う青函トンネル走行の問題によって、どうやら廃止となってしまうようです(ToT)
 豪華な車内設備で、非常にチケットも取り難い人気列車だけに、もったいない話ですね。。。
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 「トワイライト・エクスプレス」といえば、実は私、だいぶ以前に大阪から終点の札幌までを、1人用個室の上級クラスである「ロイヤル」で乗車したことがあります!
 奇跡的にチケットが取れてしまいw、狂喜した興奮を今でも憶えています^^
 チケットの日付は、平成5年(1993年)。。。もう20年以上も前になってしまいました;

 個室内にシャワー・トイレ完備で、1人では持て余す程の広々とした、贅沢なゆったりスペース…夢のような21時間の旅路でした♪

 もちろん室内も撮影したはずなのですが、当時の写真がどこを探しても出てきませんでした。



 懐かしさついでに、もう一つの切符を。
 こちらは更に時を遡り;、平成元年(1989年)です!

 「日本海」の走行区間を、大阪~青森と記しましたが、このように、大阪から青函トンネルを潜って函館まで走行していた時がありました。
 「1号」「4号」とあるように、本数も1日2往復していました。



 「学割」…ですと。。。(^^;)

 確か、平成元年のこの時は、当時間もなく廃止となるローカル線に乗りに出掛けた記憶があります。
 北海道内乗り放題で重宝した周遊券も、今はもうなくなってしまいましたね。。。
 ローカル線の廃止と共に消えていった駅の途中下車印(一部現存する駅の印もあります)が押されたこの券片もまた、私の旅の大事な思い出の一つです。
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 閑話休題。
 掲げられたヘッドマークのトリは、こちら。

 これまで見てきたものの中にもありましたが、1つのヘッドマークに2つの列車名があるものは、途中の駅まで行先の異なる列車同士が併結されて運行していた区間で掲げられていたものです。
 「みずほ」もまた今日では、山陽・九州新幹線直通列車の速達タイプの列車名となっていますね。



 昭和30年代(1955年頃)の、普通列車の車内の様子だそうです。
 広告まで、それっぽく展示されていて、ノスタルジックな雰囲気に満ちています^^

 親の昔話などを聞くと、当時は平気で上野発青森行の普通列車など、長距離の普通列車が日本中で運転されていて、このような座席で移動していたのが当たり前であったとのこと…今では想像すらできません!
 しかも、背もたれは板張りであったらしく、この画像の座席は、それに比べたら上等の座席であったのですね;



 昔の駅の様子を再現した展示もあって、楽しかったです♪

 木材の暖かみが感じられて、旅情もいや増す昔日の駅構内…素敵です。



 壁一面に、蒸気機関車のナンバープレートが貼られた一角が。
 壮観でした!

 館内展示等の照明が反射して、ムード感もタップリですね。



 この日は、0系新幹線電車(弊ブログ記事→12)と共に、この EF52形電気機関車の内部を公開していました。

 EF52形が初めて製造されたのは、昭和3年(1928年)、平成26年(2014年)から実に86年前となります。



 リベット鋲の並ぶ様子も美しい模様に見える、大きな庇。

 焦げ茶色の塗装と共に、無骨だけれども、頑丈で頼もしい印象が伝わります。

 窓から見えている、運転のための機器や計器もメカニックでいい感じですねぇ^^



 かつての機関士さんと同様、前後に張り出したデッキから乗車します♪

 デッキからは、すぐ正面に、先程内部を見学して思い出に浸っていた、0系新幹線電車が展示されていました。



 機関車の内部へ入ると、当然ながら、まずは運転席です。
 とってつけたような、質素極まりない座席…当時の運転士さんたちに同情してしまいます。。。

 それでも、肘掛けのクッションが窓辺に設えてあるのは流石^^



 運転席の後部の、素人目には一体何の機器なのか全く分からない大きな装置類が据え付けられていました;
 まぁ、機関車の内部なんて、一般人には普段は足を踏み入れる機会などまず皆無なので、この日は貴重なチャンスなのでした。



 初めて覗く、電気機関車の内部は薄暗くて、通路も狭かったです。
 この、灰緑の塗装も、かつての鉄道車両内部には良く見られたカラーリングでしたね。



 あっという間に、反対側の運転席へ到達。
 機械室?と運転室とを仕切る扉もクラシックで、良い味出しています^^



 大型の電気機関車だけのことはあって、運転室のスペースは、広々としていますね。
 運転席と同じであろう、助士席も完備です!



 反対側の通路から、乗車した側の運転室へと戻ります。

 薄暗い感じや、天井を走るむき出しの配管等が、一昔前の工場内の雰囲気を醸し出していて、戦前の「昭和」の空気にドップリ漬かっていました。



 最初の運転席まで戻ってきました。
 大きさの割りには、シンプルにも見える運転台の構造…基本的な仕組みは今の電車もそれ程変わってはいないのでしょうね。

 縦にズラリと並んだ計器類、やっぱりシブくて素敵です!



 束の間の車内見学を終えて、乗車したデッキから機関車を降ります。
 機関車前面の、ちょうど運転席の外側にあたる部分に、この機関車のナンバープレートがありました。
 1号機ということで、昭和3年製ですね。

 0系新幹線電車とは異なり、1両だけの機関車内部をぐるりと1周するだけの、5分程という短い見学時間でしたが、恐らく今後も立ち入る機会は2度と訪れないであろう電気機関車内部を興味深く、ちょっとした探検気分で見て回った、プチタイムトラベルでした♪

 貴重な経験に心躍らせつつ、もう少し館内を巡り歩きます。



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4 コメント

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Unknown (プー太郎)
2014-03-16 19:58:06
Pale blue green の塗装は八甲田丸のNavigation Room(?)の色と似ていますね。
Wikipediaで検索してみたところ1872年に日本初の鉄道が新橋駅-横浜駅で開通されたとありました。建設の際、鉄道発祥の国イギリスから技師を招いたそうです。それを読みながらウサギと亀の物語がすぐに私の頭に浮びあがりました。
一応、産業国と謳っていますが(フランス、ドイツなどと比べるとイギリスは一体何を産業しているのかという疑問が残りますが)現在のイギリスの鉄道の状況はあまりにもひどすぎます。
何がひどいか?イギリス外食レベルの探求とともにイギリス列車事情探求という旅の選択もありますね。このようなマイナス発想の旅行はある意味でかなり面白いのですが、おすすめは出来ません。
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プー太郎さん。 (taろう)
2014-03-16 20:52:17
私が子供の頃には、急行や特急以外の電車内部は、ほとんどがこの緑色をしていた記憶があります。
現在でも、最寄駅のある某大手私鉄の電車の一部に、内部がこの緑色に近い色のものもあって、たまたま乗り合わせた時などに、ふと懐かしさを感じたりしています。
そういえば、日本の鉄道は最初、英国をお手本に敷設されたのでしたよね。
蒸気機関の発明に端を発した産業革命の申し子と言っても過言ではない英国の鉄道…日本にいると、プー太郎さんの仰るような深刻な現状の情報を中々得られず、今なお鉄道発祥国として鉄道が活躍しているイメージが強いです;
プー太郎さんのユニークなアイデアの着眼点に、脱帽です^^
イギリスの食と鉄道巡り…へそ曲がりな私としても、大いに「そそられる」旅のテーマになりそうですw
それでも、プー太郎さんの「おすすめできない」というご忠告を、今は真摯に受け止めておきますね(^^;)
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Unknown (タヌ子)
2014-03-17 22:53:33
時速517km想像がつかないけれど、内臓が背中を突き破って後ろに飛んで行ってしまいそうな気がします。
しかも、それが35年前の記録って凄いですね。
学生の頃からの切符をきちんと保存しているなんて、taろうさんは筋金入りの鉄男さんなんですね。
木の温もりが感じられる普通電車の内装、いいですね。
冷凍みかんが食べたくなります(笑)
電気機関車の内装のペンキの色、船の機関室の内装みたいですね。
運転席の背もたれ、固そうで、運転手さんも長時間の運転は辛かったでしょうが、こんな座り心地の悪そうな椅子では、居眠りもできないから、乗客は安心ですね(笑)
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タヌ子さん。 (taろう)
2014-03-17 23:50:33
ジェット旅客機の離陸時の速度が約300km/h前後というから、それよりもずっと速い速度でリニアは走るようですね!
あと20年もすれば、リニア新幹線が開業するというから、順当に生き続けられたら、実体験することは叶いそうですw
昔は確かに鉄分が過剰な程濃かったですが、今日ではずいぶん薄まったと勝手に思い込んでいましたが、今回の交通科学博物館訪問のような、ちょっとしたきっかけで、血が騒ぐようです(^^;)
冷凍みかん、よく売っていましたよね!私もまた食べたいですねw
内装ペンキ色、ポピュラーに普及していて、お安く大量に入手できたのでしょうね。
そうか、あまり座り心地が良いと、いい気持ちになって居眠りしてしまう危険性は、確かにありそうですね;
SLといい、昔の車両の運転台の過酷な環境を見るにつけ、その中で黙々と安全走行に努めた運転士の方々には頭が下がる思いです。
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