時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

さようなら交通科学博物館-4~館内展示<2>

2014-03-19 22:26:28 | 近畿/日本
 JR西日本が所有する(運営は外郭団体の公益財団法人)交通科学博物館、展示物には鉄道車両以外のものもあります。

 訪れる前は、てっきり鉄道車両だけかと思い込んでいましたが、館内を巡る内に、鉄道車両以外の展示にも興味を惹かれて、気が付けばデジカメのシャッターを切りまくっていましたw

 自動車の展示をメインに、鉄道車両以外の展示を見て回りました。

 <交通科学博物館>
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 鉄道車両以外の展示でまず目を引いたのは、この「国鉄ハイウェイバス 東名1号車」。
 名神・東名高速道路を走行する夜行高速バス「ドリーム号」用に充てられた車両とのことです。

 登場は昭和44年(1969年)というから、もう45年も前のことになりますね。。。



 ボディ側面には、国鉄の象徴である「ツバメ」の意匠が、「国鉄」という懐かしい名称と共に、誇らしげにあしらわれていました^^

 「ツバメ」マークは塗装ではなく、当時の国鉄としては恐らく画期的なサービスであったであろう、この高速バス事業に賭ける意気込みと情熱を感じました。



 「JNR(Japanese National Railways)」をシンボライズした、国鉄のロゴマークも懐かしいですね。

 現在のJRの没個性なロゴマークよりもスマートに思えて、私は国鉄のロゴの方が好きです。



 鉄道車両以外の展示物がまとめられて配置されているエリアへやってきました。

 このエリアでまず目に飛び込んでくるのは、ビビッドなレッドが今なお鮮烈な印象を受ける、「スバル360DX」。
 昭和33年(1958年)に登場した、「マイカー」という言葉の元となった程、国民の足としての自動車の普及に大きく貢献した名車です。

 きっと今でも、リバイバル復活させて売り出したら、物凄い人気でしょうね!



 シンプルな車内。
 ここまでスッキリしていると、却ってそのシンプルさ加減が美しく見えます!

 「スバル360DX」は軽自動車ですが、航空機の胴体構造を取り入れて軽量化に成功する等、斬新な工夫が各所に施されています。



 「スバル360DX」のリアビュー。
 「スバル360DX」はリアエンジンで、後部に空冷エンジンを横置きしています。

 デザイン的には、今日でも充分格好良いと思います!



 何と、これもあの「Benz」だそうです(複製)!
 その名も、「ベンツ・パテント・モートルヴァーゲン(Patent-Motor-Wagen Benz)」、世界初のガソリンエンジンの自動車として、1885年(明治18年)にカール・F・ベンツにより製作され、翌1886年に特許を取得したとあり、そこからこの名となったのでしょう。

 今日の BENZ からは想像もつかない、華奢で細身のボディですね。



 「ベンツ・パテント・モートルヴァーゲン」の隣に展示されていた、こちらは「輪タク」。
 戦後大阪等で走っていたそうです。

 こういうレトロな乗り物って、今だからこそ、そう思えるのか、ちょっと乗ってみたいですね^^



 さて、「輪タク」と反対側には、いかにも「クラシックカー」なボディに、これまたお洒落な塗装が施された自動車が!
 「ダットサン13型ロードスター」、昭和9年(1934年)製です。
 2シーターで、小粋なスポーツタイプであったのでしょうか。

 戦前のこの頃には、既にここまでお洒落なクルマを日本は造っていたのですね!



 こちらは、落着きの感じられる「ダットサン16型セダン」。
 昭和12年(1937年)製です。

 華やぎと落着きとを同時に感じるブルーの色合いが見事で、シックな雰囲気につい見とれていました。

 こういうボンネットが突き出たスタイル、また流行りませんかねw



 ついつい見入ってしまうクルマのオンパレード…!
 続いては、立ち止まらずにはいられなかった、とても個性的な軽三輪トラックである「ダイハツミゼットMPA」、昭和32年(1957年)製です。
 カエルのような、愛嬌のある風貌をしていますね♪

 フロントのワイパーは1本、ミラーも助手席側に1つのみ…と、造りも超シンプル!

 この車体は米国輸出用で、そのため左ハンドルになっています。



 続いては、昭和35年(1960年)に登場した、「三菱500A11型」。
 日本車にしては珍しく愛称が付いていませんね。

 戦前はボンネットスタイル、戦後の早い時期は丸っこいデザインが流行ったようですね。



 これも、外車で良く見掛けたようなスタイルをしている「ヒルマン・ミンクス」。
 いすゞ自動車が、英国ルーツ社から部品の供給を受けて、昭和28年(1953年)から製造を始めました。

 この、ヘッドライトが飛び出ているような形状も個性がありますね。

 40年以上も前の時代から、既にこんなにも多彩な車種が、それぞれ素敵な個性を競い合っていたことに、正直驚いていました(^^;)
 丸みを帯びた曲線の美しさが目を引くデザインは、量産型とはいえどこか手作り感のある、人間味を感じさせる親しみやすい魅力を纏っているようで、ついつい足を止めてジックリと見入ってしまい、自分でもビックリする位の時間を掛けていましたw



 自動車と共に、展示されていたのは、航空機。
 「エアロ・コマンダー680F型」です。
 昭和35年(1960年)に、米国エアロコマンダー社が開発した双発プロペラ機です。

 この機は、胴体にペインティングされているように、朝日新聞社機「東風(こちかぜ)」として活躍した機体のようです。



 このエリアで異彩を放っていた、「ハ-45型 譽(ほまれ)」エンジン。
 説明によれば、小型かつ強力なエンジンとして、戦時中の当時の同クラスのエンジンとしては、世界最高水準の性能を誇り、昭和17年(1942年)から昭和20年(1945年)に賭けて製造された戦闘機等の機種に搭載されたとのことです。

 戦時下の悪条件下で、期待された性能を十二分に発揮することはできなかったとのことですが、優秀な機械造りにおける日本の底力を見た思いがしました。

 鉄道車両以外の展示についても、大変充実して尚且つ、展示物を選ぶセンスの良さが際立っていた交通科学博物館。
 平成28年(2016年)春に京都で新たにオープンする博物館の名称は「鉄道博物館」ですが、これら鉄道車両以外の貴重な展示物も、是非何らかの形で引き続き展示し続けていただきたいものです。



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2014-03-21 17:55:36
昔の乗り物は、新幹線も含め、皆愛嬌のある顔をしてますね。
現在は攻撃的な顔の車が多くて、親しみが湧きません。
最近スバル車が気になっていて、ハイブリッドの4駆への買い替えを考えていたのですが、フランスでは販売されてないことが判明。
パリ市内の車制限もますます厳しくなりそうだから、来年ぐらいには入ってくるかしら。
今は日産、トヨタの2強時代になってしまって、他のメーカーの影が薄くなってしまいましたが、日本ほど自動車メーカーの多い国って珍しいですよね。
ダットサンのブルー、深くて良い色ですね。
こんな塗装の車があったら迷わず買うと思います。
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タヌ子さん。 (taろう)
2014-03-22 00:17:59
昔の乗り物は、デザインに設計した人の「情」を強く感じさせてくれるように思えます^^
恐らく設計面においても、高速性や経済性に忠実な設計が可能となり、それを実現できる製造のレベルもアップしたのでしょうが、その分「人間くさいデザイン性」というものが、どうしても一歩引いた形になってしまうのでしょうね。。。
日本でも昨今それ程目立つメーカーではないけれど、スバルって運転してみると、「いい車!」と感じますよね!
レンタカーで一度当たったことがありますが、快適なドライビング感覚を今でも覚えています♪
ある意味、製造業の頂点ともいうべき自動車メーカーの多い事実が、ものづくり大国日本を象徴しているように思います。
ダットサンのブルー、仰るとおり素晴らしいですよね!
加えてこのクラシックなボンネットスタイル、復刻モデルを出せば、絶対売れると思うのですが…本当に考えて欲しいものです。
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