近江塩津で、湖西線の電車から東海道本線へ直通する北陸本線の電車へ、乗り継ぎます。
<<晩秋の大津・坂本/電車で琵琶湖周回-09>
近江塩津を出発した電車は、湖西線から眺めていた対岸である、琵琶湖の東岸を南下して、米原、大津へと至ります。
近江塩津を出発時には、激しく振っていた雨も、琵琶湖岸を南下するにつれて、次第に小止みとなり、米原を過ぎると、暮色に染まりつつある青空さえ、車窓から眺めることができるようになっていました。
近江塩津から約1時間半、すっかり夜の帳が降りた、大津へ降り立ちました。
近江塩津始発の、16時5分発米原経由播州赤穂行の新快速。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
この電車は、近江塩津から、湖西線沿線とは対岸にあたる琵琶湖の東岸へと向かう、北陸本線を走行します。
反対側のホームには、近江今津から乗車してきた湖西線の新快速が、16時1分に到着して、間もなくの出発を待っています。
接続時間4分の、便利な対面乗り換えです♪
車両は、湖西線の新快速と同様、223系電車。
降りしきる雨の中、定刻に近江塩津を出発しました。
近江塩津を出発すると、北陸本線はすぐに東へ大きくカーブし、西へと向かう湖西線と分かれます。
画像に見えている高架が、湖西線です。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
俊足を誇るJR西日本の新快速ですが、米原までは各駅に停車します。
福井県が目前に迫る、滋賀県北部のこの辺りは、冬ともなると、雪に覆われることも珍しいことではありません。
色付いた、線路際の草木や遠くの山肌を見遣りながら、間もなく終わろうとしている秋の風情を感じていました。
少し進むと、琵琶湖とは別の小さな湖の畔を、走るようになります。
この小さな湖は、余呉湖(よごこ)。
小さいとはいえ、湖畔には湖特有の開放感を、感じ取ることができます。
正面に見える山の向こう側に、琵琶湖の最北部が広がっています。
近江塩津の隣の駅、余呉のホームからも、余呉湖を見渡すことができました。
雨に煙る物哀しげな風景の中、悪天候で晴天時よりも暗いせいか、16時過ぎの時点で、ホームの照明の蛍光灯が点灯しています。
あと1時間するかしないかの内に、この辺りも闇に包まれてしまうことでしょう。
南へ走るにつれ、空を覆っていた雨雲の所々で、綻びが見られるようになってきました。
雨脚はまだかなり強かったですが、空の綻びからは、青空が顔を覗かせています。
雲と光との表情が、印象的な眺めでした。
平地には田んぼが広がる田園風景の中を、北陸本線は米原を目指します。
近江塩津方から進むと米原の手前となる、長浜附近へ至ると、既に雨は上がっている様子。
低く垂れこめた雲の、自在に移ろっていく形を、興味深く眺めていました。
余呉から約20分…長浜を過ぎてすぐに、再び湖水のある眺めを目にすることに。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
長浜市街から抜ける前に、これ程間近に琵琶湖を眺めることができるとは、思っていませんでした!
広々とした湖面を見渡せる眺望ではありませんでしたが、琵琶湖の広さを感じさせる眺めです。
長浜市街を抜けると、田畑の広がる先に琵琶湖の湖面を望む風景に。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
唐突に畑地が尽きて、その先には島影も見えない、海原を彷彿とさせる琵琶湖の湖面を、見渡します。
湖畔に並び立つ木々の様子と、見るからに冷えてきそうなグラデーションに彩られた空模様とにすっかり魅せられた、素敵な景色の中を米原へ向けて、疾走しています。
米原へ近付くにつれ、徐々に琵琶湖から離れていきます。
既に、正面の並木越しに、辛うじて湖面を認識することができる程度にまで、遠ざかってしまいました。
画像右側が、これまで走ってきた、北の方角。
北へ行く程、雲が厚くなっているのが、分かりますね。
近江塩津から、30km強の道程を37分で駆け抜け、16時42分に米原へ到着しました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
北陸本線の区間は、ここ米原まで。
米原より先は、東海道本線へ乗り入れます。
東海道本線の米原~京都の区間は、「琵琶湖線」という通称が付けられています。
米原到着の2分後、後から追いかけてきた名古屋行の特急「しらさぎ12号」が、米原到着。
ここまで各駅停車であった新快速は、ギリギリ逃げ切ったことになります(^^;)
米原から、新快速は西へ、「しらさぎ12号」は東へと、それぞれ反対方向へと向かいます。
新快速は、米原で5分停車のうちに、近江塩津から走ってきた4両編成の前に、8両編成を増結して、米原から12両編成となります。
この新快速の行先は播州赤穂ですが、近江塩津から走ってきた後ろの4両編成は姫路止まりで、姫路で切り離されます。
米原を17時47分に出発後は、暮れゆく琵琶湖線の沿線を、疾走します。
米原の隣駅・彦根を過ぎてしばらくすると、それまで空を覆い尽くしていた雲が急速に退いて、青空が見る間に広がっていきました!
黄昏時の残照に、風景が幻想的に映え始めます。
明暗のグラデーション、立体的に浮かび上がる雲の連なり、車窓を流れ去る景色…目に映るどれもが、黄昏時の情感深さを実感させてくれます。
静止しているように見える遠景と、飛ぶように流れていく近景との、対照的な見え方もまた、幻想的な車窓風景の演出に一役買っているように思えます。
更に、点々とその数を増してゆく灯火の光点も、闇に包まれる直前の素敵な風景に、魅力を加えていきます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
光が届かなくなった場所から、急速に明るさが失われていく中で、明暗のコントラストが一層引き立ってきて、この眺めから、益々目を離し難くなっていました。
野洲(やす)附近に差し掛かり、時刻は17時10分頃で大津まではあと20分程…ということで、琵琶湖周回の鉄道移動の行程も、スパートに掛かります。
それから約20分が経過、17時31分に、大津へ到着しました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
ホームへ降り立つと、周囲はすっかり夜の帳が降りていました。
完全に、夜景ですね。
長いホームに相応しい、長い編成の列車が停車する、夜の駅の風情は、やはりムード満点。
しっとりとした雰囲気に身を委ねながら、京都方面へと走り去っていく新快速を、見送りました。
大津まで、近江塩津からは約90kmの道程を、1時間26分で走破した新快速。
湖西線に最初に乗車した比叡山坂本からは、距離にして150km強、3時間3分の道程でした。
因みに、比叡山坂本から今回辿ったルートとは逆方向の、京都方面へ向かう電車に乗車すると、大津までは山科乗り換えで15km程の距離となり、所要時間も(山科での乗り換え時間で電車により差が出ますが)およそ15分~30分もあれば、到着してしまいます!
それ程近距離の比叡山坂本~大津間ですが、京都から東海道本線で名古屋までの距離に匹敵する、琵琶湖をほぼ周回のルートを辿った3時間は、琵琶湖が思っていた以上に色々な情景を見せてくれて、退屈することがありませんでした。
もちろん、わざわざ琵琶湖を大回りして時間を稼いだのには、理由があって、近江路ならでは?のお楽しみに胸躍らせながら、上機嫌で改札へと向かいます^^
<晩秋の大津・坂本/電車で琵琶湖周回-11>>
<<晩秋の大津・坂本/電車で琵琶湖周回-09>
近江塩津を出発した電車は、湖西線から眺めていた対岸である、琵琶湖の東岸を南下して、米原、大津へと至ります。
近江塩津を出発時には、激しく振っていた雨も、琵琶湖岸を南下するにつれて、次第に小止みとなり、米原を過ぎると、暮色に染まりつつある青空さえ、車窓から眺めることができるようになっていました。
近江塩津から約1時間半、すっかり夜の帳が降りた、大津へ降り立ちました。
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近江塩津始発の、16時5分発米原経由播州赤穂行の新快速。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
この電車は、近江塩津から、湖西線沿線とは対岸にあたる琵琶湖の東岸へと向かう、北陸本線を走行します。
反対側のホームには、近江今津から乗車してきた湖西線の新快速が、16時1分に到着して、間もなくの出発を待っています。
接続時間4分の、便利な対面乗り換えです♪
車両は、湖西線の新快速と同様、223系電車。
降りしきる雨の中、定刻に近江塩津を出発しました。
近江塩津を出発すると、北陸本線はすぐに東へ大きくカーブし、西へと向かう湖西線と分かれます。
画像に見えている高架が、湖西線です。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
俊足を誇るJR西日本の新快速ですが、米原までは各駅に停車します。
福井県が目前に迫る、滋賀県北部のこの辺りは、冬ともなると、雪に覆われることも珍しいことではありません。
色付いた、線路際の草木や遠くの山肌を見遣りながら、間もなく終わろうとしている秋の風情を感じていました。
少し進むと、琵琶湖とは別の小さな湖の畔を、走るようになります。
この小さな湖は、余呉湖(よごこ)。
小さいとはいえ、湖畔には湖特有の開放感を、感じ取ることができます。
正面に見える山の向こう側に、琵琶湖の最北部が広がっています。
近江塩津の隣の駅、余呉のホームからも、余呉湖を見渡すことができました。
雨に煙る物哀しげな風景の中、悪天候で晴天時よりも暗いせいか、16時過ぎの時点で、ホームの照明の蛍光灯が点灯しています。
あと1時間するかしないかの内に、この辺りも闇に包まれてしまうことでしょう。
南へ走るにつれ、空を覆っていた雨雲の所々で、綻びが見られるようになってきました。
雨脚はまだかなり強かったですが、空の綻びからは、青空が顔を覗かせています。
雲と光との表情が、印象的な眺めでした。
平地には田んぼが広がる田園風景の中を、北陸本線は米原を目指します。
近江塩津方から進むと米原の手前となる、長浜附近へ至ると、既に雨は上がっている様子。
低く垂れこめた雲の、自在に移ろっていく形を、興味深く眺めていました。
余呉から約20分…長浜を過ぎてすぐに、再び湖水のある眺めを目にすることに。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
長浜市街から抜ける前に、これ程間近に琵琶湖を眺めることができるとは、思っていませんでした!
広々とした湖面を見渡せる眺望ではありませんでしたが、琵琶湖の広さを感じさせる眺めです。
長浜市街を抜けると、田畑の広がる先に琵琶湖の湖面を望む風景に。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
唐突に畑地が尽きて、その先には島影も見えない、海原を彷彿とさせる琵琶湖の湖面を、見渡します。
湖畔に並び立つ木々の様子と、見るからに冷えてきそうなグラデーションに彩られた空模様とにすっかり魅せられた、素敵な景色の中を米原へ向けて、疾走しています。
米原へ近付くにつれ、徐々に琵琶湖から離れていきます。
既に、正面の並木越しに、辛うじて湖面を認識することができる程度にまで、遠ざかってしまいました。
画像右側が、これまで走ってきた、北の方角。
北へ行く程、雲が厚くなっているのが、分かりますね。
近江塩津から、30km強の道程を37分で駆け抜け、16時42分に米原へ到着しました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
北陸本線の区間は、ここ米原まで。
米原より先は、東海道本線へ乗り入れます。
東海道本線の米原~京都の区間は、「琵琶湖線」という通称が付けられています。
米原到着の2分後、後から追いかけてきた名古屋行の特急「しらさぎ12号」が、米原到着。
ここまで各駅停車であった新快速は、ギリギリ逃げ切ったことになります(^^;)
米原から、新快速は西へ、「しらさぎ12号」は東へと、それぞれ反対方向へと向かいます。
新快速は、米原で5分停車のうちに、近江塩津から走ってきた4両編成の前に、8両編成を増結して、米原から12両編成となります。
この新快速の行先は播州赤穂ですが、近江塩津から走ってきた後ろの4両編成は姫路止まりで、姫路で切り離されます。
米原を17時47分に出発後は、暮れゆく琵琶湖線の沿線を、疾走します。
米原の隣駅・彦根を過ぎてしばらくすると、それまで空を覆い尽くしていた雲が急速に退いて、青空が見る間に広がっていきました!
黄昏時の残照に、風景が幻想的に映え始めます。
明暗のグラデーション、立体的に浮かび上がる雲の連なり、車窓を流れ去る景色…目に映るどれもが、黄昏時の情感深さを実感させてくれます。
静止しているように見える遠景と、飛ぶように流れていく近景との、対照的な見え方もまた、幻想的な車窓風景の演出に一役買っているように思えます。
更に、点々とその数を増してゆく灯火の光点も、闇に包まれる直前の素敵な風景に、魅力を加えていきます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
光が届かなくなった場所から、急速に明るさが失われていく中で、明暗のコントラストが一層引き立ってきて、この眺めから、益々目を離し難くなっていました。
野洲(やす)附近に差し掛かり、時刻は17時10分頃で大津まではあと20分程…ということで、琵琶湖周回の鉄道移動の行程も、スパートに掛かります。
それから約20分が経過、17時31分に、大津へ到着しました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
ホームへ降り立つと、周囲はすっかり夜の帳が降りていました。
完全に、夜景ですね。
長いホームに相応しい、長い編成の列車が停車する、夜の駅の風情は、やはりムード満点。
しっとりとした雰囲気に身を委ねながら、京都方面へと走り去っていく新快速を、見送りました。
大津まで、近江塩津からは約90kmの道程を、1時間26分で走破した新快速。
湖西線に最初に乗車した比叡山坂本からは、距離にして150km強、3時間3分の道程でした。
因みに、比叡山坂本から今回辿ったルートとは逆方向の、京都方面へ向かう電車に乗車すると、大津までは山科乗り換えで15km程の距離となり、所要時間も(山科での乗り換え時間で電車により差が出ますが)およそ15分~30分もあれば、到着してしまいます!
それ程近距離の比叡山坂本~大津間ですが、京都から東海道本線で名古屋までの距離に匹敵する、琵琶湖をほぼ周回のルートを辿った3時間は、琵琶湖が思っていた以上に色々な情景を見せてくれて、退屈することがありませんでした。
もちろん、わざわざ琵琶湖を大回りして時間を稼いだのには、理由があって、近江路ならでは?のお楽しみに胸躍らせながら、上機嫌で改札へと向かいます^^
<晩秋の大津・坂本/電車で琵琶湖周回-11>>
今回はしっかり余呉湖の位置も確認(笑)
水平線が見える琵琶湖、本当に海の洋ですね。
それにしてもなんとも表現力豊かな雲たち。
ノルマンディの空もこんな感じで、多くの画家たちが感情豊かな空をキャンパスに残しています。
刻々と変化する雲の様子は確かに見ていて飽きませんね。
滋賀県の面積が、琵琶湖の6倍もあるとは意外でしたが(滋賀県の方ごめんなさい)、今回結構スピードも出す電車でも、周回するのに3時間を要したことで、琵琶湖と滋賀県と、両方の広さを実感しました。
余呉湖は、小さいながらも存在感を感じさせる、不思議な湖のような気がして、機会を作って、のんびり周囲を散策してみたいと思っています。
電車の車窓から眺めた琵琶湖は、本当に海といっても遜色ない風景で、感激しました!
雲の表現力は、本当に風景に魅力的な情感を与えてくれますよね^^
画家をも魅了したノルマンディの空をいつか、この目でしかと眺めてみたいです。