ときどき「日本語」ときどき「中国語」

日本語と中国語を勉強したい方向けに、コツをまとめてみました。

【中国語】どうして発音ができないのか

2023-08-16 22:38:15 | 中国語

日本語は入門者にとってとても優しい言語です。

なんといっても発音がしやすいですからね。

まあその後の動詞の変化だの助詞の使い方だのでみんな苦しむことになるのですが、「とりあえず言いたいことが言える」レベルになるのはそんなに大変ではないです。

 

中国語は逆です。

文法自体はそれほど難しくないのですが、最初の発音がとにかく鬼です。

 

でも発音できなくて当然なんです。

日本人の口の筋肉は日本語が話しやすいように「aiueo」に特化しているので。

幼児が「小学校」を「ちょうがっこう」と言うのはまだ口の筋肉が出来上がっていないから。

小さい頃に英語を習わせようというのは、この筋肉がまだ出来上がっていない時期に英語の発音を覚えさせようということです。

 

この時期を過ぎると日本語の発音はとても楽になりますが、他の言語の発音がしづらくなります。まあいつも発音している形に口の筋肉が出来上がってくるので当然ですよね。

 

でも逆に言えば筋肉を鍛えれば外国語も簡単に話せるようになります。

 

どうやって鍛えるのかというと、それは「とにかく発音する」しかありません。

これまで使ったことがない筋肉なので最初は大変ですが、繰り返すうちにどんどんできるようになってきます。実際の筋トレと同じですね。

最低で半年、できれば2年、毎日中国語の発音練習をしてみてください。

あの「ボポモフォ」の発音表を何度も声に出して繰り返すだけです。

 

中国語は発音ができれば、その後は簡単です。


どうして日本人は擬音語をよく使うの?

2023-06-26 14:25:39 | 日本語文法

 

実は日本人にとって擬音語はとてもイメージしやすいんです。

 

日本人は子どもの時、まず擬音語・擬態語から日本語を覚えます。

 

「食べる」はパクパク・もぐもぐ

「飲む」はゴクゴク

「歯を磨く」はシャカシャカ

「泣く」はえーんえーん

 

擬音語を使えば、誰でも同じイメージが浮かびます。

 

ただ子ども時代を日本で過ごしていない外国人にとっては、これはとってもわかりにくいですよね。

でもこの「イメージ」を理解できれば、800以上あるという擬音語も怖くありません!

 

1 語源を知る

明日は遠足だからわくわくする。

このわくわくの語源は「湧く(わく)」です。

身体の中から元気が湧くイメージです。

 

お腹がペコペコだ。

これは凹む(へこむ)から来ています。

お腹が凹んでいる様子です。

 

肩を落としてとぼとぼ歩く。

 これは「乏しい(とぼしい)」からです。

元気が乏しい様子ですね。

 

なんかもやもやする

靄(もや)から来ています。

頭や心の中に雲があって晴れないイメージですね。

 

もう喉がカラカラ。

このカラは「空」。「水分が全部ない」の意味です。

 

街をブラブラする

頭がフラフラする

これも試験でよく出ますよねー!

語源は「振る(ふる)」です。つまり左右に動くイメージ。

ブラブラは目的なく右に左に動くイメージ。

フラフラは疲れや病気で頭が左右に動くイメージ。

2 音や雰囲気をそのまま表現したもの

 

「ボーナス出ないんだって」

「ガーン」

これは頭を殴られた音ですね。

 

「満員電車にぎゅうぎゅう詰めになった」

「ギュー」は強く押すイメージです。

「ぎゅっと抱きしめて♡」なんかでも使いますね。

 

「このお煎餅、超サクサク!」

サクサクは軽いものを噛む音です。

簡単に噛めることから「簡単」という意味でも使います。

「この仕事サクッとやっちゃって!」

みたいな感じですね。

3 平仮名のイメージ

「さしすせそ」「なにぬねの」と発音してみてください。

 

「さしすせそ」は息が素早く静かに口から出て来るのに気が付きましたか?

「さしすせそ」には行動が速い、静かにというイメージがあります。

 

さっさと片付けて!」

「雪がしんしんと降り積もる」

「彼女はすっと音もなく立ち上がった」

せっせとよく働いて、偉いね」

「寝ている子どもの枕元にそっとプレゼントを置いた」

 

日本人にとってはプラスのイメージですね。

 

逆に「なにぬねの」「やゆよ」は鼻に抜けるゆっくりとしたイメージです。

 

ドラえもんの野比のび太は「の」が二つもあるのでかなり鈍いイメージがあります。

 

のろのろしてるから遅刻しちゃったよ」

「蝋燭の炎がゆらゆら揺らめく」

ねんねんころりよ(日本の子守歌)」

 

そして濁音には「強い」イメージがあります。

 

コロコロ→小さいものが転がる

ゴロゴロ→大きいものが転がる

 

「家で一日ゴロゴロした」

人間の身体は大きいので寝そべって左右に動く様子はゴロゴロです。

ちなみに寝そべっているので「有益なことは何もしていない」の意味になります。

 

4 擬音語・擬態語の覚え方

 

では覚え方なのですが、イメージで覚えるのが一番なので必ず「絵+言葉」で一緒に覚えます。

日本の子ども向けの絵本もこれです。

大人におススメなのはマンガです。台詞だけでなく、後ろに出て来る擬音語・擬態語もしっかり読んで覚えるのをおススメします。

5 擬音語・擬態語を使わなければいけない時

生活する上で、擬音語・擬態語なんか使わなくても全く問題ありません

でも絶対に使わなければいけないのが「医者にかかる時」です。

 

「ガンガン痛いんですか?」

「ズキズキ痛いんですか?」

「ジンジン痛いんですか?」

 

ここでどう答えるかで診断が変わってきます。

 

ガンガン=叩かれる痛み

ズキズキ=脈拍に合わせて痛みがある

ジンジン=痺れる+痛い

ムズムズ=痒い+痛い

ヒリヒリ=皮膚の表面が痛い

 

この5つはとてもよく使うので覚えておきましょう。

 

6 擬音語を使うメリット

 

日本人は小さい頃から擬音語を使っているので、使うとまるで家族のような雰囲気になります。

相手と親しくなりたいときは擬音語をガンガン使うのをおススメします。


言わないのになんで「主語」がわかるの?

2023-06-24 23:46:48 | 日本語文法

 

日本人は滅多に主語を言いません。

なんで言わないかについては以前述べた通り「文を短くするため、言わなくてもわかることは言わない」からです。

 

ではどうやって判断しているかわかりますか?

 

買い物に行くんです

買い物に行くんですよ

買い物に行くんですか

買い物に行くんですね

買い物に行くそうです

買い物に行くんだって

 

「私が買い物に行く」のか「あなたが買い物に行く」のか「第三者が買い物に行く」のか。ポイントは語尾です。

 

買い物に行くんです

 

何もなければ自分の話です。

 

買い物に行くんですよ

 

「~よ」は相手の知らない情報なので、これも自分のことです。

 

買い物に行くんですか

 

相手に聞いているんですから、これは「相手・あなた」ですね。

 

買い物に行くんですね

 

これは確認なので、やっぱり「相手・あなた」です。

 

買い物に行くそうです

買い物に行くんだって

これはどちらも「伝聞」なので第三者ということがわかります。

 

見分け方 その1:語尾

 

そして日本語には「わたし」にしか使えない言葉がいくつかあります。

例えば、

 

アメリカに行きたい

お金がほしい

なぜか悲しい

すごくうれしい

 

「~したい」「~がほしい」は内面のことなので外見からはわかりません。

「うれしい」「悲しい」のような感情も同じです。外見からはわからない。

 

日本人にとって思っていることと行動が違うのは当たり前のことなので、感情に関しては見てわかること、聞いたことの表現になります。

つまり

アメリカに行きたがっている

お金がほしいそうだ

のような言い方ですね。

 

見分け方 その2:感情・気持ちの表現は全部「自分」

 

「あげる」「もらう」「くれる」も主語が決まっています。

 

プレゼントをあげた=わたし

プレゼントをもらった=わたし

プレゼントをくれた=第三者

 

え?「あなた」の時はどうなるかって?

それは「プレゼントをくれてありがとう」の表現になるので一番わかりやすいです。

 

見分け方 その3:あげる・もらう=「自分」くれる=第三者

 

ではこの文はどうでしょう。

 

「引き続き社内で業務するんですね」

 

「~ね」があるから相手?

でも課長に自分の仕事を確認しているのかもしれません。

実はこれ、日本人にもはっきりわかりません。

こんな時はこう言います。

 

「引き続き社内で業務なさるんですね」

 

ここで敬語の出番です!

日本語の敬語は本当に面倒くさいですが、誰が主語なのか判断するのに役立ちます。

尊敬語なら相手、謙譲語なら自分です。

 

見分け方 その4:敬語で判断

 

最後はよく使う文型です。間違えやすいけど、しっかり覚えておきましょう。

 

明日行ったほうがいいです。

「~ほうがいい」はアドバイスなので「明日行く」のは相手です。

 

明日行ってもいいですか

「てもいいですか」は許可なので「明日行く」のは自分です。

 

明日行ってもらってもいいですか

 があるので自分のようですが、この「もらう」は「私が恩恵をもらう」の意味なので「明日行く」のは相手です。

 

明日行かせてもらってもいいですか

 「~せてもらう」は必ず自分です。「てもらう」と「せてもらう」はとても似ているので要注意です。

 

見分け方 その5:よく使う文型はそのまま覚える

 

そうそう、自己紹介の時に「わたしは」を言わないようにすると、すごくネイティブのように聞こえますよ。

ぜひやってみてください。


【自然な日本語】長い話は嫌われる

2023-06-23 19:06:14 | 日本語文法

日本語は短ければ短いほどいいんです。

どんなに文法が正しくても、いつまでも結論がわからない長い文は嫌われます。

そのため言わなくてもわかる、省略できる部分はできる限り省略します。

 

例えば、

 

「こないだのテストは、私は英語も国語も数学も全部できなくて、きっと赤点をとってしまうと思う」

 

という文は

 

「きっと全部赤点だ」

 

にまで省略できます。

 

ではどうして省略されたのかについて説明しましょう。

 

こないだ=テストなので何もいわなければ直近のものだと思う

テスト=赤点があるから「テスト」は言わなくてもわかる

私=日本人は「わたし」はほとんど言わない

英語も国語も数学も=「全部」があるからそれぞれの細かい部分は言わなくてもわかる

できなくて=「赤点」があるので「できなかった」に決まっている

とってしまう=「赤点」があるので言わなくてもわかる

思う=「きっと」があるので推測なのはわかる

 

では問題です。短くしてみましょう!

1 あのレストランの前には人がたくさん並んでいます。

2 もしあなたが今日の夜時間があったら、私たちは一緒にお酒を飲みに行きませんか?

 

 

 

<答え>

1 あのレストランは並んでいます。

 

牛や馬が並んでいるわけはないので「人」も省略可。並ぶといったら大勢に決まっているので「たくさん」も省略可。

 

2 今晩時間があったら、飲みに行きませんか?

 

「あなた」はもちろん要りません。「~ませんか」があるので「わたしたち」も「一緒に」も省略できます。日本人にとって「飲む」のは「お酒」に決まっているのでお酒も省略可。

 

 

話が長いとこう思われます。

 

・相槌が挟めない

日本語の会話は二人で作るのに、一人で延々と話すのはNG

 

・「わたしのこと、バカだと思ってる?」

日本人も子どもやお年寄りにはわかりやすく省略しないで話します。

なので話が長いと「相手の理解力がない」と思っていることになります。

 

・なんの話だったか忘れた

日本語は動詞が最後に来るので、あまりに長いと最初の部分を忘れてしまいます。

 

それに日本語は言葉以外でいろいろなことを伝えます。

表情、目線、口調、仕草・・・言葉の部分は3割程度です。

だから日本人は電話がすごく苦手です。

 

どの部分を省略できるか理解するにはとにかくひたすら練習するしかありません。

日本の子どもは小学校でまず「文を短く話す」という練習をします。

うまく話せるようになるのは3年生くらいから、それまでは長くてわかりにくい文を話しています。

日本人でも2年はかかるんです。焦らず気長に覚えていきましょう!


「今日だけど」「明日ですが」ってどういう意味?

2023-06-22 22:02:50 | 日記

「だけど」「ですが」は逆接の接続語だと習ったと思います。

 

今日は雨ですが、運動会をします

彼は中国人だけど、日本語が上手だ

 

のような使い方です。

でも日本人は逆説じゃないのに使ってますよね。

 

「今日の会議だけど、3時からでいいですか?」

「明日だけど、時間ある?」

 

のような感じで。

 

今日はその「~だけど」の使い方について説明します。

実はこれ、

「今から~の話をするよ!心の準備をして!」

の意味なんです。

 

なんでわざわざそんなこと言うの?と思いました?

でもこれがあるとないとでは会話のスムーズさが全然違うんです。

日本語には音が50音しかありません。

つまり「同音異義語」がとても多いんです。

 

貴社の記者が汽車で帰社した。

平仮名で書くと「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」です。

もうきしゃばっかり!

他にも「補助(ほじょ)」なのか「保証(ほしょう)」なのか「豊穣(ほうじょう)」なのか「褒賞(ほうしょう)」なのか、聞き間違えやすい言葉もとても多い。

 

なので「今からこの話題をするよ」と教えてもらえると、範囲が絞れてすごくありがたいんです。

 

言葉の前につける「あのう」とかも同じですね。

「今から私が話すよ。心の準備は大丈夫?」という意味です。

なので「あのう」と言わずに突然長い文を話し出すと「失礼だ」と感じます。