ときどき「日本語」ときどき「中国語」

日本語と中国語を勉強したい方向けに、コツをまとめてみました。

「音読み」と「訓読み」ってややこしい!

2023-09-06 19:03:51 | 日本語文法

日本人にとって中国語は本当に難しいですが、唯一嬉しいところがあります。

それは基本的に読み方が一つしかないところです。

日本人にとっても音読みや訓読み、送り仮名を覚えるのは本当にめんどくさいんです。

今日は日本人も大嫌いな「音読み」と「訓読み」についてお話しますね。

 

1 どうして音読みと訓読みがあるの?

 

これ、私も子どもの頃すっごく思いました。

ではなぜ一つの漢字に二つ以上の読み方があるのでしょうか?

それは昔、日本には文字がなかったことに由来します。

 

古代日本には文字がなかったので、人々はすべてを「音」だけで表現していました。でもそこに中国から「漢字」が伝わりました。

 

漢字とその読み方が一緒に伝わったのですが、日本人はこれまで使っていた言葉もその漢字で表現しようと考えました。

 

例えば「住」という漢字が「じゅう」という読み方と一緒に日本に伝わった時は、これまで使っていた「すむ」という言い方もこの漢字で表現しようと考えました。

そこで住(じゅう)・住む(すむ)という2種類の読み方ができたわけです。

 

でも日本語は、住む・住みます・住まない・住んで・住もうと変化します。

そのため変化しない部分だけを漢字で読んで、変化する部分は平仮名で書くことにしました。これが送り仮名です。

なので送り仮名があるものは全て「訓読み」です。

 

 

2 どうして読み方がたくさんあるの?

普通は音読みと訓読みが1~2種類なのですが、中には読み方がたくさんあるものもあります。

例えば「生」。

生命(いのち)

生徒(せいと)

一生(いっしょう)

生きる(いきる)

生かす(いかす)

生まれる(うまれる) 

生える(はえる)

生い茂る(おいしげる)

生蕎麦(きそば)

生ビール(なまビール)・・・

 

これも中国から漢字が伝わったときに、「せっかくだから似たような意味のものは一緒にしちゃおう」と考えた結果です。

 

「生」は「生まれる」だから「生まれた後」もOKにしよう!

生きる 生かす

 

「生」は「生まれる」だから「生まれたばかりな新鮮な状態」もOKにしよう!

生(なま) 生(き)そば

 

「生」は「生まれる」だから「新しく出て来る」もOKにしよう!

生える 生やす 

 

「生」は「生まれる」だから「少ないものが増える」もOKにしよう!

生い茂る 

 

ということで一つの漢字にたくさんの読み方ができたわけです。

 

「着」もそうですね。

「着く」も「着る」も「近づいて触れる」と意味で共通しています。

 

ちなみに音読みにも複数の読み方があるものがあります。

例えば月は音読みだけで「げつ」「がつ」の2種類、行は「こう」「ぎょう」の2種類があります。

これは伝わった時代が違うからです。呉の時代と唐の時代では中国語の発音も変化していたんですね。

 

 

3 どんな時に音読み?どんな時に訓読み?

<音読み>

基本的に熟語(漢字2文字の言葉)は音読みです。

上下(じょうげ)

先生(せんせい)

 

後ろが「する」の場合も音読みです。

 

勉強する(べんきょう‐する)

帰宅する(きたく‐する)

 

<訓読み>

 

前が「の」なら「訓読み」です。

机の中(なか)

家の外(いえのそと)

 

1文字だけも「訓読み」です。

「そこにいるの誰(だれ)?」

「私(わたし)」

 

動詞・い形容詞の場合、後ろに送り仮名があれば「訓読み」です。

高い(たかい)

動く(うごく)

 

 

4 読み方で意味が変わる言葉

また面倒くさいことに読み方が変わると意味も変わる言葉もあります。

 

<中>

箱の中(なか) =中

一日中(じゅう)=一日全部 (時間)+中=全部

勉強中(ちゅう)=~しているところ (状態)+中=現在進行中

 

<上>

仕事上(じょう)、お教えできません。=~の関係があるので

ご準備の上で、お越しください=~した後で

 

<下>

部長の下(もと)で勉強できて幸せです。~のところ

この状況下(か)では難しいです=~の場合

 

<一日>

「一日」ついたち

「一日」いちにち

「一日」いっぴ

 

<何年>

「何年(なんねん)生まれですか?」

「何年(なにどし)生まれですか?」

 

4 基本的には以上なのですが、でも・・・

 

でも実は例外もとっても多いんです。

 

漢字二文字なのに訓読み

毎日(まいにち)

毎月(まいつき)

 

特殊な読み方

昨日(きのう)

今日(きょう)

 

同音異義語はわざと違う読み方をする

私立(しりつ→わたくしりつ)

市立(しりつ→いちりつ)

 

科学(かがく)

化学(かがく→ばけがく)

 

聞き間違えないようにわざと別の言い方をする

四月(しがつ→よんがつ)

二月(にがつ)と間違えないように(ビジネスでよく使う言い方)

 

 

日本人はどうやって覚えているのかというと、ひたすら暗記です(涙)。

学校では毎週漢字テストがあるので、泣く泣く覚えます。

 

自分たちも苦労しているので、外国人が音読みと訓読みを間違えてもそんなに気にしません。

不安だったら「なんて読むんですか?」と聞いてください。


N1文法はいつ使う?

2023-08-21 12:30:22 | 日本語文法

 

「苦労してN1、N2の文法を暗記しても全然使うところがない」という話をよく聞きます。

確かに自分の意志を伝えるだけならN1・N2の文法はまったく必要ありません!!

「じゃあいつ使うのよ?!」

と思った方に、今日はN1・N2文法の効能をお教えします。

 

1 コスパ最高

 

N1・N2の文法を勉強した方ならわかると思いますが、「この後悪い結果になる」という文法がとても多いです。

 

<N2>

~したものの

~したあげく

~ばかりに

~ったら

~どころか

~に限って

~のあまり

~つつも

 

<N1>

~はおろか、

~たが最後、

~ならまだしも

~しようものなら

~ときたら

~したところで

~しようにも

~だに

 

日本人は言葉に敏感なので、悪い結果を聞かなければいけない場合できるだけ「心の準備」をしておきたいと考えます。

この文法を使ってもらえると心の準備ができて悪い結果でもそれほどショックを受けないで聞くことができます。

 

そして後半が悪い結果と決まっているので、伝えるのは前半だけで十分です。

 

「一生懸命勉強したところで・・・(不合格に決まっている)」

「N1に落ちたが最後・・・(就職なんてできない)」

 

聞き手は心の準備ができて、話し手は話す量が半分で済むんです。

効率的でしょ?

 

そうそう、N1の長文読解、文章が長すぎると思いませんか?

実は日本人はこの表現が出て来ると後ろの内容が予測できるので、読むスピードが上がるんです。N1ではそれも計算に入れて敢えて長い文章になっています。

 

 

2 気持ちを伝える

 

以前、日本人は事実だけではなく、「気持ち」も伝えるとお話したことがあります。

 

台湾に留学した。

 

うれしいとき:「台湾に留学できた」

嫌なとき:「台湾に留学してしまった」

 

(父が私を)台湾に留学させた。

うれしいとき:「台湾に留学させてくれた」

嫌なとき「台湾に留学させられた」

 

実は「うれしい」「嫌だ」以外にもっと複雑なことも伝えられるんです。

 

第三者の行動を「ずるい」と思っている

~をいいことに

~にかこつけて

 

「あいつ、彼女が出張に行ったのをいいことに、(他の女と会ってたんだって)!」

「補助金の申請にかこつけて(不正をするなんて許せない)!」

 

「したくない」と思っている

~せざるを得ない

 

「~なければならない」に嫌な気持ちをプラスした言い方です。

 

「退職せざるを得ない」

 

意外だと思っている

~にしては

~わりには

~かと思ったら

~といっても

 

「小学生にしては大きいね」

「キレイといってもモデルほどじゃない」

 

 

3 「とても」「すごく」「非常に」以外の表現を使いたい

 

会話でよく出て来る「とても」「すごく」ですが、日本人同士でもそればかりを使うと「小学生の作文じゃないんだから」と言われてしまうんです。

その「非常に」を表す言い方は実はたくさんあります。

それぞれ使える場面が違うのでしっかり覚えておきましょう。

 

~といったらない

~にたえない

~極まりない

~てならない

~にも程がある

 

【感情】個人的な気持ち

~といったらない

「言ったら・・・あ、言葉がない」なので「言葉にできないくらい」という意味です。

 

うれしいといったらない

悲しいといったらない

 

【感情】正式な場面で

~にたえない

~てならない

 

演説でよく使う言い方ですね。

耐えない=耐えられない=我慢できない、の意味です。

「ならない」は自動詞・他動詞の「なる」「する」を考えるとわかりやすいです。

「なる」は自動詞、つまり「自分の意志ではどうにもできないくらい」を表しています

 

「喜びにたえません」

「悔しくてならない」

 

次は悪い意味の言葉です。

 

【性質】直接非難したいとき

~にも程がある

「どんなものにも程度があるのにあなたはそれを知らない」という意味なので、人に対して使います。

 

「こんなこともわからないなんて、バカにもほどがあるでしょ」

 

【性質】間接的に非難したいとき

~極まりない

「私はそう思う」という言い方です。間接的に責めています。

失礼極まりない

危険極まりない

 

 

4 「私の個人的考えじゃないよ」と言いたい

 

客観的な表現

~かねません

~もんじゃない

~というものだ

~わけだ

~ことだ

~わけにはいかない

~きらいがある

~ずにはすまない

 

同調圧力の強い日本において、「みんなもそう思ってるよ!」というのはとても大切です。

なので「客観的」に伝えられる表現はとにかくたくさんあります。

 

もちろん、「私の意見」「私がする」という表現もありますが、比べてみると本当に少ないですね。

主観的

~だもん

~ものがある

~ずにはおかない

 

 

5 古語表現はかっこいい

 

アニメほどではないですが、実際の会話でも古語文法はよく出てきます。

使わなくても構いませんが、上手に使えると「すごい!」と思われますよ。

 

<ず>

中国から漢詩が伝わったときに「不・無・没・未・非」は全部まとめて「ず」にしたそうです。

現代日本語では「ない」ですが、短く表現できるので「ず」を使う場面も多いです。

 

学校に行かずに(学校に行かないで)

 

<まい>

「まい」も否定ですが、もっと強い意味です。第三者に対して使います。

 

絶対に行くまい(絶対に行かないだろう)

行こうと行くまいと関係ない(行っても行かなくても関係ない)

 

<げ>

楽し気、嬉し気のような使い方ですね。現代語では「楽しそう」「うれしそう」と使います。

ちなみに「よさげ」は若者言葉です(普通は感情だけです)

 

<がたい>

漢字は「難い」です。現代文法では「にくい」と読んで「食べにくい」「付き合いにくい」と使いますよね。

「がたい」を使う場面は限られているのでそのまま覚えるのをおススメします。

近寄りがたい・得難い・ありがたい・何物にも代えがたい

 

<み>

形容詞を名詞にするときに「さ」をつけるのはご存じだと思います。

でも「み」をつける場合もありますよね。

「高さ」「高み」「深さ」「深み」・・・

実は「み」の方が歴史が古く、主に精神的なものに使います。「さ」は具体的なものに使います。

このプールの深さは1mだ。

彼の話には深みがある。


どうして日本人は擬音語をよく使うの?

2023-06-26 14:25:39 | 日本語文法

 

実は日本人にとって擬音語はとてもイメージしやすいんです。

 

日本人は子どもの時、まず擬音語・擬態語から日本語を覚えます。

 

「食べる」はパクパク・もぐもぐ

「飲む」はゴクゴク

「歯を磨く」はシャカシャカ

「泣く」はえーんえーん

 

擬音語を使えば、誰でも同じイメージが浮かびます。

 

ただ子ども時代を日本で過ごしていない外国人にとっては、これはとってもわかりにくいですよね。

でもこの「イメージ」を理解できれば、800以上あるという擬音語も怖くありません!

 

1 語源を知る

明日は遠足だからわくわくする。

このわくわくの語源は「湧く(わく)」です。

身体の中から元気が湧くイメージです。

 

お腹がペコペコだ。

これは凹む(へこむ)から来ています。

お腹が凹んでいる様子です。

 

肩を落としてとぼとぼ歩く。

 これは「乏しい(とぼしい)」からです。

元気が乏しい様子ですね。

 

なんかもやもやする

靄(もや)から来ています。

頭や心の中に雲があって晴れないイメージですね。

 

もう喉がカラカラ。

このカラは「空」。「水分が全部ない」の意味です。

 

街をブラブラする

頭がフラフラする

これも試験でよく出ますよねー!

語源は「振る(ふる)」です。つまり左右に動くイメージ。

ブラブラは目的なく右に左に動くイメージ。

フラフラは疲れや病気で頭が左右に動くイメージ。

2 音や雰囲気をそのまま表現したもの

 

「ボーナス出ないんだって」

「ガーン」

これは頭を殴られた音ですね。

 

「満員電車にぎゅうぎゅう詰めになった」

「ギュー」は強く押すイメージです。

「ぎゅっと抱きしめて♡」なんかでも使いますね。

 

「このお煎餅、超サクサク!」

サクサクは軽いものを噛む音です。

簡単に噛めることから「簡単」という意味でも使います。

「この仕事サクッとやっちゃって!」

みたいな感じですね。

3 平仮名のイメージ

「さしすせそ」「なにぬねの」と発音してみてください。

 

「さしすせそ」は息が素早く静かに口から出て来るのに気が付きましたか?

「さしすせそ」には行動が速い、静かにというイメージがあります。

 

さっさと片付けて!」

「雪がしんしんと降り積もる」

「彼女はすっと音もなく立ち上がった」

せっせとよく働いて、偉いね」

「寝ている子どもの枕元にそっとプレゼントを置いた」

 

日本人にとってはプラスのイメージですね。

 

逆に「なにぬねの」「やゆよ」は鼻に抜けるゆっくりとしたイメージです。

 

ドラえもんの野比のび太は「の」が二つもあるのでかなり鈍いイメージがあります。

 

のろのろしてるから遅刻しちゃったよ」

「蝋燭の炎がゆらゆら揺らめく」

ねんねんころりよ(日本の子守歌)」

 

そして濁音には「強い」イメージがあります。

 

コロコロ→小さいものが転がる

ゴロゴロ→大きいものが転がる

 

「家で一日ゴロゴロした」

人間の身体は大きいので寝そべって左右に動く様子はゴロゴロです。

ちなみに寝そべっているので「有益なことは何もしていない」の意味になります。

 

4 擬音語・擬態語の覚え方

 

では覚え方なのですが、イメージで覚えるのが一番なので必ず「絵+言葉」で一緒に覚えます。

日本の子ども向けの絵本もこれです。

大人におススメなのはマンガです。台詞だけでなく、後ろに出て来る擬音語・擬態語もしっかり読んで覚えるのをおススメします。

5 擬音語・擬態語を使わなければいけない時

生活する上で、擬音語・擬態語なんか使わなくても全く問題ありません

でも絶対に使わなければいけないのが「医者にかかる時」です。

 

「ガンガン痛いんですか?」

「ズキズキ痛いんですか?」

「ジンジン痛いんですか?」

 

ここでどう答えるかで診断が変わってきます。

 

ガンガン=叩かれる痛み

ズキズキ=脈拍に合わせて痛みがある

ジンジン=痺れる+痛い

ムズムズ=痒い+痛い

ヒリヒリ=皮膚の表面が痛い

 

この5つはとてもよく使うので覚えておきましょう。

 

6 擬音語を使うメリット

 

日本人は小さい頃から擬音語を使っているので、使うとまるで家族のような雰囲気になります。

相手と親しくなりたいときは擬音語をガンガン使うのをおススメします。


言わないのになんで「主語」がわかるの?

2023-06-24 23:46:48 | 日本語文法

 

日本人は滅多に主語を言いません。

なんで言わないかについては以前述べた通り「文を短くするため、言わなくてもわかることは言わない」からです。

 

ではどうやって判断しているかわかりますか?

 

買い物に行くんです

買い物に行くんですよ

買い物に行くんですか

買い物に行くんですね

買い物に行くそうです

買い物に行くんだって

 

「私が買い物に行く」のか「あなたが買い物に行く」のか「第三者が買い物に行く」のか。ポイントは語尾です。

 

買い物に行くんです

 

何もなければ自分の話です。

 

買い物に行くんですよ

 

「~よ」は相手の知らない情報なので、これも自分のことです。

 

買い物に行くんですか

 

相手に聞いているんですから、これは「相手・あなた」ですね。

 

買い物に行くんですね

 

これは確認なので、やっぱり「相手・あなた」です。

 

買い物に行くそうです

買い物に行くんだって

これはどちらも「伝聞」なので第三者ということがわかります。

 

見分け方 その1:語尾

 

そして日本語には「わたし」にしか使えない言葉がいくつかあります。

例えば、

 

アメリカに行きたい

お金がほしい

なぜか悲しい

すごくうれしい

 

「~したい」「~がほしい」は内面のことなので外見からはわかりません。

「うれしい」「悲しい」のような感情も同じです。外見からはわからない。

 

日本人にとって思っていることと行動が違うのは当たり前のことなので、感情に関しては見てわかること、聞いたことの表現になります。

つまり

アメリカに行きたがっている

お金がほしいそうだ

のような言い方ですね。

 

見分け方 その2:感情・気持ちの表現は全部「自分」

 

「あげる」「もらう」「くれる」も主語が決まっています。

 

プレゼントをあげた=わたし

プレゼントをもらった=わたし

プレゼントをくれた=第三者

 

え?「あなた」の時はどうなるかって?

それは「プレゼントをくれてありがとう」の表現になるので一番わかりやすいです。

 

見分け方 その3:あげる・もらう=「自分」くれる=第三者

 

ではこの文はどうでしょう。

 

「引き続き社内で業務するんですね」

 

「~ね」があるから相手?

でも課長に自分の仕事を確認しているのかもしれません。

実はこれ、日本人にもはっきりわかりません。

こんな時はこう言います。

 

「引き続き社内で業務なさるんですね」

 

ここで敬語の出番です!

日本語の敬語は本当に面倒くさいですが、誰が主語なのか判断するのに役立ちます。

尊敬語なら相手、謙譲語なら自分です。

 

見分け方 その4:敬語で判断

 

最後はよく使う文型です。間違えやすいけど、しっかり覚えておきましょう。

 

明日行ったほうがいいです。

「~ほうがいい」はアドバイスなので「明日行く」のは相手です。

 

明日行ってもいいですか

「てもいいですか」は許可なので「明日行く」のは自分です。

 

明日行ってもらってもいいですか

 があるので自分のようですが、この「もらう」は「私が恩恵をもらう」の意味なので「明日行く」のは相手です。

 

明日行かせてもらってもいいですか

 「~せてもらう」は必ず自分です。「てもらう」と「せてもらう」はとても似ているので要注意です。

 

見分け方 その5:よく使う文型はそのまま覚える

 

そうそう、自己紹介の時に「わたしは」を言わないようにすると、すごくネイティブのように聞こえますよ。

ぜひやってみてください。


【自然な日本語】長い話は嫌われる

2023-06-23 19:06:14 | 日本語文法

日本語は短ければ短いほどいいんです。

どんなに文法が正しくても、いつまでも結論がわからない長い文は嫌われます。

そのため言わなくてもわかる、省略できる部分はできる限り省略します。

 

例えば、

 

「こないだのテストは、私は英語も国語も数学も全部できなくて、きっと赤点をとってしまうと思う」

 

という文は

 

「きっと全部赤点だ」

 

にまで省略できます。

 

ではどうして省略されたのかについて説明しましょう。

 

こないだ=テストなので何もいわなければ直近のものだと思う

テスト=赤点があるから「テスト」は言わなくてもわかる

私=日本人は「わたし」はほとんど言わない

英語も国語も数学も=「全部」があるからそれぞれの細かい部分は言わなくてもわかる

できなくて=「赤点」があるので「できなかった」に決まっている

とってしまう=「赤点」があるので言わなくてもわかる

思う=「きっと」があるので推測なのはわかる

 

では問題です。短くしてみましょう!

1 あのレストランの前には人がたくさん並んでいます。

2 もしあなたが今日の夜時間があったら、私たちは一緒にお酒を飲みに行きませんか?

 

 

 

<答え>

1 あのレストランは並んでいます。

 

牛や馬が並んでいるわけはないので「人」も省略可。並ぶといったら大勢に決まっているので「たくさん」も省略可。

 

2 今晩時間があったら、飲みに行きませんか?

 

「あなた」はもちろん要りません。「~ませんか」があるので「わたしたち」も「一緒に」も省略できます。日本人にとって「飲む」のは「お酒」に決まっているのでお酒も省略可。

 

 

話が長いとこう思われます。

 

・相槌が挟めない

日本語の会話は二人で作るのに、一人で延々と話すのはNG

 

・「わたしのこと、バカだと思ってる?」

日本人も子どもやお年寄りにはわかりやすく省略しないで話します。

なので話が長いと「相手の理解力がない」と思っていることになります。

 

・なんの話だったか忘れた

日本語は動詞が最後に来るので、あまりに長いと最初の部分を忘れてしまいます。

 

それに日本語は言葉以外でいろいろなことを伝えます。

表情、目線、口調、仕草・・・言葉の部分は3割程度です。

だから日本人は電話がすごく苦手です。

 

どの部分を省略できるか理解するにはとにかくひたすら練習するしかありません。

日本の子どもは小学校でまず「文を短く話す」という練習をします。

うまく話せるようになるのは3年生くらいから、それまでは長くてわかりにくい文を話しています。

日本人でも2年はかかるんです。焦らず気長に覚えていきましょう!