リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ねつ造の背景 嘘は嘘を呼ぶ

2005-12-26 12:30:16 | アユの流し目/雑記帳
ねつ造というと思い出す事件がある。神の手事件(旧石器遺跡広域大量捏造事件)

 もう忘れられたかも知れないが、東北地方で大量の旧石器時代の遺跡が発見され、それがねつ造だったという事件だ。

この事件の経緯とねつ造された遺跡については、以下のHPに詳しい。
神の手の足跡

 ボクは、リストにあるこの遺跡に行ったことがあった。
座散乱木遺跡 1973発掘 宮城県 岩出山町

 この遺跡の隣を江合川という川が流れている。有名な鳴子温泉から流れて、北上川に注ぐ川なのだが、その川で調査をしていた。
 調査とは、江合川でのアユとサケの産卵場がどこにあるか、というものだった。実際に産卵する季節の調査ではなく、地形条件からどの場所なら産卵できるかとちうもので、地形図から辺りをつけ、河原を確認して廻った。

 その時、ここなら、アユが産卵できるし、サケも遡上して産卵するだろうなあと思われる場所を見つけた。(ただ、現在はすぐ下流に堰堤が出来ていて、遡上産卵は出来そうもない。あくまで、可能性の高い場所といういみだが)

 その場所を見下ろす高台に位置するのが、座散乱木遺跡だった。

 その場所は発掘も終わっていて、碑文があるだけだったが、そこに立つと江合川が見下ろせた。
 その時の感想。縄文人はさすがに、川の恵みを生かした場所にくらしたんだなぁ。というものだった。

 その後、ねつ造のニュースがあって、あの遺跡が旧石器時代のものとされていたことを知った。

 川の水位がまるで違うのでは、そう思った。

 アユにしろサケにしろ旧石器時代から生きているが、旧石器時代は氷河期(ウルム氷期が最後)で海面はもっと低かったはず、アユやサケの産卵場所は違うところに出来たはずだ。

考古学ではどのようにその正当性を検証するのか解らないのだが、一度認められ、権威となると、矛盾点があったとしても指摘することは難しいということなのかも知れない。

 座散乱木遺跡は事件を起こした「藤村」氏が最初のころに発見した!遺跡だった。彼の生地の近くの遺跡でもあった。
 その後、ねつ造は繰り返されるのだが、ねつ造は新たなねつ造を生むものということだろうか。

 韓国でのこの事件、今後の展開は解らないが、ねつ造というのは、意外と身近な問題なのかも知れない。
 先日も常温超伝導のねつ造事件についてのNHK番組の再放送があった。もちろん、現在大きな問題となっている耐震偽装もねつ造事件だ。

 検証されない事象がなんと恐ろしいことかと思う。常識というのは常に疑うべきだとは思うが、知識の蓄積の上で、冷静に検証すべきことは、多い。


論文「完全でっち上げ」か ES細胞で調査委結論へ (共同通信) - goo ニュース

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