ホルマリン処理にはハイターがおすすめ
以前こんなタイトルでブログを書いた。
メコン川に魚類調査に行っていて、現地で使用したホルマリン水溶液をどのように処理するかという目的で書いたものだけれど、内容について問い合わせがありました。
補足しておく必要があると思うので、以下にボクが行っている対処法を書いておきます。
ただし、これはあくまでも、ボクの行っている対処法ですのでその正当性については責任は持てません。お試しになる場合は自己責任でお願いします。
また、近年は同定用の標本についても後々のDMA分析の可能性を考えてエタノールでの標本作製を行っています。ブログで書いた記事は、熱帯地域で魚の計測をするという目的があり、ホルマリン処理液を現地で廃棄する必要性があったためです。
(1)
ホルマリンは、平成20年に特定化学物質第二類物質に格上げされ規制が強化されたことにより、ドラフトチャンバーなどの強制換気装置、作業用保護具の使用が義務付けられましたが、これは一般家庭における使用の場合には適用されない、という見解で間違いないでしょうか。(個人的に標本をつくりたいのです)
お答え
法律
の趣旨は「事業者は、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するため」ということなので、生物調査などで標本の作製をする場合には当てはまらないと思っています。
ただし、作業保護具の着用というのはやった方がいいと思います。
ボクは学生時代かなり長期間にわたって、ホルマリン標本の植物プランクトンを顕微鏡を使って数えていました。そのせいか、キンモクセイの匂いがわかりません?
使い捨て手袋と保護メガネは最低使用した方がいいと思います。
(2)
海水で薄めたホルマリン溶液を標本の防腐加工用に使う予定なのですがいわゆる「使いまわし」は可能でしょうか。(廃液を多く出したくないので)
お答え
使い回しは可能ですし、ボク自身はそうしています。
ただし、魚などの標本は魚体から出る水でホルマリン濃度が薄まること。また、ホルマリンが反応することで消費されて、次第に効きが弱くなります。
ホルマリンを補充すればよいのですが、加える量が難しいですね。すこし、加えてみて、標本の固まり具合を確認することをお勧めします。
(3)
ホルマリン水溶液を廃棄するときの処理として、ブログの記事では酸化法の代用(?)としてハイターを投入する、とありましたが、このような処理の方法でなにか問題はないのでしょうか。(また、問題ないとしたら、量の配分や投入後の処理など、教えていただけると助かります。)
お答え
これは、あくまでも、物資のない国外での方法だと思って下さい。
現在、我が国の大学などでは「厳密」に処理していると思います。
ボクが行っていたラオスでは、遺体を葬儀まで保存する目的でホルマリンを多量に使用するそうです。
(遺体は火葬にするので問題は多少少ないかなあ。)
日常的にホルマリンが使用され、投棄されていて、ホルマリンの廃棄について厳密では無いようだったので、現地で手に入りやすいハイターの使用を提案してきました。
実際の使用法について補足すると。
使用済みのホルマリン溶液の中のホルマリン溶液を調べることはかなり大変です。ハイターの成分、次亜塩素酸ナトリウムは洗濯で使用するくらいに「安全」なので、ハイターを多めに入れればホルマリンは酸化分解されます。
風通しのよい野外で、ホルマリン溶液にハイターを加えてかき混ぜる。ハイター臭がしたらOK、くらいでどうでしょうか。
ボクがラオスで示した濃度は、使用したホルマリン原液(約37%水溶液)と同じ量のハイター(洗濯用)を使用するということでした。
尚、処理した後の液体については、裸地の駐車場で自然蒸発にまかせました。
(4)希釈したホルマリン溶液を一時的に移し変えたときのガラス瓶やボール、かき混ぜるために使った割り箸などの処理はどうすればいいでしょうか。洗面所で水洗いをしてもいいのでしょうか。
お答え
ホルマリンは燃やしてしまえば、炭酸ガスと水になります。
割り箸は可燃ゴミへ、容器等はキッチンぺーバー等で吹いてペーパーは可燃ゴミへ。容器については、多量の水で洗えばよいと思います。
以前こんなタイトルでブログを書いた。
メコン川に魚類調査に行っていて、現地で使用したホルマリン水溶液をどのように処理するかという目的で書いたものだけれど、内容について問い合わせがありました。
補足しておく必要があると思うので、以下にボクが行っている対処法を書いておきます。
ただし、これはあくまでも、ボクの行っている対処法ですのでその正当性については責任は持てません。お試しになる場合は自己責任でお願いします。
また、近年は同定用の標本についても後々のDMA分析の可能性を考えてエタノールでの標本作製を行っています。ブログで書いた記事は、熱帯地域で魚の計測をするという目的があり、ホルマリン処理液を現地で廃棄する必要性があったためです。
(1)
ホルマリンは、平成20年に特定化学物質第二類物質に格上げされ規制が強化されたことにより、ドラフトチャンバーなどの強制換気装置、作業用保護具の使用が義務付けられましたが、これは一般家庭における使用の場合には適用されない、という見解で間違いないでしょうか。(個人的に標本をつくりたいのです)
お答え
法律
の趣旨は「事業者は、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するため」ということなので、生物調査などで標本の作製をする場合には当てはまらないと思っています。
ただし、作業保護具の着用というのはやった方がいいと思います。
ボクは学生時代かなり長期間にわたって、ホルマリン標本の植物プランクトンを顕微鏡を使って数えていました。そのせいか、キンモクセイの匂いがわかりません?
使い捨て手袋と保護メガネは最低使用した方がいいと思います。
(2)
海水で薄めたホルマリン溶液を標本の防腐加工用に使う予定なのですがいわゆる「使いまわし」は可能でしょうか。(廃液を多く出したくないので)
お答え
使い回しは可能ですし、ボク自身はそうしています。
ただし、魚などの標本は魚体から出る水でホルマリン濃度が薄まること。また、ホルマリンが反応することで消費されて、次第に効きが弱くなります。
ホルマリンを補充すればよいのですが、加える量が難しいですね。すこし、加えてみて、標本の固まり具合を確認することをお勧めします。
(3)
ホルマリン水溶液を廃棄するときの処理として、ブログの記事では酸化法の代用(?)としてハイターを投入する、とありましたが、このような処理の方法でなにか問題はないのでしょうか。(また、問題ないとしたら、量の配分や投入後の処理など、教えていただけると助かります。)
お答え
これは、あくまでも、物資のない国外での方法だと思って下さい。
現在、我が国の大学などでは「厳密」に処理していると思います。
ボクが行っていたラオスでは、遺体を葬儀まで保存する目的でホルマリンを多量に使用するそうです。
(遺体は火葬にするので問題は多少少ないかなあ。)
日常的にホルマリンが使用され、投棄されていて、ホルマリンの廃棄について厳密では無いようだったので、現地で手に入りやすいハイターの使用を提案してきました。
実際の使用法について補足すると。
使用済みのホルマリン溶液の中のホルマリン溶液を調べることはかなり大変です。ハイターの成分、次亜塩素酸ナトリウムは洗濯で使用するくらいに「安全」なので、ハイターを多めに入れればホルマリンは酸化分解されます。
風通しのよい野外で、ホルマリン溶液にハイターを加えてかき混ぜる。ハイター臭がしたらOK、くらいでどうでしょうか。
ボクがラオスで示した濃度は、使用したホルマリン原液(約37%水溶液)と同じ量のハイター(洗濯用)を使用するということでした。
尚、処理した後の液体については、裸地の駐車場で自然蒸発にまかせました。
(4)希釈したホルマリン溶液を一時的に移し変えたときのガラス瓶やボール、かき混ぜるために使った割り箸などの処理はどうすればいいでしょうか。洗面所で水洗いをしてもいいのでしょうか。
お答え
ホルマリンは燃やしてしまえば、炭酸ガスと水になります。
割り箸は可燃ゴミへ、容器等はキッチンぺーバー等で吹いてペーパーは可燃ゴミへ。容器については、多量の水で洗えばよいと思います。
こんなに丁寧に答えていただけるとは思わなかったのでびっくりしました。
自分でもまだ調べていこうと思いますが、とても参考になりました。
ありがとうございます。