リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ダム不要の発電所

2009-01-19 19:58:09 | アユの流し目/雑記帳
「エネルギー密度は風力の850倍」:水中にタービン、ダム不要の新水力発電(WIRED VISION) - goo ニュース

ダムを造らなくても発電ができるという水中タービン。
米国では初めての設置にようだが、日本ではすでに実用化されているようだ。
水中タービン

 なぜ、もっと利用されないのか?
この記事を読んだときに「バードストライク」のことを考えた。
 日本でも風力発電によるオジロワシなどへの被害が懸念されている。水中にタービンを設置した場合、遡上するサカナ、たとえば、サケの仲間などへの影響はどうだろうか。そう思ってネットで資料を検索していたのだが、その翌日。
 ハドソン川の奇蹟が起きた。

 そのおかげか、ボクのブログのバードストライクにもお客さんが多かった。
 気になっているので、水中タービンのサケ類への影響については資料を収集することにしている。
 
☆テキスト版
「エネルギー密度は風力の850倍」:水中にタービン、ダム不要の新水力発電
WIRED VISION2009年1月15日(木)11:19

Alexis Madrigal

商用としては米国初の流体タービンが、昨年12月、ミネソタ州ヘイスティングズのミシシッピ川の水中に設置された。このタービンを使えば、ダムを建設しなくとも水の流れから電力を得ることができる。

35キロワットの発電能力を持つこのタービンは、既存の水力発電ダムの下流に設置された。間もなく設置される[今年4月を予定]もう1基のタービンと組み合わせることで、このダムの発電能力を5%以上向上させることができるという。

この数値はさほど大きいものではないが、今回のタービンの設置は、環境志向的なエネルギー分野の重要なトレンドに先鞭をつけるものとなる可能性がある。つまり、これらの「水中用風力タービン」が、近い将来次々と設置され、クリーンなエネルギーを生成するようになる可能性があるということだ。

このプロジェクトを率いる米Hydro Green Energy社(本社テキサス州ヒューストン)のMark Stover副社長は次のように語る。「われわれの技術は大規模なダム建設を必要としない。自然な水の流れを利用するだけだ。『水中の風力』と呼んでも良いが、そのエネルギー密度は風の840~850倍だ」

Hydro Green社や米Verdant Power社が製造している流体タービンは、いずれも水の流れの力学的エネルギーを捉えてエネルギーに変換するもので、ダムを必要としない。

これらの企業にとって問題となるのは、比較的環境負荷の小さいこれら流体力学タービンも、大規模な水力発電ダムと同じ規制をクリアせねばならないことだ。この規制のハードルゆえに、これらのプロジェクトの実現は難しい。

Verdant社はニューヨーク州のイーストリバーでも、流体タービンの設計テストを行なっているが、プロジェクトの許可を得るために、装置自体に費やすよりも多額の金を費やしていると言われる。Hydro Green社のStover副社長は、環境負荷データを提出することで、新しいタービンが川の生態系を乱すのではという懸念を和らげたいとしている。

水力発電が絡むプロジェクトをすべて監督する米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は先頃、この新しい業界に対して規制を緩めようとする動きを見せた。しかし今のところ、流体タービン発電が実施される一連のプロジェクトは、面倒な規制をすでにクリアしている既存のダムに付け加える形で展開されることになりそうだ。

一方、投資家たちは、オバマ大統領の「グリーン雇用創出計画」で利益を得られる可能性のある企業や技術を探している。連邦議会は昨年、流体タービン発電プロジェクトへの税金控除を2016年まで延長することを認めている。

[過去記事「新発想の高効率な波力発電:水中の渦によるエネルギーを利用」では、海中などをゆっくりと移動する水の自然な動きをエネルギー源とする流体力学を応用した新しい発電システムを紹介している。世界の波力・潮力発電の状況をまとめた日本語版過去記事はこちら。電力中央研究所による報告書『波力発電の現状』はこちら]
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