増井光子さん死去=パンダ繁殖に成功(時事通信) - goo ニュース
増井さんとは直接お話ししたことはないのだが、つい半年前のこと、池田啓さんを偲ぶ会でお元気な様子を拝見していた。
池田啓さん
あの後、英国に行かれて事故となったのだと思うと、残念なことだ。
コウノトリの野生復帰という世界的にも希有の事例の功労者が相次いで他界された。
たまたま、佐渡にいて、野生復帰という命題の行方について想うこと多々有。
神戸新聞 社説
増井光子さん/「野生復帰」の志を大事に
海外から突然の訃報(ふほう)である。豊岡市の兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園の増井光子園長が、滞在先の英国で不慮の事故のため亡くなった。73歳だった。
増井さんは1999年4月の郷公園開設と同時に園長に就任し、人と野生動物の共存、共生へのけん引役となってきた。
そのコウノトリの試験放鳥から5年。本格的な野生化への節目となる重要な時期にリーダーを失った影響は大きい。
この4月には、やはり郷公園開設当初から保護・増殖、試験放鳥計画全般にかかわってきた研究部長の池田啓さんが病死しており、二重の痛手となった。
地元で45年間、コウノトリにかかわってきた松島興治郎さん(市立コウノトリ文化館名誉館長)は「これから本格放鳥へ向けて、しっかりした将来像をつくりあげる節目の時期。二人は中心にいるべき人たちだった」と、その死を惜しむ。
損失は計り知れないが、野生復帰計画をここで頓挫させるわけにはいかない。死を悼みつつ、世界に例のない試みを成功に導くという決意を新たにしたい。
増井さんは獣医師として東京の上野動物園と多摩動物公園に勤務。女性初の園長として活躍し、日本で初めてパンダの人工授精による繁殖に成功したことで知られる。郷公園には構想段階から携わってきた。
獣医師として研究や現場の作業に精通し、施設運営にも通じている。これほどの適任者はいなかったといえる。
園長就任時の本紙インタビューでこう語っている。「人と動物の共存は車の両輪のようなもの。コウノトリがいることが誇りとなり、人々の生活に潤いを与え、さらに経済効果も出るようにしたい」
放鳥されたコウノトリのペアが次々にひなをかえし、今年は大陸から飛来した雌との間で野生の血を継ぐひなも巣立った。野生化への足取りは順調だ。一方で、コウノトリが生きていく上で不可欠な環境にやさしい農法が年々、広がりをみせ、減農薬や無農薬の農産物が人気を集める。
増井さんが描いた共存、共生へ、着実に近づきつつあるといっていい。
問題はこの流れをどう持続、定着させ、広げていくかだろう。松島さんは「(市民が)やらされているという話に行きつくと、これまでやってきたことが『よかった』という仕事にならない」と話す。
野生復帰の真価が試されるのはこれからだ。二人の遺志を大事にしたい。
増井さんとは直接お話ししたことはないのだが、つい半年前のこと、池田啓さんを偲ぶ会でお元気な様子を拝見していた。
池田啓さん
あの後、英国に行かれて事故となったのだと思うと、残念なことだ。
コウノトリの野生復帰という世界的にも希有の事例の功労者が相次いで他界された。
たまたま、佐渡にいて、野生復帰という命題の行方について想うこと多々有。
神戸新聞 社説
増井光子さん/「野生復帰」の志を大事に
海外から突然の訃報(ふほう)である。豊岡市の兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園の増井光子園長が、滞在先の英国で不慮の事故のため亡くなった。73歳だった。
増井さんは1999年4月の郷公園開設と同時に園長に就任し、人と野生動物の共存、共生へのけん引役となってきた。
そのコウノトリの試験放鳥から5年。本格的な野生化への節目となる重要な時期にリーダーを失った影響は大きい。
この4月には、やはり郷公園開設当初から保護・増殖、試験放鳥計画全般にかかわってきた研究部長の池田啓さんが病死しており、二重の痛手となった。
地元で45年間、コウノトリにかかわってきた松島興治郎さん(市立コウノトリ文化館名誉館長)は「これから本格放鳥へ向けて、しっかりした将来像をつくりあげる節目の時期。二人は中心にいるべき人たちだった」と、その死を惜しむ。
損失は計り知れないが、野生復帰計画をここで頓挫させるわけにはいかない。死を悼みつつ、世界に例のない試みを成功に導くという決意を新たにしたい。
増井さんは獣医師として東京の上野動物園と多摩動物公園に勤務。女性初の園長として活躍し、日本で初めてパンダの人工授精による繁殖に成功したことで知られる。郷公園には構想段階から携わってきた。
獣医師として研究や現場の作業に精通し、施設運営にも通じている。これほどの適任者はいなかったといえる。
園長就任時の本紙インタビューでこう語っている。「人と動物の共存は車の両輪のようなもの。コウノトリがいることが誇りとなり、人々の生活に潤いを与え、さらに経済効果も出るようにしたい」
放鳥されたコウノトリのペアが次々にひなをかえし、今年は大陸から飛来した雌との間で野生の血を継ぐひなも巣立った。野生化への足取りは順調だ。一方で、コウノトリが生きていく上で不可欠な環境にやさしい農法が年々、広がりをみせ、減農薬や無農薬の農産物が人気を集める。
増井さんが描いた共存、共生へ、着実に近づきつつあるといっていい。
問題はこの流れをどう持続、定着させ、広げていくかだろう。松島さんは「(市民が)やらされているという話に行きつくと、これまでやってきたことが『よかった』という仕事にならない」と話す。
野生復帰の真価が試されるのはこれからだ。二人の遺志を大事にしたい。
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