あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

親守

2024-01-11 | 愛犬がいる暮らし

今日は日差しに勢いがあった。

日中は1月とは思えないくらい

暖かい日だった。

つい3日前だったか午前9時でも

マイナス3度だった。

車が真っ白で後部のスライド式

ドアが凍り付き開かなかった。

それを思うと今日春のよう。

例年、北向きの屋根の下は

1メーターの根雪になるが

今年はない。

我が家の庭にたんぽぽが

咲いている。

最もこのあたり大雪になるのは

これから。

今日は冬の中休みってことかも。

相変わらず母はリビングの椅子に

ずっ~~~と座っている。

ご飯を食べて御茶を飲んで、

新聞を読んで居眠りしている。

日記を何時間も眺めているときは、

要注意だ。

デイサービスに行く日が

分からなくなったサイン。

何日先かをずっと気にする。

今日が何日で何曜日かが

そもそも分からないから

ひたすら混乱している。

毎日何度も何度も今日が

何日の何曜日か聞いてくる。

覚えるつもりがないのなら

聞かないでくれと苛立つ私に

遠慮なく聞くからね。

帰宅して玄関を開けるや

意味もなくイラっとする自分を

発見する。

不機嫌な私をしり目に母の

にこやかさ朗らかさが

不思議でさえある。

デイサービスを月6回と

決めていた母は混乱していた。

週に2回決めた曜日に行けば

混乱は少ないが間引いている。

日記の2か所に〇をつけて

職員さんに行く日を書いたメモを

渡すようだが日記とメモが

違っていたり、

2枚書いたりしているうちに

今日が何日か分からなくなり

いつの分のメモを自分が

書いていたのか分からなくなり

職員さんに渡したかどうかも

分からなくなるようだ。

契約しているのだから

行かないときだけ前もって

電話をして下さいと言われた。

何度言っても無駄だ。

行ったときに次に行く日の

メモを職員さんに渡すんだそう。

頑固な母は自分なりの方法を

譲らないのは分かった。

が、混乱が増すのでこちらに

とばっちりが来る。

母が(勝手に)行かないと

言ってというある日に

お迎えが来たことも何度か。

逆に外で1時間待っても

迎えがなくて帰って来たことも。

母にとっては日記がバイブル。

何かにつけて「ここに書いてある」

というが1週間違えていたり

去年の段に書いていたり

「未来」に書いていたりする。

何しろ日にちと曜日が分からない。

それが混乱の元と本人が認めない。

「お母さんいつ行くんかの」と

またしても聞いて来る。

「デイサービスへ行く日」のことだ。

今日が行く予定だった日。

施設でコロナが出て休みになった。

次に行くのは1週間後だ。

「何を知りたい?」と聞いて

しまった。

先週は「11日に行くんだの」と

母は私に10回は聞いて来た。

次は18日だと答えて欲しいのか。

来週の木曜日と答えて欲しいのか。

そう答えたところでたぶん

母は承知できない。

あまりに混乱するので、

月曜日をやめて木曜日だけに

したばかりだ。

それもきっと分からなくなった。

「今日は木曜だけれどお休み

だったでしょ!

明日は金曜日、それから土曜日

日曜日、月曜日、火曜日

水曜日、その次の日!

まだずっとずっと先!」

私は大声になった。

ライブが迫っている。

気を取り直して階上でひとり

リハーサルを1時間。

階下に降りたら

「できん。こうなった」と母。

見れば床に爪が散らばっていた。

白癬菌まみれの白い粉が

大量に!!

「何してるの!!

菌が飛ぶ!!うつる!!」

掃除機で駆除しながら怒り心頭。

何とか怒りを鎮めて、

庭先で魔女の爪って

こんな感じだろか・・

と思いながら爪切り完了。

悪気はないが面倒が先立ち、

衛生観念欠如が進む母。

「こがーな日はないで。」

と快晴を何度も喜び、

何かしら自分にできることを

やらねばとご飯を炊き、

畠を覗く母。

自分で食べて寝起きして

トイレに行き、

坂の下まで新聞を取りに行く。

妹(叔母)からの電話で

私のことを報告している。

麻呂に向かって

「年取ったの。麻呂が

おらんようになったら寂しいの。」

と、独り言を言う。

自分の体を支えるのがやっとの身で

放尿させるために麻呂を

ぶら下げるように抱えている母は

かわいくて笑える。

その麻呂も老体に拍車。

本人の不安が増すようだ。

私の傍に立って不安げに

じっ~~とこちらを見ている。

「あんたの傍におりたいんよ」

「麻呂はあんただけが頼りなんで」

と言う。

母の気持ちのようでもある。

これから私は自分を最優先

しようとしている。

私にとって心地よい生き方を

したいと決意した。

一人で生きる覚悟に近い。

母と麻呂がいるから楽しいことも

たくさんある。

敢えてそこから逃避して

一時の幸福感を味わってみる。

いつかはそれが空しいと

感じるかもしれないとも

覚悟している。

 


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