魔法使いチャッピー
「ぼくドンちやん~ (略) 車はA級ライセンス~ ドンちゃん どんとこい なんでもこ~い♪」
私は長らくこの「A級ライセンス」のことを「永久ライセンス」のことだと勘違ひしてをり、「永久免許・・・そんなものスゴイものがあるんだ~」と甚く感心してゐた・・・実際にA級ライセンス保持者だといふ若い女性に会ふまでは(いや、「A級」でも十分にスゴイけど)。
それと同じく(?)「A級戦犯」といふ言葉を初めて耳にしたときにも「永久戦犯」と勘違ひしてし、よくわからないまま「戦争にまつはる何だかもの凄く恐ろしいもの」といふか、呼称自体に「永久に逃れられない深くて暗い闇のやうな空間」を見る思ひがした・・・のも「A級戦犯」と書くといふことを知るまでの話だが。
それはさておき。
皇后陛下お誕生日に際し(平成26年) - 宮内庁
問2 皇后さまは天皇陛下とともに国内外で慰霊の旅を続けて来られました。戦争を知らない世代が増えているなかで,来年戦後70年を迎えることについて今のお気持ちをお聞かせ下さい。
皇后陛下
(略)
私は,今も終戦後のある日,ラジオを通し,A級戦犯に対する判決の言い渡しを聞いた時の強い恐怖を忘れることが出来ません。まだ中学生で,戦争から敗戦に至る事情や経緯につき知るところは少なく,従ってその時の感情は,戦犯個人個人への憎しみ等であろう筈はなく,恐らくは国と国民という,個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する,身の震うような怖れであったのだと思います。
戦後の日々,私が常に戦争や平和につき考えていたとは申せませんが,戦中戦後の記憶は,消し去るには強く,たしか以前にもお話ししておりますが,私はその後,自分がある区切りの年齢に達する都度,戦時下をその同じ年齢で過ごした人々がどんなであったろうか,と思いを巡らすことがよくありました。
(略)
このお言葉を拝読し、私は特に下線部の重さや深さに心をうたれると同時に、皇后陛下のニューデリーの基調講演の以下のお話を思ひ出してしまつた。
第26回IBBYニューデリー大会基調講演 - 宮内庁
教科書以外にほとんど読む本のなかったこの時代に,たまに父が東京から持ってきてくれる本は,どんなに嬉しかったか。冊数が少ないので,惜しみ惜しみ読みました。そのような中の1冊に,今,題を覚えていないのですが,子供のために書かれた日本の神話伝説の本がありました。日本の歴史の曙のようなこの時代を物語る神話や伝説は,どちらも8世紀に記された2冊の本,古事記と日本書紀に記されていますから,恐らくはそうした本から,子供向けに再話されたものだったのでしょう。
父がどのような気持ちからその本を選んだのか,寡黙な父から,その時も,その後もきいたことはありません。しかしこれは,今考えると,本当によい贈り物であったと思います。なぜなら,それから間もなく戦争が終わり,米軍の占領下に置かれた日本では,教育の方針が大巾に変わり,その後は歴史教育の中から,神話や伝説は全く削除されてしまったからです。
私は,自分が子供であったためか,民族の子供時代のようなこの太古の物語を,大変面白く読みました。今思うのですが,一国の神話や伝説は,正確な史実ではないかもしれませんが,不思議とその民族を象徴します。これに民話の世界を加えると,それぞれの国や地域の人々が,どのような自然観や生死観を持っていたか,何を尊び,何を恐れたか,どのような想像力を持っていたか等が,うっすらとですが感じられます。
父がくれた神話伝説の本は,私に,個々の家族以外にも,民族の共通の祖先があることを教えたという意味で,私に一つの根っこのようなものを与えてくれました。本というものは,時に子供に安定の根を与え,時にどこにでも飛んでいける翼を与えてくれるもののようです。もっとも,この時の根っこは,かすかに自分の帰属を知ったという程のもので,それ以後,これが自己確立という大きな根に少しずつ育っていく上の,ほんの第一段階に過ぎないものではあったのですが。
又,これはずっと後になって認識したことなのですが,この本は,日本の物語の原型ともいうべきものを私に示してくれました。やがてはその広大な裾野に,児童文学が生まれる力強い原型です。そしてこの原型との子供時代の出会いは,その後私が異国を知ろうとする時に,何よりもまず,その国の物語を知りたいと思うきっかけを作ってくれました。私にとり,フィンランドは第一にカレワラの国であり,アイルランドはオシーンやリヤの子供達の国,インドはラマヤナやジャータカの国,メキシコはポポル・ブフの国です。これだけがその国の全てでないことは勿論ですが,他国に親しみをもつ上で,これは大層楽しい入口ではないかと思っています。
(中略)
父のくれた古代の物語の中で,一つ忘れられない話がありました。
年代の確定出来ない,6世紀以前の一人の皇子の物語です。倭建御子(やまとたけるのみこ)と呼ばれるこの皇子は,父天皇の命を受け,遠隔の反乱の地に赴いては,これを平定して凱旋するのですが,あたかもその皇子の力を恐れているかのように,天皇は新たな任務を命じ,皇子に平穏な休息を与えません。悲しい心を抱き,皇子は結局はこれが最後となる遠征に出かけます。途中,海が荒れ,皇子の船は航路を閉ざされます。この時,付き添っていた后,弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)は,自分が海に入り海神のいかりを鎮めるので,皇子はその使命を遂行し覆奏してほしい,と云い入水し,皇子の船を目的地に向かわせます。この時,弟橘は,美しい別れの歌を歌います。
さねさし相武(さがむ)の小野(をの)に燃ゆる火の火中(ほなか)に立ちて問ひし君はも
このしばらく前,建(たける)と弟橘(おとたちばな)とは,広い枯れ野を通っていた時に,敵の謀(はかりごと)に会って草に火を放たれ,燃える火に追われて逃げまどい,九死に一生を得たのでした。弟橘の歌は,「あの時,燃えさかる火の中で,私の安否を気遣って下さった君よ」という,危急の折に皇子の示した,優しい庇護の気遣いに対する感謝の気持を歌ったものです。
悲しい「いけにえ」の物語は,それまでも幾つかは知っていました。しかし,この物語の犠牲は,少し違っていました。弟橘の言動には,何と表現したらよいか,建と任務を分かち合うような,どこか意志的なものが感じられ,弟橘の歌は――私は今,それが子供向けに現代語に直されていたのか,原文のまま解説が付されていたのか思い出すことが出来ないのですが――あまりにも美しいものに思われました。「いけにえ」という酷(むご)い運命を,進んで自らに受け入れながら,恐らくはこれまでの人生で,最も愛と感謝に満たされた瞬間の思い出を歌っていることに,感銘という以上に,強い衝撃を受けました。はっきりとした言葉にならないまでも,愛と犠牲という二つのものが,私の中で最も近いものとして,むしろ一つのものとして感じられた,不思議な経験であったと思います。
この物語は,その美しさの故に私を深くひきつけましたが,同時に,説明のつかない不安感で威圧するものでもありました。
古代ではない現代に,海を静めるためや,洪水を防ぐために,一人の人間の生命が求められるとは,まず考えられないことです。ですから,人身御供(ひとみごくう)というそのことを,私が恐れるはずはありません。しかし,弟橘の物語には,何かもっと現代にも通じる象徴性があるように感じられ,そのことが私を息苦しくさせていました。今思うと,それは愛というものが,時として過酷な形をとるものなのかも知れないという,やはり先に述べた愛と犠牲の不可分性への,恐れであり,畏怖(いふ)であったように思います。
まだ,子供であったため,その頃は,全てをぼんやりと感じただけなのですが,こうしたよく分からない息苦しさが,物語の中の水に沈むというイメージと共に押し寄せて来て,しばらくの間,私はこの物語にずい分悩まされたのを覚えています。
引用させて頂いた「皇后陛下お誕生日に際し(平成26年)」の中で皇后陛下が「A級戦犯」といふ言葉をお出しになつたことに関しては、「それ自体が許せない、悲しい」、「左翼や中韓にいいやうに利用されるだけなのに」、「いわゆる東京裁判史観、自虐史観から脱却してをられない皇后陛下の存在自体が戦後レジームからの脱却を阻害するものである」といつたやうな意見をWeb上で散見するし、同じやうな意見が寄せられてゐるのは最初に挙げた皇后陛下の会見のみではないやうなので、今更ながら他の両陛下のお言葉も少しずつ拝読中。
天皇皇后両陛下 - 宮内庁
だが、さうしてみたら、今度はこちらの書籍を思ひ出してしまつた・・・。
昭和天皇
内容(「BOOK」データベースより)
全国民必読の画期的昭和天皇伝。昭和天皇のご生涯をそのお言葉を中心につづる。ご聖徳の真実が、今ここに生き生きとよみがえる。
内容(「MARC」データベースより)
昭和天皇のお言葉にみる昭和史の真実。誕生から少年時代、昭和の改元、戦争と戦後、その折り折りのできごとを追いながら、天皇の生涯をつづる。
(※各引用文中の下線は全て私によるもの)
とはいへ、問題視されてゐるのは、お言葉のみではなくなつてゐるわけだが・・・だが。
皆さんどうなさつたのかしら・・・GHQとかCIAとか米国とかバチカンとかカトリックのみならず、その他の怪しげな坊主とか異教とか破壊的カルトとか呪術とか、中国とか韓国とか北朝鮮とか満州とかに関はりがありさうなのは、皇室だけではないといふのに。
「天皇と皇族は神道だけやつとけよ!私達は安倍信者だけどね!安倍先生なくして私たちのみ旨は成就できませんから、邪魔するんじゃないよ!我住(アージュ)!」といふことかしら。
よくわかんないけど、バチカン・カトリックを毛嫌ひしてゐる人が結構ゐたのが気になつたので、以下参考までに(まあ、何でも組織化すると腐敗するのは確かだし、日本のカトリックにも変はつた人がゐるのは認めるが)。
統一協会 バチカン - Google 検索
世界基督教統一神霊協会に関する声明 日本カトリック司教団(カトリック中央協議会)
自主憲法制定 国際勝共連合
(因みに出雲井さんも一度だつたか講演に呼ばれてゐたが、日本教文社の著書の内容とUCの教義は全く関係ないので。)
統一協会 世耕 - Google 検索
安倍首相側近らが続々と統一教会詣での“怪” 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
やや日刊カルト新聞: 2014衆院選、カルト団体との関係を指摘された候補者の当落まとめ一覧・統一教会編
(公平を期す為、ほんの一部でしかないが他党の記事も。)
「日本のカトリックにも変はつた人がゐる」の具体例。
曽野綾子 - Wikipedia
曽野綾子さん「移民を受け入れ、人種で分けて居住させるべき」産経新聞で主張
曽野綾子氏コラムに「アパルトヘイトを賛美し、首相に恥をかかせる」海外メディア報じる
曽野綾子さんのゲスすぎる産経新聞コラムが英訳されNYT記者が紹介 - NAVER まとめ
曽野綾子氏が産経新聞で「アパルトヘイト発言」 読者から非難殺到 - ライブドアニュース
曽野綾子氏、移民について「居住地だけは別にした方がいい」 「アパルトヘイト肯定」「人種差別だ!」と物議 (J-CASTニュース) – Yahoo!ニュース
曽野綾子氏の人種隔離政策、男尊女卑を掲載する産経新聞
移民を受け入れなければいいだけなのでは。
【岩上安身のニュースのトリセツ】安倍総理の「ブレーン」曽野綾子氏が産経新聞のコラムでアパルトヘイトを肯定 世界中から批判の声 ~移民ではない、「現代の奴隷制」を推し進める安倍政権 | IWJ Independent Web Journal
曽野綾子のコラムが暗示する問題
皇后美智子 – Wikipedia窓開けつつ聞きゐるニュース南アなるアパルトヘイト法 廃されしとぞ