こ~んばん~わ
11月19日、『第75回NHK紅白歌合戦』の出演者が発表され、坂道シリーズから乃木坂46が10年連続10回目、櫻坂46が2年連続4回目の出演となった。一方、日向坂46は2年連続の落選となり、昨年の櫻坂46と同様に“返り咲き”を期待していたファンから悲しみの声が集まっている。
今回は、命運分かれた3グループの中で、乃木坂46と櫻坂46はこれまでの『紅白歌合戦』の振り返りや注目ポイント、日向坂46には来年に向けての期待について紹介していきたい。
10年連続10回目の『紅白』出場となった乃木坂46。これは1998年~2007年に10年連続で出演したモーニング娘。と並ぶ記録(女性アイドルグループではAKB48が通算12回出場)となった。乃木坂46の土台を作った1・2期生が卒業し、“新体制”となった2023年以降も連続出場を果たしており、世代交代の成功を象徴する結果となった。
初出場で『君の名は希望』を披露すると、3回目の2017年には、バナナマン・日村勇紀が扮するヒム子とコラボ。冠番組で長年MCを務め、『紅白』の副音声をバナナマンが担当していたことから、同年7月のライブや『テレ東音楽祭』(テレビ東京)で実現したコラボにファンの期待が高まっていた。メンバーからオファーを受けるも「うれしいけど、紅白だからね。乃木坂だけでやってもらわないと。応援するから。頑張れ!」と一度は断っていた日村。しかし、曲の中盤でヒム子がメンバー背後のスクリーンに映ると、もはやメンバーよりも大きく目立っていた。
翌年も乃木坂46とバナナマンの絆が見られる一幕があった。年内で乃木坂46としての活動を終えた(翌年2月に卒業コンサートを開催)西野七瀬の『紅白』ラストステージでは、その年の副音声担当ではなかったバナナマンがサプライズで登場。パフォーマンス終了後にステージから手を振るメンバーの姿が印象的だった。
そんな乃木坂46が今年披露する楽曲は何なるのか? 2024年にリリースした楽曲の中だと、『チャンスは平等』はセンターの山下美月が既にグループ卒業しているため披露が難しい。最新曲『歩道橋』も、昨年の12月6日に発売された『Monopoly』と同様、12月11日リリースと『紅白』直前のため、披露されない可能性が高いと予想される。そうなると、2年連続で5期生・井上和がセンターを務める『チートデイ』(2023年が『おひとりさま天国』)が該当する。乃木坂46の歴史上、『紅白』でセンターを連続で務めたのは、2017年に『インフルエンサー』でのWセンターと、2018年に『帰り道は遠回りしたくなる』でセンターに立った西野のみ。2022年の『裸足でSummer』から続く、アップテンポな曲調で大晦日を盛り上げるのか、はたまた『きっかけ』のように、乃木坂46らしい、しっとりしたメロディーの曲が選ばれるのか注目だ。
一方、2年連続出場となった櫻坂46。昨年は『紅白』への返り咲きが注目された。「女性アイドルグループは『紅白』に一度落選したら再出演するのが難しい」というジンクスがあるなか、櫻坂46は2022年の落選から再起し、『Start over!』をひっさげて『紅白』のステージに帰ってきた。同年に“第2章”と形容される『桜月』や、“やり直し”を意味する『Start over!』、新戦力が加わった『承認欲求』をリリース。夏フェスや海外公演への積極的な参加などでパフォーマンス力にも磨きがかかり、『紅白』の再選が有力視されていた。昨年の『紅白』は、イントロで観客が一緒にジャンプする演出などから別会場で披露されており、今年はメインステージで踊る彼女たちに期待が高まる。
また、三期生メンバーの参加も注視したい。2023年1月にグループに加入した三期生は、『桜月』と『Start over!』はカップリング曲のみの参加。『承認欲求』から本格的にシングル活動に加わったため、『紅白』の『Start over!』には不参加だった。2024年にリリースされた櫻坂46のシングルでは3曲中2曲で三期生・山下瞳月がセンターに立っており、選抜メンバーも三期生が半数近く占めている。グループに欠かせない存在となった三期生の『紅白』初ステージも見逃せない。
さらに、『紅白』では各グループの新衣装もファンの間で話題になる。2023年は、乃木坂46の白と金を基調とした華やかな衣装に対し、櫻坂46が白いシャツと光沢がかった黒のパンツ、手袋を着用するなど、同じ坂道シリーズ内で対照的だった。特に、櫻坂46は6月に開催された東京ドーム公演で着用していた“王子様衣装”がメンバーやファンの間で人気だ。その後の音楽番組でも度々登場し、メンバーのインスタグラムで衣装を着用してポーズを決めた写真が投稿されると、「イケメンすぎる!」と話題になり、“王子様衣装”で制作されたグッズは販売後すぐに完売する勢いだった。女性アイドルらしからぬ、クールでアーティスティックな衣装を着こなす櫻坂46メンバーにも注目が集まる。
最後に、2年連続で落選となった日向坂46について触れたいと思う。2023年の落選時には、メンバーがブログで悔しい気持ちを正直に綴っていた。日向坂46が2024年にリリースしたシングルは、乃木坂46や櫻坂46より1枚少ない2枚。『紅白』の選考基準にある「今年の活躍」(CD・DVDやインターネットでのダウンロード・ストリーミング等などの実績)に基づくと、他2グループと比べて遅れを取ってしまったと言わざるを得ない。
約半年ぶりのリリースとなった11thシングル『君はハニーデュー』(2024年5月8日発売。前作は2023年11月8日リリースの2ndアルバム『脈打つ感情』)から、グループ初の選抜制を導入しており、他坂道グループと同様に選抜メンバーとそれ以外を区別するシステムに舵を切っていた。表題曲のセンターを複数回経験し、グループの中心メンバーとして活動してきた小坂菜緒が、「本気でこの1年を獲りにいかなきゃいけない」と発言していたことを、多くのファンは覚えているだろう。その言葉通り、『紅白』の落選を乗り越えて始まった2024年は挑戦の連続だった。
初の46時間TVや、“地方創生”として確かな結果を残した宮崎県での『ひなたフェス2024』、12月25日と26日に約2年ぶりとなる東京ドーム公演の開催など、一矢報いる姿を示していた日向坂46。それでも『紅白』のステージは届かなかった。彼女たちがこの結果をどう受け止めて、次に繋げていくのか。1年間、グループに変化を起こし続け、一期生・齊藤京子の卒業を皮切りに6名が年内で卒業するなど、グループに生じた大きなうねりはまだ続いている。
『紅白』の落選が発表された11月19日から、日向坂46は全国ツアーを開始。くしくもタイミングが重なったが、メンバーのライブパフォーマンスから溢れる思いを、会場のおひさま(日向坂46のファンネーム)たちは感じ取ってほしい。そして、年末の東京ドームで、日向坂46メンバーは2025年に向けて逆襲の狼煙を上げてくれるに違いない。
2019年の『紅白』では、3グループ合同で乃木坂46の『シンクロニシティ』がパフォーマンスされた。乃木坂46の白石麻衣を中心に、司会の内村光良も加わったスペシャルステージを覚えているファンも多いだろう。この時、櫻坂46は前身の欅坂46として伝説の『不協和音』を、デビューイヤーの日向坂46は1stシングルの『キュン』を披露していた。そんなメモリアルな3坂道のコラボを、今度は世代交代が進んだ各グループの状態で再び見たいのが筆者の本心だ。
乃木坂46と櫻坂46は世代交代を成功させ、日向坂46も副キャプテンに三期生・髙橋未来虹が就任し、センターを四期生が2作連続で務めるなど過渡期の真っ只中だ。再び『紅白歌合戦』のステージに3坂道が揃った時こそ、坂道シリーズの第二章が始まったと言えるだろう。乃木坂46と櫻坂46の盤石な土台作りと、日向坂46の大改革が2024年末から2025年の注目ポイントだ。
11月19日、『第75回NHK紅白歌合戦』の出演者が発表され、坂道シリーズから乃木坂46が10年連続10回目、櫻坂46が2年連続4回目の出演となった。一方、日向坂46は2年連続の落選となり、昨年の櫻坂46と同様に“返り咲き”を期待していたファンから悲しみの声が集まっている。
今回は、命運分かれた3グループの中で、乃木坂46と櫻坂46はこれまでの『紅白歌合戦』の振り返りや注目ポイント、日向坂46には来年に向けての期待について紹介していきたい。
10年連続10回目の『紅白』出場となった乃木坂46。これは1998年~2007年に10年連続で出演したモーニング娘。と並ぶ記録(女性アイドルグループではAKB48が通算12回出場)となった。乃木坂46の土台を作った1・2期生が卒業し、“新体制”となった2023年以降も連続出場を果たしており、世代交代の成功を象徴する結果となった。
初出場で『君の名は希望』を披露すると、3回目の2017年には、バナナマン・日村勇紀が扮するヒム子とコラボ。冠番組で長年MCを務め、『紅白』の副音声をバナナマンが担当していたことから、同年7月のライブや『テレ東音楽祭』(テレビ東京)で実現したコラボにファンの期待が高まっていた。メンバーからオファーを受けるも「うれしいけど、紅白だからね。乃木坂だけでやってもらわないと。応援するから。頑張れ!」と一度は断っていた日村。しかし、曲の中盤でヒム子がメンバー背後のスクリーンに映ると、もはやメンバーよりも大きく目立っていた。
翌年も乃木坂46とバナナマンの絆が見られる一幕があった。年内で乃木坂46としての活動を終えた(翌年2月に卒業コンサートを開催)西野七瀬の『紅白』ラストステージでは、その年の副音声担当ではなかったバナナマンがサプライズで登場。パフォーマンス終了後にステージから手を振るメンバーの姿が印象的だった。
そんな乃木坂46が今年披露する楽曲は何なるのか? 2024年にリリースした楽曲の中だと、『チャンスは平等』はセンターの山下美月が既にグループ卒業しているため披露が難しい。最新曲『歩道橋』も、昨年の12月6日に発売された『Monopoly』と同様、12月11日リリースと『紅白』直前のため、披露されない可能性が高いと予想される。そうなると、2年連続で5期生・井上和がセンターを務める『チートデイ』(2023年が『おひとりさま天国』)が該当する。乃木坂46の歴史上、『紅白』でセンターを連続で務めたのは、2017年に『インフルエンサー』でのWセンターと、2018年に『帰り道は遠回りしたくなる』でセンターに立った西野のみ。2022年の『裸足でSummer』から続く、アップテンポな曲調で大晦日を盛り上げるのか、はたまた『きっかけ』のように、乃木坂46らしい、しっとりしたメロディーの曲が選ばれるのか注目だ。
一方、2年連続出場となった櫻坂46。昨年は『紅白』への返り咲きが注目された。「女性アイドルグループは『紅白』に一度落選したら再出演するのが難しい」というジンクスがあるなか、櫻坂46は2022年の落選から再起し、『Start over!』をひっさげて『紅白』のステージに帰ってきた。同年に“第2章”と形容される『桜月』や、“やり直し”を意味する『Start over!』、新戦力が加わった『承認欲求』をリリース。夏フェスや海外公演への積極的な参加などでパフォーマンス力にも磨きがかかり、『紅白』の再選が有力視されていた。昨年の『紅白』は、イントロで観客が一緒にジャンプする演出などから別会場で披露されており、今年はメインステージで踊る彼女たちに期待が高まる。
また、三期生メンバーの参加も注視したい。2023年1月にグループに加入した三期生は、『桜月』と『Start over!』はカップリング曲のみの参加。『承認欲求』から本格的にシングル活動に加わったため、『紅白』の『Start over!』には不参加だった。2024年にリリースされた櫻坂46のシングルでは3曲中2曲で三期生・山下瞳月がセンターに立っており、選抜メンバーも三期生が半数近く占めている。グループに欠かせない存在となった三期生の『紅白』初ステージも見逃せない。
さらに、『紅白』では各グループの新衣装もファンの間で話題になる。2023年は、乃木坂46の白と金を基調とした華やかな衣装に対し、櫻坂46が白いシャツと光沢がかった黒のパンツ、手袋を着用するなど、同じ坂道シリーズ内で対照的だった。特に、櫻坂46は6月に開催された東京ドーム公演で着用していた“王子様衣装”がメンバーやファンの間で人気だ。その後の音楽番組でも度々登場し、メンバーのインスタグラムで衣装を着用してポーズを決めた写真が投稿されると、「イケメンすぎる!」と話題になり、“王子様衣装”で制作されたグッズは販売後すぐに完売する勢いだった。女性アイドルらしからぬ、クールでアーティスティックな衣装を着こなす櫻坂46メンバーにも注目が集まる。
最後に、2年連続で落選となった日向坂46について触れたいと思う。2023年の落選時には、メンバーがブログで悔しい気持ちを正直に綴っていた。日向坂46が2024年にリリースしたシングルは、乃木坂46や櫻坂46より1枚少ない2枚。『紅白』の選考基準にある「今年の活躍」(CD・DVDやインターネットでのダウンロード・ストリーミング等などの実績)に基づくと、他2グループと比べて遅れを取ってしまったと言わざるを得ない。
約半年ぶりのリリースとなった11thシングル『君はハニーデュー』(2024年5月8日発売。前作は2023年11月8日リリースの2ndアルバム『脈打つ感情』)から、グループ初の選抜制を導入しており、他坂道グループと同様に選抜メンバーとそれ以外を区別するシステムに舵を切っていた。表題曲のセンターを複数回経験し、グループの中心メンバーとして活動してきた小坂菜緒が、「本気でこの1年を獲りにいかなきゃいけない」と発言していたことを、多くのファンは覚えているだろう。その言葉通り、『紅白』の落選を乗り越えて始まった2024年は挑戦の連続だった。
初の46時間TVや、“地方創生”として確かな結果を残した宮崎県での『ひなたフェス2024』、12月25日と26日に約2年ぶりとなる東京ドーム公演の開催など、一矢報いる姿を示していた日向坂46。それでも『紅白』のステージは届かなかった。彼女たちがこの結果をどう受け止めて、次に繋げていくのか。1年間、グループに変化を起こし続け、一期生・齊藤京子の卒業を皮切りに6名が年内で卒業するなど、グループに生じた大きなうねりはまだ続いている。
『紅白』の落選が発表された11月19日から、日向坂46は全国ツアーを開始。くしくもタイミングが重なったが、メンバーのライブパフォーマンスから溢れる思いを、会場のおひさま(日向坂46のファンネーム)たちは感じ取ってほしい。そして、年末の東京ドームで、日向坂46メンバーは2025年に向けて逆襲の狼煙を上げてくれるに違いない。
2019年の『紅白』では、3グループ合同で乃木坂46の『シンクロニシティ』がパフォーマンスされた。乃木坂46の白石麻衣を中心に、司会の内村光良も加わったスペシャルステージを覚えているファンも多いだろう。この時、櫻坂46は前身の欅坂46として伝説の『不協和音』を、デビューイヤーの日向坂46は1stシングルの『キュン』を披露していた。そんなメモリアルな3坂道のコラボを、今度は世代交代が進んだ各グループの状態で再び見たいのが筆者の本心だ。
乃木坂46と櫻坂46は世代交代を成功させ、日向坂46も副キャプテンに三期生・髙橋未来虹が就任し、センターを四期生が2作連続で務めるなど過渡期の真っ只中だ。再び『紅白歌合戦』のステージに3坂道が揃った時こそ、坂道シリーズの第二章が始まったと言えるだろう。乃木坂46と櫻坂46の盤石な土台作りと、日向坂46の大改革が2024年末から2025年の注目ポイントだ。
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