S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

この灯りでお帰りください。

2010-08-18 17:44:20 | Weblog
あっという間に送り盆がすぎた。

娘も息子も友達と出かけ贈り盆の日は、ひとりで送り火を焚いた。

子どもたちにはあまり先祖の霊は身近ではないらしい・・・
たまに会う友達のほうが大切なのは仕方ないな。


子どもの頃、家はおじいちゃんもおばあちゃんもいたので、お嫁に行った父の妹(おばさんたち)がお盆には家族で
帰省していたので、お盆はすごくにぎやかだった。

おじいちゃんといつもお墓掃除やお墓参りに行った。
おじいちゃんは迎え盆の日には仏壇のお位牌や仏様を出してきれいにおそうじし、いつもは掛けない後光がさした仏さまの
掛け軸を飾って、盆提灯をいくつも出して灯りをつけて、お花を飾って、きゅうりやナスの馬を作ってお仏壇はとても華やかに変身した。

おばあちゃんと母はたくさんの天ぷらを揚げて仏様にお供えした。

おじいちゃんは「みんな還ってくるぞ、おまえのお姉ちゃんも還ってくるよ」といつもわたしに言った。

わたしの一番上の姉は赤ちゃんで亡くなってしまったから。

夜おそくまで盆踊りをして、なんだか御先祖の霊と今生きている人間がごっちゃになって輪になって踊っているような
そんな4日間だった。そんな風景はいつも宮沢賢治の「ポラーノの広場」を読むと重なって見える。


還ってくるところがない霊はどこにいくんだろう・・・・

だからやっぱり迎え火や送り火は焚いてあげたい。道しるべだもん。
日本列島はどこもかしこも燃えそうな猛暑、今日もひどい暑さで疲れる・・・・

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