S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

夕焼けのような死

2010-11-26 16:15:48 | Weblog
三島由紀夫の壮絶な死の日。

日曜日に松本に行った時も、三島由紀夫の話をある人と話していた。

三島由紀夫が国を憂う気持ちを持っていたあの頃と、日本はほとんど変わってはいないかもしれないねという話をしていた。

三島の文章が好きで、けっこうたくさんの三島文学を読んだ。

ちょうど「憂国」という小説のなかに、切腹場面があって、それを読み終わった次の日、わたしは腸捻転になり、お腹を切って手術をした。3年前のことだ。
手術が終わって麻酔で朦朧としながら、「切腹だ」とつぶやいていた・・・


三島由紀夫の夕焼けについての記述の文章もすごく好きで、ノートに書き写してある。
夕焼けになぞらえて芸術を語っている文章は圧巻です。


ひとときのめりこんだ「帝都物語」にも三島由紀夫は登場しています。

日本の周りの海がやたらきな臭くなっている今、自衛隊の人たちは一体どんな想いを抱いて日々任務しているんだろう・・

三島の演説を思い出したりしているんだろうか?



ここのところ裁判員裁判でも死刑判決が続いている。

わたしのまわりにいろんな「死」は色を放っている。

18歳の少年に、本当に再生不可能と線を引いてしまっていいのだろうか?
彼の生きられるかもしれない半世紀という時間はあまりにもながい、その時間をたった一瞬で断ち切ってしまってもいいのだろうか?


切腹も絞首もあまりにも壮絶すぎる「死」だ。
ただ終わってしまった「死」はあまりにも強烈な夕焼けのような残像を残された人たちに残して消えてしまう。

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