日本最古の現役……の続きです。
京都の大徳寺は観光地として有名です。千利休との関係で特に茶道関係者には縁の深いお寺です。
その大徳寺の北側に観光地としてはそれほど有名ではありませんが今宮神社があります。
(今宮神社 楼門) (今宮神社 本社)
その今宮神社の東口を出た所に茶店が二軒ならんでいます。
神社から出て右手前が「かざりや」で左手奥が「一文字屋」です。
どちらも「あぶり餅」で有名な茶店です。竹串に刺して焼いた小さな餅に味噌だれをつけて食べます。竹串15本で500円です。最初に行ったのは3年前、手前の「かざりや」さんのあぶり餅を味わいました。
( かざりや) (一文字屋)
素朴な味の焼き餅です。しかし、実は、「かざりや」は慶長15年(1610年)頃に創業され今年で402年目という古い歴史を持っています。
そして、「一文字屋」はちょっとややこしいのですが、表の暖簾には「一文字屋」と書いてあり、中の暖簾には「一文字屋和助」と書いてありますが、正式名は「一文字屋和輔」、そして、通称は「一和(いちわ)」と言います。
私の手元にある京都の老舗番付では、「一和」は東の横綱で創業は長保2年(1000年)と書かれています。ですから今年で1012年目であり、現在まで続いている日本で最も古い茶店です。行ってみる価値のある茶店です。
わたしは去年、2回目に行った時に「一和」さんのあぶり餅を味わいました。その時に知ったのですが、何本もの竹串をおかみさんが一本ずつ丁寧に作っておられました。
「何年たっても修行です。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
(店内の一文字屋和助の暖簾と竹串を作っておられる素敵なおかみさん)
素敵な人とふたり揃うて今宮神社にお参りして、「一和」はんと「かざりや」はんのあぶりもち買うて、1000年の味と400年の味を食べ比べるんも ちょっと、粋どすえ……。