センボンヤリは面白い花です。
春はムラサキタンポポと呼ばれるこの姿
雄しべと雌しべがある両性花
他家受粉です。
ここまでは普通。
秋は開花せずつぼんだまま
ボンボリのような頭を
春の姿より背のびして見せてくれます。
自分の中で、自家受粉をしているのです。
この時の大名行列の槍の様な形から
センボンヤリと名前がつきました。
こうして一年に二度、種を作る作業をします。
地下では、春に前年の根の上に新しい根を伸ばし、
夏から秋までは新旧二つの根が働きます。
冬になって茎と葉が枯れる時に、古い根も枯れます。
草原に咲くこの小さな花が
用意周到で綿密な戦略を、誰にも教わらずやってのけるなんて!
この命を繋ぐ努力に、頭がさがります。