のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

元祖「北斗の拳」

2008年03月08日 13時28分30秒 | Weblog
「お前達のうち、腕が一番になった者にこの家をやる」

父親のご託宣に従って、息子達が腕を磨きに旅に出た。

そして、何年かして、三人兄弟が戻ってきた。

長男は、①を選んで散髪屋になった。

「お父さん、僕は、どんな状態の髭でも剃れるんだよ。試しに、あの走ってるウサ公

の髭を剃ってやるよ」

言うが早いか、長男は、あっという間に、走っているウサギの髭を剃ってしまった。

「すごいな、どうなってんねん? 家は、お前のもんやな」

「父さん、ちょっと待って! 僕の技、見てからや」

②を選び、鍛冶屋になった次男が口を挟む。

「向こうに、パカパカと馬に乗ってる紳士がおるやろ。あの馬の蹄鉄を取り替えて見

せたるわ」

「ほんまかいな。北斗の拳やがなぁ。『お前は、もう死んでいる!』ってか」

「違う、違う。蹄鉄取り替えるだけや」

「そうか、ほな、やってみ」

シュワッチ・・・!

やはり、あっという間に紳士も馬も気づかぬ間に、蹄鉄を取り替えた次男であった。

「う~ん、次男が上かな」

感心しきりな父親が俯いていると、雨が降り出した。

「僕の出番やな」

「僕の出番て・・・? こんなところで、人殺したらあかんで」

「まぁ、見てて」と、③を選んで、剣術使いになった三男は、短剣で十字を切るが早

いか、飛び上がって、雨粒を一つ一つ短剣で払いのけていった。


うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、

うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ、うりゃりゃりゃ・・・


雨がどんどん激しくなっていった。しかし、一滴といえど、雨が家族に降りかかるこ

とはなかった。

「負けた・・・」

二人の兄は、末弟の腕前を認めた。

家を継いだ三男は、上二人の兄を追い出すこともなく、三人仲良く暮らしたという。



ところで、閑話休題。

兄弟が腕のいい大工になっていたら、そもそも家にこだわらずに済んでいたはずだ。

何故ならなかったか。


父親が大工だった・・・からかな、と思う今日この頃です。





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