仙台の朝

石巻を回った後、

仙台に戻り、そこで泊りました。

あるホテルで、

60歳以上は割り引き制度があるというので、

カードを作ることにしました。

「僕、60歳です」と申し立てたところ、

「ひえ～っ！？」と

フロントで驚かれました。

若く見えるんですね

（うひゃ、ひゃ、ひゃあ）。

すっかり気分がよくなり、

夜更かし。

「 Shall　We　ダンス? 」

という邦画を観ました。

この映画、何時か観てやるぞと思っていた作品でした。

「女性をリードするには、遠慮せず、一歩踏み込め」

というメッセージに

なるほどと感心しました。

それと

映画鑑賞の後にあった、

山本晋也監督の解説が面白かったです。

この映画のリメーク版に出演したリチャード・ギアーが

周防正行監督に

――旦那さんは、なぜ奥さんを連れて

ダンス教室に

通おうとしなかったのか――

と理由を尋ね、しつこく食い下がったそうです。

日本人なら、特に男なら、訊かない質問と思いました。

日米の文化の違いと言うべきなのでしょうか、

ちょっと驚く逸話でしょ？

また、竹中直人さんが

演じた直角に曲がるステップなど、

実際にはラテン音楽の踊りとして存在しないそうです。

竹中さんの考えた踊りの振り付けなんですね。

そう言えば、

時代劇で侍が直角に曲がります。

それにヒントを得た動きだったんだろうと思います。

ラテンと言いながら、

実は、とても日本的な身のこなしだったようです。

それをそうと感じさせないのは、

形に囚われない

竹中直人という俳優の、

独創性あればこその演技だからでしょう。

旅先での

こういう学び、感動は、

楽しいです。

翌朝は、

８時過ぎまでベッドにいました。

それから

遅めに食事を済まし、

青森に行くことにしました。