岩波「世界」6月号に
山口修氏が
「読者談話室」
に詩を寄稿されていました。
この人、肩書が46歳・無職となっておりましたが、
詩人以外の何者でもないと思いました。
胸打たれました。
以下、一部引用させて頂きます。
―――***―――***―――
「呼び声」
粉々に砕かれた過去をガレキが
覆い
ツナミは未来を束ねて
―ひとつひとつ数えもせずに―
呑みこんでいった
平静に戻った海はしかし決して
返しはしないだろう
そこにいるのは立ちすくむ人
しゃがみこむ人
残されたのは 現在
あるのは 今
見えない母へ 見えない夫へ
少女の泣き声は叫びではなかった
妻の嗚咽は嘆きではなかった
呼んでいた
見えない母を 見えない夫を
呼んでいた
山口修氏が
「読者談話室」
に詩を寄稿されていました。
この人、肩書が46歳・無職となっておりましたが、
詩人以外の何者でもないと思いました。
胸打たれました。
以下、一部引用させて頂きます。
―――***―――***―――
「呼び声」
粉々に砕かれた過去をガレキが
覆い
ツナミは未来を束ねて
―ひとつひとつ数えもせずに―
呑みこんでいった
平静に戻った海はしかし決して
返しはしないだろう
そこにいるのは立ちすくむ人
しゃがみこむ人
残されたのは 現在
あるのは 今
見えない母へ 見えない夫へ
少女の泣き声は叫びではなかった
妻の嗚咽は嘆きではなかった
呼んでいた
見えない母を 見えない夫を
呼んでいた
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