のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

山口 修・作 「呼び声」 

2011年06月17日 10時20分12秒 | Weblog
岩波「世界」6月号に

山口修氏が

「読者談話室」

に詩を寄稿されていました。

この人、肩書が46歳・無職となっておりましたが、

詩人以外の何者でもないと思いました。

胸打たれました。

以下、一部引用させて頂きます。

―――***―――***―――

「呼び声」

粉々に砕かれた過去をガレキが

覆い

ツナミは未来を束ねて

―ひとつひとつ数えもせずに―

呑みこんでいった

平静に戻った海はしかし決して

返しはしないだろう

そこにいるのは立ちすくむ人

しゃがみこむ人

残されたのは 現在

あるのは 今

見えない母へ 見えない夫へ

少女の泣き声は叫びではなかった

妻の嗚咽は嘆きではなかった

呼んでいた

見えない母を 見えない夫を

呼んでいた

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