連日、福島第一原発の報道で
今後どうなるのかと、心配されている方が沢山いることでしょう。
思うに、不安になる原因の一つとして、
報道する際の科学的姿勢を挙げられます。
たとえば、
「ただちに健康に影響するレベルではない」
と述べるがごとし。
そんな説明を受ければ、
(きっと、後々影響を受けるんだ)
と判断してしまいます。
この問題、実は、
被ばくの合計量に関係します。
100ミリシーベルト以下ならば、
将来がんになる確率が高まることはないそうです
(毎日新聞、3月18日付朝刊、斗ヶ沢秀俊文・「記者の目」)。
しかし、こんな情報、一般の人は知らないのです。
科学的には正確でも、
上のような言い方は、かくして風評を生む温床にしかなってません。
昨日、テレビを見ていたら、
福島から滋賀に逃れてきた人のことが伝えられていました。
その人いわく、
「『ミリ』や『マイクロ』何とかと説明されても分りません。
不安になるだけの話です。だからここに来ました」
ということでした。
僕も分らなかったので、調べました。
「マイクロ」とは「ミリ」の1000分の1の単位らしいです。
自分の無知を晒しましたが、
知識量が不足する、このような情報の受け手の傾向を、
情報を発信する側の皆さんには是非、理解しておいて頂きたいです。
さて、科学的姿勢と言えば、その姿勢の顕著な
枝野幸男官房長官の
「東京電力福島第一原発3号機周辺で、
1時間当たり400ミリシーベルトの放射線が検出された。
これは健康に影響に及ぼす数値」
という発表は、
とりわけ多くの人を深刻な不安に陥れたようです。
もちろん、長官は、入手した情報に驚き、その気持ちのままに発表されたわけでしょう。
正直な方とは思います。
ただ、後で、別の事柄が判明しました。
つまり、長官が触れたのは、3号機の損傷個所のがれき付近で測定された特殊な数値で、
同じ敷地内でも第一原発正門の
放射線量は、10ミリシーベルトということでした。
しかし、せっかく別の情報が報道されても、注意惹起がどれほどの人に届いたでしょう。
初めの官房長官の口から出た情報が
後に判明した情報を覆い隠したのではないでしょうか。
テレビなど、
大衆が視聴するメディアでは、
何を知るべきなのかを
正確に伝えることが大切です。
そして伝えるべきは、
専門家が考慮すべき“特殊な数値”ではなく、
一般庶民が危機に対応するため、参考とするに足る“妥当な数値”です。
その情報を得るには
一旦、引いてみる、
譬えて言うなら
「動の中の静を見る」
という態度が有効なようです。
科学は、生起する現象の「動」を見ます。
しかし、今求められているのは科学的知見ではなく、
行動の指針となる知恵です。
その知恵は、落ち着いた冷静な状況把握から生まれます。
ところで、政府は、
東電から届く情報に不信感を募らせていたと言います。
ですが、一方、福島県のモリタリングで測定された数値は、
昨日、17日夕までの最高線量は最大でも30マイクロシーベルト以下で、
多くは2~5マイクロシーベルトだったそうです。
後者の、この目立たない、気抜けしそうな情報こそ、
動の中の「静」として尊重されるべき数値なのではなかったでしょうか。
ジャーナリストの斗ヶ沢氏は、30マイクロシーベルトという
この最大値につき、
230時間にわたって放射能を浴び続けても
CTの検査を一回を受けた程度という旨、述べられます(上記記事参照)。
慌てて逃げたり、被災地の人を隔離する必要があるでしょうか。
(そんなこと言っても、
最悪の事態が起こったらどうするんだ)
と反論なさいますでしょうか。
考えてみて下さい。
チェルノブイリ事故とは違うのです。
かの事故は、
核分裂が制御できなくなって起きた事故です。
こちらは、
原発が自動停止して核分裂反応を制御しました。
同じであるわけがないのです。
ということは、
最悪の事態が起き、格納容器内の圧力が高まって、
内部の放射性物質が飛び出したとしても
多くは敷地周辺にとどまるだろうと予想しえます。
また、その場合、
放射線量は「距離の自乗に反比例する」という
物理法則を思い出すべきです(注、この考え方修正を要するようです。
下記、リンクさせた記事を是非参照してください)。
東京の人が内心、恐れているかもしれない“首都圏壊滅”
はありえそうもありません。
東電関連の会社の作業員、警察、自衛隊、消防の方々などが
今、懸命に燃料棒の冷却化に対処して下さってます。
それこそ、命がけの作業であるに違いないです
冷静に事態を見守ろうではありませんか。
とりあえず今現在、
僕が述べた知恵の維持は、最重要事項です。
この知恵の維持、簡単そうに見えて、そう簡単ではないのは、
本当の勇気が必要だからでしょう。
しかし、被ばく風評のため、
被災者に届くはずの灯油等の支援物資の運搬に支障が生じているというのは、
とても不合理で胸が痛みます。
お互い、風評に流されないようにしましょう!!!
※注 「放射能の強さは、距離の逆自乗・逆三乗で減るか」
今後どうなるのかと、心配されている方が沢山いることでしょう。
思うに、不安になる原因の一つとして、
報道する際の科学的姿勢を挙げられます。
たとえば、
「ただちに健康に影響するレベルではない」
と述べるがごとし。
そんな説明を受ければ、
(きっと、後々影響を受けるんだ)
と判断してしまいます。
この問題、実は、
被ばくの合計量に関係します。
100ミリシーベルト以下ならば、
将来がんになる確率が高まることはないそうです
(毎日新聞、3月18日付朝刊、斗ヶ沢秀俊文・「記者の目」)。
しかし、こんな情報、一般の人は知らないのです。
科学的には正確でも、
上のような言い方は、かくして風評を生む温床にしかなってません。
昨日、テレビを見ていたら、
福島から滋賀に逃れてきた人のことが伝えられていました。
その人いわく、
「『ミリ』や『マイクロ』何とかと説明されても分りません。
不安になるだけの話です。だからここに来ました」
ということでした。
僕も分らなかったので、調べました。
「マイクロ」とは「ミリ」の1000分の1の単位らしいです。
自分の無知を晒しましたが、
知識量が不足する、このような情報の受け手の傾向を、
情報を発信する側の皆さんには是非、理解しておいて頂きたいです。
さて、科学的姿勢と言えば、その姿勢の顕著な
枝野幸男官房長官の
「東京電力福島第一原発3号機周辺で、
1時間当たり400ミリシーベルトの放射線が検出された。
これは健康に影響に及ぼす数値」
という発表は、
とりわけ多くの人を深刻な不安に陥れたようです。
もちろん、長官は、入手した情報に驚き、その気持ちのままに発表されたわけでしょう。
正直な方とは思います。
ただ、後で、別の事柄が判明しました。
つまり、長官が触れたのは、3号機の損傷個所のがれき付近で測定された特殊な数値で、
同じ敷地内でも第一原発正門の
放射線量は、10ミリシーベルトということでした。
しかし、せっかく別の情報が報道されても、注意惹起がどれほどの人に届いたでしょう。
初めの官房長官の口から出た情報が
後に判明した情報を覆い隠したのではないでしょうか。
テレビなど、
大衆が視聴するメディアでは、
何を知るべきなのかを
正確に伝えることが大切です。
そして伝えるべきは、
専門家が考慮すべき“特殊な数値”ではなく、
一般庶民が危機に対応するため、参考とするに足る“妥当な数値”です。
その情報を得るには
一旦、引いてみる、
譬えて言うなら
「動の中の静を見る」
という態度が有効なようです。
科学は、生起する現象の「動」を見ます。
しかし、今求められているのは科学的知見ではなく、
行動の指針となる知恵です。
その知恵は、落ち着いた冷静な状況把握から生まれます。
ところで、政府は、
東電から届く情報に不信感を募らせていたと言います。
ですが、一方、福島県のモリタリングで測定された数値は、
昨日、17日夕までの最高線量は最大でも30マイクロシーベルト以下で、
多くは2~5マイクロシーベルトだったそうです。
後者の、この目立たない、気抜けしそうな情報こそ、
動の中の「静」として尊重されるべき数値なのではなかったでしょうか。
ジャーナリストの斗ヶ沢氏は、30マイクロシーベルトという
この最大値につき、
230時間にわたって放射能を浴び続けても
CTの検査を一回を受けた程度という旨、述べられます(上記記事参照)。
慌てて逃げたり、被災地の人を隔離する必要があるでしょうか。
(そんなこと言っても、
最悪の事態が起こったらどうするんだ)
と反論なさいますでしょうか。
考えてみて下さい。
チェルノブイリ事故とは違うのです。
かの事故は、
核分裂が制御できなくなって起きた事故です。
こちらは、
原発が自動停止して核分裂反応を制御しました。
同じであるわけがないのです。
ということは、
最悪の事態が起き、格納容器内の圧力が高まって、
内部の放射性物質が飛び出したとしても
多くは敷地周辺にとどまるだろうと予想しえます。
また、その場合、
放射線量は「距離の自乗に反比例する」という
物理法則を思い出すべきです(注、この考え方修正を要するようです。
下記、リンクさせた記事を是非参照してください)。
東京の人が内心、恐れているかもしれない“首都圏壊滅”
はありえそうもありません。
東電関連の会社の作業員、警察、自衛隊、消防の方々などが
今、懸命に燃料棒の冷却化に対処して下さってます。
それこそ、命がけの作業であるに違いないです
冷静に事態を見守ろうではありませんか。
とりあえず今現在、
僕が述べた知恵の維持は、最重要事項です。
この知恵の維持、簡単そうに見えて、そう簡単ではないのは、
本当の勇気が必要だからでしょう。
しかし、被ばく風評のため、
被災者に届くはずの灯油等の支援物資の運搬に支障が生じているというのは、
とても不合理で胸が痛みます。
お互い、風評に流されないようにしましょう!!!
※注 「放射能の強さは、距離の逆自乗・逆三乗で減るか」
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