のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

ワークシェアリング

2009年07月03日 19時49分44秒 | Weblog
 行政と労使の3者会議のあり方につき、考えさせられました。日本だと、危機に直面すると、敵対勢力を分断したり、弱体化させるいい機会にされます。オランダでは、敵対勢力と和解する好機と受け取られるようです。

 オランダ病と言って、オランダは昔、不景気の代表国でした。その国が1982年、3者間で合意を行って、“奇跡”と呼ばれる経済復興を成し遂げました。その特効薬になったのがワークシェアリングの考え方でした。

 合意形成に当たって、この政策に国家を挙げて取り組むことで、よって生じる労働者側の賃金の低下に対する不安には減税をもって、使用者である企業側の福祉コストの増大に対する懸念には財政支出をもって対処することにして、不安を払拭したとのことです。経済復興を成し遂げた今でも、年2回、3者で会合を開き、経済情勢などを話し合っているそうです。その際、席の位置は、机をはさんで、一方の側に行政の代表が座り、他方の側には労使双方の代表が肩を並べて座るそうです。こんな具合です。

        机
      |   |
      |   |財界の代表
政府   |   |
 代表  |   |労働者の代表
      |   |
             
 インタビューに応じていた労働運動の代表者が「我々は、真実を求めていない。労使双方ともに利益を求めているのです。互いの主張をすり合わせ、妥協点を見出すことが大切なのです。相手への信頼がその見通しを支えます」と言っていたのがとても印象的でした。

 この国、ユニセフの「子ども幸福度調査」で世界1位になっただけのことはありますね。大人が対話のいい見本を見せているようです。

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4 コメント

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底上げ…でしょうか? (kacchann)
2009-07-03 20:45:06
見たかったけれど、見られなかった番組…(テレビ番組でしたかしら?)
つまり、大企業が賃金カットや、リストラで、企業のみ利益を得ても、経済全体は成長しない。ということでしょうか?少し前の日本の企業収益増加!は、幻の好景気なんですね。
賃金低下には、減税を!
福祉コスト増大には、財政支出を!
という事は、財政的には、税収が減り、財政支出は増える。
??? 余計に国の財政は苦しくなるように思えるのに…。
個人が少しづつ皆暮らせる(税金を納める)方が、経済復興につながる?という事ですか…。
労使双方共の利益!これが、ポイントなんですね。

忠太さん、教えて下さってありがとうございます。
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対話の重要性 (miitan)
2009-07-03 21:05:06
対話で生まれる色々な問題点を対話による解決する事の重要性は色んな場面で起きる事だと思います。労使間だけではなく親子、友達、人と人の関係にあって、話すことの重要さは身に染みて感じます。今の国会での遣り取りは決して、対話しているとは思えないですね。対決していては、物事解決しにくいのではと思います。TV中継などを見ていると空しさすら感じる、彼らがこの日本を動かして居ると思うと空恐ろしい感じすら覚えます。
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☆kacchannさんへ (忠太)
2009-07-04 00:08:51
テレビ番組です。NHKハイビジョン放送です。さて、僕も同じ疑問を持ちました。しかし、ご推測の通りです。
個々の労働者は、勤務時間が減るため、収入減となります。誰だって生活の質は落としたくないから、派遣の人との共存を図りたくありません。しかし、税金が低くなれば、生活の質は維持しえます。そして、解雇された大量の派遣の人が再就職することで、消費の需要が拡大されます。企業にとっては、好景気、つまり、よく物が売れる状態になるわけです。ただ、福利厚生などで、増えた社員のため負担を強いられます。そのまま放っておけば、企業の競争力が下がります。そこで、それに対する手当として国が補償を行うわけです。財源は? というと、今まで路上に放り出され、無収入者としてホームレスにならざるを得なかった人たちの支払う税金です。このようにしてお金の動きが活発化し、本格的な経済復興がなされたようですね。
オランダでは、夫婦共働き、フルタイムで得る所得を2とすると、双方ともパートタイムに切り替え得ると、所得が1・5になるそうです。これを1・5モデルとか言って、国を挙げて推奨したわけですね。オランダで初対面の人相手に自己紹介するとき、週何日働いているかを話すそうです。八百屋であるか、ITの専門家であるか否かといったようなことはどうでもいい、と言い切っていました。
その方が日本に来て、オランダ流義で「自分は週4日働いている」と言うと、見下すような態度を取られたらしいです。
日本でワークシェアリングを導入しようとするには、職業紹介の際、そのような業種でし切って行く考え方を、まず捨てねばならないでしょうね。国民全体の意識改革が迫られているところと思います。
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☆miitanさんへ (忠太)
2009-07-04 00:15:11
おっしゃる通りです。「妥協」というと、「純粋でない」というマイナス面に目が行きがちですが、“対決ありき”だけでは、国民は疎外されたままです。国民にそっぽを向いている、という印象さえありますね。政治家の先生には何とかしてもらいたいです。
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