のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

「休憩」は何のため?

2009年09月23日 02時44分44秒 | Weblog
 西日本初の裁判員裁判が9月7日~9日の3日間、神戸地裁で開かれました。求刑5年で、争点は執行猶予がつくかどうかでした。下された判決は、懲役3年と刑期が短いだけでなく、執行猶予も付きました。明らかに厳罰傾向まっしぐらな裁判員制度にあって、異例と言ってよい内容でしょう。
 しかし、この判決は、マスコミの批判対象になりました。裁判員による被告人質問の直前、「休憩」と称して、東尾龍一裁判長が裁判員を引き連れて法廷から消えたからです。30分ほどの休憩時間に、裁判員の質問を事前にチェックしたのではないかと、勘ぐられたわけですね。
 被告人は、74歳の父親を灰皿で殴り怪我をさせ、自殺を図った40歳の男性でした。被害者である父親は息子を許していました。
 思うに、温情判決を下す絶好の機会でした。質問の事前チェックを受けたというより、そもそもどういう問いを発すれば被告に有利な発言を引き出せるのか、という点につき簡単なレクチャーがあったのではないか、よく言えば、それによって裁判員の厳罰傾向に歯止めをかけたのです。悪く言えば、裁判員をコントロールしたということです。もちろん、本当のところは、全て守秘義務との関係で霧のかなたですが…。
 民主主義は、必ずしも道義的に正しいわけではありません。ただ、必要なレクチャーならば、もっとみんなに見える形でやって欲しかったです。秘密裏に事を進めると、あらぬ誤解を招く元になるだけなような気がしました。

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2 コメント

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Unknown (けろろ)
2009-09-23 10:04:46
素人(?)なので、とんちんかんなこと言ってたらごめんなさいね。

裁判員がレクチャーしたかどうかは分からないけど、疑われても仕方がないですよね。

ただ、そもそも裁判員が民間から選ばれた意味がないと思いません?
事件の経緯を客観的にみて、自分の思ったことを思ったままに質問してこそ意味があると思うんですが…。
そうでないと、いつまでも「裁判」というものが身近にならないと思うんですよね~。
そして「知らんし~」「関係ないし~」という政治同様無関心な人達(私も含め、自戒を込めて)が増えていくと思うんですが…

なんか、すいません。うまく言えなくて…
政治にも、裁判にも、参加することがない者が言うてることです(笑)
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レクチャーの中身 (忠太)
2009-09-23 23:25:03
裁判員にさせたい質問があるなら、自分でしたら、ということです。「見て学ぶ」が学習の基本です。レクチャーというのは、確かに穏当な表現ではなかったですね。けろろさんは、法令遵守を強制する立場の人が法令遵守しなくていいのか? ということがいいたかったのでしょ。分かりま~す。
ただ、この間の裁判員の裁判の様子をテレビを通して見るにつけ、裁判員の思考停止を感じるのですよ。検察官の欲するままの判決を下し、刑事事件の厳罰化に一役買っているとしか言えないのではないでしょうか。
誰かがその傾向を抑止するとして、誰がいます? マスコミは、裁判員を赤ん坊扱いして、「えらいですね~。プロの裁判官なら、できない質問してましたね」みたいなことを言って褒めあげているだけです。プロなら、なぜ訊かないかの分析がまるでないでしょう。なんか異常と思います。
マスコミも当てにならないとすると、頼みの綱は裁判官かな、と思います。この際、裁判官のみなさんには裁判員のレベルまで降りてきてもらって、訊かずもがなのことでも、あえて質問をし、被告人の事情を斟酌する方向に裁判のかじの取り直しをしてもらいたいものです。
ますます厳罰化するかな…
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