のんきに介護

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チェルノブイリ原発事故による放射能汚染

2011年06月17日 19時14分09秒 | Weblog
魚介類がどの程度、

汚染されたかを調べるには、

一定の時間の経過が必要なようです。

チェルノブイリ原発事故があったのは1986年4月です。

2年後、黒海産のマグロを

空輸する記事が

5月15日付の毎日新聞経済面に載ったそうです。

一個3000円の寿司(にぎりかな)になると言うから、

高級品です。

この件について

水口憲也東京海洋大学名誉教授は、

「放射能汚染が心配だったら

金持ちは自分で検査すればよい」

と話されたそうです

(水口憲也・文「海のチェルノブイリ」(岩波「世界」6月号所収)参照 )。

日経新聞の記者が

チェルノブイリ事故直後、

「輸入物を調査したが、

放射能は検出されていない」

と報告したことを根拠にされていたようです。

「(結論を出すには)まだ早すぎたのだ」として、

今は、そのマグロは

高濃度に放射能を濃縮していた可能性があった

と認めていらっしゃいます。

福島第一原発事故後、

黒海の放射能汚染について

調べてみたところ、

2000年4月、

トルコの核研究訓練センターの

サヤ―ン・トプジュオールがIAEAに次のような

報告を行っていたようです。

浮魚や低魚のヨウ素131、

セシウム137、ルテニウム106などの

総ガンマ線量の高いレベルは、

1986年5月には

キロ当たり37~65ベクレルであった
」と。

短いでしょ。

これで全文です。

こんな要約文のようなものでさえ、

論文です。

公表は、

2年間禁止されていたと言います。

日本人研究者などは、

そもそも調査を許されなかったそうです。

それを思うと、

希少価値のあるのは確かですが…。

さて、日本の水産庁のホームページにおいて、

大昔の

論文から恣意的な引用をして

放射能には生物濃縮はないと強弁されています。

しかし、調査に後ろ向きな原発推進国、

特に事故当事者国に

生じやすい、上述したような秘密主義が土台にあり、

素直に頷きえないものがあります。

濃縮には

時間がかかり

海洋生物環境研究所によると、

チェルノブイリ事故による

「セシウム137の最大濃度出現時期は、

表層水では事故から1ヶ月後、

スズキでは5~6ヶ月後、

マダラでは約9ヶ月後であった」と言います

(海生研ニュースNo95、2007年7月)。

早すぎる調査は駄目ってことです。

そして、大きな魚であるほど出現時期が後にずれる

と言うのは、

濃縮が起きていると考えた方が

自然だということを示唆しているのではないでしょうか。

ちなみに、このデーターにつき、

水口先生は、

スズキの濃縮係数につき

約100倍と推測されています。

なお、独立行政法人放射線医学総合研究所〈放医研)で、

那珂湊放射生態学研究センターが

海洋における

環境放射能の挙動およびそれによる被ばく線量の推定に関して、

国の唯一の機関として、

生態学的な調査研究を行ってきました。

しかし、平成22年度をもって

廃止されました。

なぜ、本年3月で調査研究を打ち止めに

したのでしょう。


チェルノブイリのとき、

上に掲げた論文が

2年間も公表が許されなかったこと等を

鑑みて、

実態を隠そうとする

日本政府の意思を感じます。







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