のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

家計貯蓄がマイナスになるのを放置していれば――。

2015年01月11日 03時54分53秒 | 経済生活
ハイパーインフレの定義は、

高橋洋一という

自称経済学者によると、

「ハイパーインフレは物価が130倍以上になること」だそうだ

(サイト「阿修羅♪」にある「ZAKZAK」の転載記事、「誤った経済主張にだまされるな!増税、インフレ…」参照。*http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/395.html)。

130倍以上かどうかなど、歴史上の「高度なインフレ率」の記録に過ぎない。

この人は、

ハイパーインフレ率を語るとき、

「1930年代の大恐慌において、米国や日本の歴史事実を見ても、名目金利の上昇は見られなかった」などと述べ、

なぜ、ハイパーインフレが起こった第二次世界戦後の日本やドイツの例をスキップし、

1930年代大恐慌まで遡るのかが明らかでない

(サイト「窓際記者の独り言」の記事、「高橋洋一氏の不思議なインフレ目標政策擁護論」参照。
http://fukutyonzoku.blog.fc2.com/blog-entry-30.html)。

要するに、

失礼ながら、この人、

数字と年代を細かに暗記して

「はぁ」と返事でもしようものなら

「こんなことも知らないの?」という衒学者ではないか。

いかにも、分ったような顔して、

自分の願望を事実として喋り捲るタイプと見た。

庶民が

不安に思っているのは、

物価が130倍に跳ね上ることではない。

自分の貯蓄が

無価値なものに帰する事態を恐れているのだ。

その不安を

どう具体的に取り除けるかを提起出来もしないで、

この人は、言う。

貨幣発行量を減らせばいいんだ、と。

しかし、太平洋戦争時、

政府は、

ブレーキをかけずに済む方法に気を配り、

「日本は神国」神話で、

厳しいしい現実を直視せず

嘘で開戦の失敗をごまかすのに必死だった。

同じことを

繰り返すのかと言いたい。

この点、

「平成25年度国民経済計算確報」

なる経済指標が参考になる。

サイト「図録主要国の家計貯蓄率の推移」に

日本のGDP統計(内閣府)における家計貯蓄率の公式数字(年度ベース)の推移を

グラフ化したものが掲げられている。



☆ 記事URL:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4520.html

前にも

平成23年度の家計貯蓄の落ち込みについて触れた

(拙稿「家計貯蓄率 ~ 2013年の貯蓄率は、1955年度以降初めてマイナス」参照。
http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/8e20c7d19d41dda65f2e2652cc4beeda)。

しかし、

家計貯蓄がマイナス3・7兆円になり、

家計貯蓄率はマイナス1・3%になったという、

データを軽く見るべきではない。

すなわち、

この数値こそ、虎の子の貯蓄を取り崩して

生活をしている

国民の惨状を示しているものだからだ

(下記〔資料ー1〕参照)。

貯蓄が

ゼロに転落したものから順次、飢え死んで行くことになるのだ!

国民資産1600兆円の内、

富裕層の資産を除けば、

わずか400兆円を庶民が分け持っているとのこと

(S ・Kuroda‏@kuroda06sayuri さんのツイート〔10:29 - 2015年1月9日 〕参照)。

残り時間は、

そんなに多くない。

ハイパーインフレが元の物価の130倍だとかいう

空論を振り回す前に、

400兆円が政治の名において搾り取られようとしている、

その現実を直視すべきと思う。

危機が迫り、

5日付の読売新聞が

初めて

アベノミクスに対する批判を紹介したという。

いわく、野党などは、アベノミクスで大企業と中小企業、

都市と地方の格差が拡大していると批判する云々。

しかし、この新聞社が

示した処方箋は、

内部留保した資金を投げ出せという内容だ。

それは、

日刊ゲンダイにコメントを寄せている

立教大の郭洋春氏が

指摘するように

「この国の経済にまだまだ伸びしろがあった40年前の発想」なわけだ。

すなわち、現実的じゃない。

にもかかわらず、

この読売の社説に呼応するように

麻生太郎財務相が

企業の内部留保が増加していることについて

「まだお金を貯めたいなんて

単なる守銭奴に過ぎない」と言い放ったとのことだ

(下記〔資料ー2〕参照)。

ガス抜きのつもりで放言したのだろうか。

これは、

大企業サイドからすれば、

「命を捨てろ」

と言われて捨てるのか

という問題だ。

結局は、

一応は言ってみたという

麻生某の

自己満足に終わる。

企業は、

「金を生む」

という旨みのある話でなければ

出資などしない。

それが資本の論理だ。

こういう発言に淡い期待を寄せる者は、

アベノミクスという

根拠の無い希望にすがって、

滴り落ちる利益を求め

大きな口を空けて待っている愚を犯すのと同じだ。

待っている内に、

地面が割れて戦争に刈り出される

顛末となるだろう。

実情では、のんびりしていられないのだ。

直ちに政策転換しないと

取り返しがつかなくなってしまう。



〔資料ー1〕

「アベノミクスを続けたら不況脱出は無理 今年の景気見通しをマトモな専門筋が読む」

   日刊ゲンダイ(1月9日付〈8日発行〉)










〔資料ー2〕

「麻生発言でガ然注目度アップ 大企業守銭奴ランキング」

   日刊ゲンダイ(1月9日付〈8日発行〉)


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