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福島第一原発の事故証言――アメリカ原子力規制委員会(NRC)チャールズ・カスト氏

2012年05月20日 00時01分11秒 | Weblog
アメリカCBSニュース (3月16日)

【 福島第一原発の事故証言 – 現場に居合わせたアメリカ原子力規制委員会(NRC)の専門家 】
「確実な検証を行うためには、数年はかかる」

という記事の転載をします。

訳者は、サイト 「星の金貨プロジェクト」

小林順一氏です。

動画並びに原文は、

最下段のURLをクリックすれば

見れます。

ここで、

僕が覚えておきたいと思う要点は、

チャールズ・カスト氏という、

事故当時、

吉田所長に招かれ

傍にいた

アメリカの原子力規制委員会(NRC)の専門家の証言です。

この人によると、

海水の注入を命じたのは、

吉田所長の独断と明言してます。

東電がその措置を

追認しなかったのは、

原子炉が

使い物にならなくなるのを恐れたからでしょう。

しかし、国会では

海水注入の意味を誤解し、誤った判断の下、

再臨界を恐れた管前首相が

海水注入を阻止しようしたのだとして、

この問題が

取り上げられていました。

これって、

多分、東電の管前首相への

責任のなすりつけの結果なのでしょうね。

もし、前首相が

一枚噛んでいたのなら、

直接に電話による指示をしたはずです。

また、当然、このCBSニュースに

名前が挙がっていたでしょう。

“東電の首脳陣が指示した”

という証言の

背景にある事情として

説明がなされたと思われます。

こういうことからして、

東電がした現場からの退避の容認要請も、

実質的には、

ただの責任放棄だった・・・

前首相から責められたので

取繕ったまでで、

人命が尊いという配慮から

不要な東電社員の一部撤退を前首相に申し出た

ということではなかったのですな。

この点に関して、

僕は、考えを改めることにします。

小林氏が

指摘されておられますように

ザ・インデペンダント(英国)の記事

http://kobajun.chips.jp/?p=2283

の通りなんでしょう。

すなわち、事態が手が付けられなくなるや、

――東京電力は、

事故を起こしている6基の原子炉と、

恐ろしい規模の殺戮と

汚染を起こす可能性があった7つの使用済み核燃料プールを

放棄しようとした――のです。

東電幹部って、

心底、浅ましい人たちと思います。


【(文字書き起こし)翻訳記事転載】

一年前の3月16日、 増え続ける放射線量によりほとんどの緊急作業員は福島第一原発から避難を始めました。
5日前に襲った巨大津波は3基の原子炉で一斉にメルトダウンが起 きるという、かつて経験したことの無い緊急事態を引き起こしました。

事故現場に送り込まれた専門家の中に、かつての原子力発電所技術者でありアメリカ原子力規制員会に籍を置くチャールズ・カストがいました。
彼はこうした事例におけるアメリカ最高の専門家ですが、期せずして歴史の目撃者となりました。
CBSニュース・アンカーのスコット・ペリーは、彼から当時の様子を聞き出すことができました。

「それはサンフランシスコ大地震、ハリケーン・カトリーナ、そして3倍の規模のスリーマイル島事故が全部一緒にやって来たような体験でした。」
チャールズ・カストはこう語り始めました。

福島第一原発には6基の原子炉があり、それぞれ冷やし続けるためウラン燃料が水を満たした格納用プールの中に沈められていました。
これらの設備は高さ5.5メートルの津波が襲った場合でも、持ちこたえるように設計されていました。
しかし3月11日に襲った津波の高さは14メートルに達したのです。
冷却システムは使えなくなり、原子炉の炉心は溶融し、建屋の爆発が起きました。

ペリー「現場では事故状況に関する情報を把握できていましたか?」
カスト「まったくできていませんでした。津波と事故によりほとんどの機器が使用不能の状態で、間接的に入ってくる情報しかありませんでした。」
ペリー「まず知りたかったのはどんなことだったのでしょう?」
カスト「何もかも、すべての情報を必要としていました。」

カストのチームはこうした状況の中で首都ワシントンにいるスタッフと電話会議を行いました。
「この時点で私が言えることは、さらに事態が悪化すれば最終的にメルトダウンが起きる、ということだ。だから格納容器内の圧力を下げるために、まずどこかを開き、何らかの形で排気を行う必要がある。」
そして最悪の事態が現実のものとなりました。カストのチームは福島第一原発の吉田正夫所長に導かれ、放射能の防御機能を持つ指令センターの中に入りました。

この間にも事態はますます悪化し、吉田所長は原子炉を海水で冷やそうとしました。

しかし、東京電力の首脳部はこの案を拒否したのです。

ペリー「福島第一原発の事故が今よりも一層ひどい巨大災害になら なかった、その運命を分けた瞬間はいつでしたか?」
カスト「吉田所長が原子炉に海水を注ぎ込んだ、あの瞬間です。」
ペリー「海水を注ぎ込んだ処置は正しいと、すべての人が賛成したのですか?」
カスト「だれも賛成した者はいませんでした。」
ペリー「しかし吉田所長は独断で海水の注入を決断したのですね?」
カスト「その通りです。」
ペリー「日本的とは思えない対応でしたね。」
カスト「そうです、彼がとった行動は原子力発電所の責任者として最もふさわしいものでした。」

しかし東京電力の首脳陣は、吉田所長に海水の注入をやめるよう命令しました。

彼は承諾したと答えましたが、実際には海水の注入を続けました。
今では世界中が認めていることですが、もし吉田所長が東京電力本社の命令に素直に従っていたら、原子炉の炉心は融け落ち、計り知れないほど多量の放射能を放出しながら、地表のあらゆる場所に入り込んでしまったことでしょう。

カスト「現地の惨状に関しては、自分自身で現場に行ってビデオカメラなどですべてを記録してこないと、本当は何が起きていたのか理解できないと思います。」
ペリー「どれぐらいの時間がかかりますか?」
カスト「何が起きたのか、すべてを検証し明らかにするためには数年はかかります。」

日本政府は福島第一原発について、『冷温亭状態』が達成されたと宣言しました。
そして現在日本国内に50以上ある原子力発電所は停止したままですが、これらをどうするか、という問題がこの国の将来に大きくかかわってきます。

チャールズ・カストは丸一年福島第一原発の事故現場に留まり続けましたが、彼とアメリカ原子力規制委員会が得た教訓は、アメリカ国内の原子力発電所の安全管理に反映されています。

http://www.cbsnews.com/8301-18563_162-57399122/u.s-nuclear-expert-recounts-fukushima-disaster?tag=currentVideoInfo;videoMetaInfo

                                  以上

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