前置きなしに、今まで認知症の“問題行動”を話題にしてきました。しかし、医療の専門家の間では、この表現は、実はもう使用されてないようです。何故かというと、認知症高齢者に即して、行動を捉える限り、問題行動どころか、適応行動と言えるからです。すなわち、体調による徘徊で記したように、便秘に伴う不快感を示す兆候であったりするわけです。このように起因する要因を特定することで認知症高齢者の行動を合理的な反応として理解し得ます。
では、体調のような生理的・身体的な要因以外では、どのようなものが考えられるでしょうか。具体的には、環境的な要因の問題です。
この要因には、大雑把に物的なものと人的なものに区別し得ます。前者では、たとえば、オーディオの音を例としてあげられるでしょう。これらの音が高齢者には脅迫的に響くときがあるのです。音量が小さければいいということではありません。音にも方向性があります。しかし、それを正確に認識するだけの空間認識が十分でないため、異様な圧迫感を与えたりするわけです。耳の障害と言えば、普通は難聴を指します。しかし、高齢者との関係では、機能障害の範囲がそれより広いのです。照明の点滅も同じく、やはり空間認識に難点があるために、壁が迫ってくるような錯覚を与え、高齢者をパニックに陥れる可能性があります。壁を押し返すような動作が認められたら、そのようなパニックがただ今、起こっていると考えて、まず間違いありません。後者の人的なものとしては二つの側面から考察が可能です、一つは、個人的な関係においてです。介護者の暴言等が典型例です。もう一つは、社会的な関係においてです。たとえば、たまたまうっかり衆目が集まるところで、入れ歯が出してしまった、若しくは失禁をしてしまった、といった場面を想定して見て下さい。プライドが毀損します。そのような状態のとき、周囲の何でもない無関心な言動、むしろ丁寧でさえある言動が、高齢者の激高を招くことがあります。冷笑されたと感じるんですね。認知症の初期症状としてよく見られる反応なようですよ。
以上、諸要因があって、介護者泣かせの認知症高齢者の行動が見られるということを説明してきました。ここまではよろしいでしょうか。裏返して言えば、どんなに介護者泣かせな行動であっても、理解は可能だということです。その点を踏まえて、医療関係者は、問題行動に代えて「BPSD」という言葉を使うのでしょう。「ブー、プー、スーでい!」と、覚えておかれたらいいと思います。何だかおならのようですね。しかし、その理解でいいのです。世間では、おならのことを、屁とも言います。その「へ」という言い方に介護の秘訣が隠されていると思います。
参考になるかどうかはともかく、僕の「へ」の使い方をお教えします。
うちのお袋は、時折り、僕にこんな質問を投げかけてくれます。
「あんた、誰やったかな」と。
僕は、すかさず「へっ?」と反応。(※ここですよ、ここ!)
「息子やな・・・」自信なさそうに尋ねるお袋に「かもな」と僕。やはり自信なさ気です。
「さっきからずっと考えてたんやけどな、25分ぐらい一緒におるな」
「せやな。後、1分ぐらいは一緒におってもええやろ。26はええ数やで。誰も怒らんのとちゃう(違う)か」
我が家に派遣されるヘルパーさんが笑いを噛み殺しながら、「漫才みたいですね」とよく言ってます。しかし、思います。どんな介護でもいい、自分が辛くなく、それでいて介護の相手を喜ばせてあげたらそれでよしとすべき、と。
では、体調のような生理的・身体的な要因以外では、どのようなものが考えられるでしょうか。具体的には、環境的な要因の問題です。
この要因には、大雑把に物的なものと人的なものに区別し得ます。前者では、たとえば、オーディオの音を例としてあげられるでしょう。これらの音が高齢者には脅迫的に響くときがあるのです。音量が小さければいいということではありません。音にも方向性があります。しかし、それを正確に認識するだけの空間認識が十分でないため、異様な圧迫感を与えたりするわけです。耳の障害と言えば、普通は難聴を指します。しかし、高齢者との関係では、機能障害の範囲がそれより広いのです。照明の点滅も同じく、やはり空間認識に難点があるために、壁が迫ってくるような錯覚を与え、高齢者をパニックに陥れる可能性があります。壁を押し返すような動作が認められたら、そのようなパニックがただ今、起こっていると考えて、まず間違いありません。後者の人的なものとしては二つの側面から考察が可能です、一つは、個人的な関係においてです。介護者の暴言等が典型例です。もう一つは、社会的な関係においてです。たとえば、たまたまうっかり衆目が集まるところで、入れ歯が出してしまった、若しくは失禁をしてしまった、といった場面を想定して見て下さい。プライドが毀損します。そのような状態のとき、周囲の何でもない無関心な言動、むしろ丁寧でさえある言動が、高齢者の激高を招くことがあります。冷笑されたと感じるんですね。認知症の初期症状としてよく見られる反応なようですよ。
以上、諸要因があって、介護者泣かせの認知症高齢者の行動が見られるということを説明してきました。ここまではよろしいでしょうか。裏返して言えば、どんなに介護者泣かせな行動であっても、理解は可能だということです。その点を踏まえて、医療関係者は、問題行動に代えて「BPSD」という言葉を使うのでしょう。「ブー、プー、スーでい!」と、覚えておかれたらいいと思います。何だかおならのようですね。しかし、その理解でいいのです。世間では、おならのことを、屁とも言います。その「へ」という言い方に介護の秘訣が隠されていると思います。
参考になるかどうかはともかく、僕の「へ」の使い方をお教えします。
うちのお袋は、時折り、僕にこんな質問を投げかけてくれます。
「あんた、誰やったかな」と。
僕は、すかさず「へっ?」と反応。(※ここですよ、ここ!)
「息子やな・・・」自信なさそうに尋ねるお袋に「かもな」と僕。やはり自信なさ気です。
「さっきからずっと考えてたんやけどな、25分ぐらい一緒におるな」
「せやな。後、1分ぐらいは一緒におってもええやろ。26はええ数やで。誰も怒らんのとちゃう(違う)か」
我が家に派遣されるヘルパーさんが笑いを噛み殺しながら、「漫才みたいですね」とよく言ってます。しかし、思います。どんな介護でもいい、自分が辛くなく、それでいて介護の相手を喜ばせてあげたらそれでよしとすべき、と。
ブー、プー、スーでい!面白い覚え方ですね。
説明も忠太さんならでのユニークさ♪
本当に楽しく勉強させて頂いてます。
「自分が辛くなく、それでいて介護の相手を喜ばせてあげる」
なるほど大阪人お得意の自慢出来る技ですね。
私も「へっ?」結構使ってるかも・・
とっても参考になりました。
ありがとうございました。
ところで、大阪では「へい」よりは、「へっ?」ですかね。ちょっと間が抜けてますが・・・
怒る人がいるかもしれませんよ~「へっ?」って。
今日は遊びに来て下さって有難うございました。
先日、テレビで芸能人夫婦のドキュメントを見ました。
75才の男優が76才の元女優の妻を介護する番組でした。
認知症って大変な病気だなと思いました。
お体、大切になさって下さいね。
またお邪魔させて頂きます^^*
辛いだろうけど、ある面ではとても羨ましい夫婦ですね。
最初はぷっと吹き出して、そして、次に心が温かくなりました。
そして、涙が出そうになりました。
形は違っても、やっぱり、親子なんですよね。
考えたら、とても切ないです。しかし、老いゆく日々、共に歩ける幸せを感じます。