のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

今、日本の国で何が起こっているか ~ 自衛隊の派遣で迫る危機

2016年11月22日 05時14分23秒 | 日本の現状
「DAYS JAPAN」(12月号(11月19日発売))に

「南スーダンに行く自衛隊」

という特集記事がある。

①「終わらない戦闘の地」と

②「戦えるPKO軍の中で日本は何をするか」

という二つのパートで成り立っている。

非常に分かりやすく、

日本が

何をしに南スーダンに行くか

説明されている。

自衛隊が南スーダンで新任務として

想定されるのは、

「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の二つだ。

その任務を消化するに

相応しいように

派遣される部隊は、

「普通科連隊」と言って

戦闘行為の専門性を習得しているとのことだ。

ニュースでは、

前者のみが脚光を浴びている。

しかし、

自衛隊員が

負傷するとすれば、

後者の任務の最中だ。

まさに戦闘行為に加わることだからだ。

元陸上自衛隊レンジャー隊員の井筒高雄さんによると、

PKOのベースキャンプや宿営地に

避難民が助けを求めて駆け込んでくるような状況で、

彼らを政府軍などが攻撃してきた時に、

交戦したり応戦したりという事態が十分にあり得る

という。

前者については、

あまり心配するほどではない。

戦闘員としては、

自衛隊員はルーキーだから、

そもそも

「駆け付け」てくれとは言わないってことだ。

しかし、人殺しに慣れ、

外国から軍隊として一人前と認められるにしたがって、

需要が生じるだろう。

ところで、

南スーダンでの実践デビューを飾り、

この後、本格的にその需要が生じるところは

どこだろう。

これは、

米国が何を期待して

我が国に自衛隊の派遣を求めたのか

という問題だ。

そもそも、

南スーダンでは何を争っているのか。

これも米国がらみの問題だ。

まずは、それについて述べる。

(一)米国の思惑

「DAYS JAPAN」は、

米国が自衛隊に求めている派遣される先はどこかにつき、

次のように説明していた。

(イ)前出、井筒さんによると、

――(南スーダンでの実践デビューが済めば、イラクに派遣させたいが)その前に、

アフガンにいくことになる。

…9・11後に

「対テロ戦争」としてアフガンに入った米軍は、

アフガンからいまだ撤退できていない。

居続ければそれだけお金がかかってしまう。

「だからアメリカは米軍を撤退させる代わりに自衛隊を入れたいのです」―—

(ロ)南スーダンにおける米国の利害

これを理解するには、

歴史的背景を頭に入れておく必要がある。

「DAYS JAPAN」には、

――(米国が)イラクに軍事介入した結果、中東が大混乱し、

中東からの石油の供給が

不安定化する可能性に直面していたアメリカは、

07年、「アメリカ・アフリカ軍(AFRICON)」を立ち上げ、

アフリカ戦略に本腰を入れ始めた――

と書いてあった。


(二)米国を受け入れる南スーダンの事情

世界で一番新しい国「南スーダン」側としては、

そんな米国につけ入れられる事情として、

権力争いがる。

内戦が絶えず、闘いは日常化し、国連の報告によると400万人以上が

深刻な飢餓状態にあるという。

この新しい国はいつできたのか――。

2011年7月9日らしい。

泥沼の内戦が

ようやく終わるという希望の下、

誕生したこの国は、

未だ苦難の道を歩いている。

千葉大学栗田禎子教授は、

「皮肉なことに、いま南スーダンで起きていることは、

かつてスーダンで起きたことをなぞっているかのようです」

と話す。

1956年、スーダンは、

それまでのイギリスによる植民地支配から

独立した。

しかし、植民地時代の強権的統治機構が温存されたために

安倍晋三のような

売国的為政者が好き放題にしたのだろうな、

独立後の国家内で

開発格差や暴力的弾圧が激化。

最終的に

同国で「底辺」に位置付けられていた

南スーダンが独立した。

栗田氏が

仰る

「かつてスーダンで起きたことをなぞっているかのよう」

と評せられるのは、

同国の

大統領派と副大統領派で

繰り広げられている内紛を言うのだろう。

この内紛が

どれほど凄まじいかは、

まだ南スーダンが独立してない

94年の

ルワンダ大虐殺を

思い起こせばいいだろう。

部族抗争の末、

約80万人が殺戮された。

この大虐殺があって以降、

PKOは、

「住民保護のためなら中立性を捨て、

相手が政府軍であっても先制攻撃を認めています。

交戦主体(戦争の主体となる集団)となって戦える。

それが国連安保理のスタンダードです」

(前掲、井筒さん)

ということです。

これは、

上に述べた大虐殺は、

「住民保護」を最優先として、

PKOが撤退さえしなければ起きなかったという反省ゆえだ。

すなわち、これ以降、

(三)日本が南スーダンで取りうる安全上の配慮

日本が前提にしている

「撤退の条件(5原則)」とされている「停戦合意」が

破棄されている。

にも関わらず、

破棄されていないと強弁されているため、

戦闘行為に対する

配慮は、

まったくなされていない。

井筒さんによれば、

「隊員が負傷したときの処置ができる仕組みもノウハウもない」

とのことだ。

今の自衛隊は、

衛生兵すら鎮痛剤を投与できないそうだ。

無茶苦茶ではないか。

こんな話が

「DAYS JAPAN」に載せられてあった。

「たとえば銃弾があたると、

2分以内に適切な処置をしないと失血死すると言われ、

野戦病院に運ぶまでに

9割が死ぬと言われています。

だからこそ

現場での対処が求められ、

米軍などは

現場の衛生兵がその場で

負傷者の簡単な処置をした上で、

野戦病院に連れて行き、

そこからベースキャンプに運びます。

しかし日本は、

野戦病院に運べてもそこにいる衛生兵は

止血程度しかできない。

自衛隊に持たされる救命キットは、

包帯と止血帯、はさみ、手袋などしか入ってません」という。

稲田防衛相は、

「万一の場合への備えとして必要な任務と権限を与え、十分な訓練を行った。駆け付け警護は、現地邦人にとっても部隊にとってもリスクを低減する」(東京新聞記事「稲田防衛相「新たな一歩」 南スーダンPKOで訓示」参照。*http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016111901001172.html

また、

「命令も発出したのは私自身ですから、その全てのことについての責任は私にあるというふうに思います」とも言う

(TBSニュース「駆けつけ警護の付与、稲田防衛相が行動命令」参照。*http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20161118-00000058-jnn-pol

どんな風な責任を取ろうとするのか。

それは、

日本側のねらい目を明らかにするということだろう。

それでは、

次にそのことにつき述べる。


(四)日本側の思惑


南スーダンでの

任務がいかに危険であるか――。

政府は、

それを承知で

自衛隊員を南スーダンに送った。

(二)で記した

――「停戦合意が破られれば現場から撤退する」

という条件が破棄された。

日本は、

それを前提にして自衛隊が派遣したのか――。

建前上はの答は、NOだ。

本音は、

違う、それが問題なんだが。—―

という記述、

思い出して欲しい。

リスクを承知しているのは、

国会での稲田大臣の言い草を待たずとも理解できる。

リスクは、

テロリストの標的になりやすいところに

自分がいるか否かで決定される。

そのリスク、

後方支援なら小さいかと言うと、

そんなことはない。

米軍の兵士より、「後方支援」にあたる

「輸送」などを担う多国籍軍の兵士の方が多く死んでいる

というデータが

雄弁にそれを物語っている。

PKOのベースキャンプや宿営地に

避難民が飛び込んできて

政府軍と交戦する事態は十分にありえる。

そんな危ないところに

なぜ、自衛隊を派遣しなければならないのか。

米国の

需要ということもあるだろう。

「国の思惑」として

述べた通りだ。

ただ、それに尽きないだろう。


(イ)憲法改正の口実

安倍マリオ等が

企んでいることとして

憲法改正の口実に使うに違ない。

すなわち、自衛隊員が死ねば、

安倍や稲田らは、

こんな風な主張をするだろう。

「憲法九条があるからだ、五原則があるからだ。九条は破棄、五原則を取っ払おう、日本のPKO部隊も住民保護のためなら攻撃主体になって攻撃してよいことにしよう」と。

安倍ら、対米追随派は、

自衛隊を

イラクでの米軍の補充に充て、

米国のアフリカ戦略の駒にしたいのだろう。

それが

自身の保身につながるからだ。


(ロ)武器を売りさばく

この売国奴たちが考えていることは、

その他、

情勢が不安定な

アフリカ地域や中東地域は、

武器を売りさばくためにはとてもいい市場だということだ。

安倍政権は、

一昨年四月、「武器輸出三原則」を

事実上撤廃した。

そして今や安倍マリオは、

死の商人の手先となって武器の販売に

世界中を飛び回っている。

然るに、

成果はほとんどない。

インドに

水陸両用飛行艇を数億円で売りつけようとしたが

白紙撤回された。

実践が伴わないので買い控えられるわけだ。

その打開策として、

今回の南スーダンへの派遣があるとすれば、

政府が考えていることは一つだ。

自衛隊員に

「武器使用」の任務を与えることだ。

武器が売れることで儲かるのは、

三菱重工や日立製作所といった軍需産業の大手企業だ。

我々は、

稲田大臣が

それらの企業の株を

大量に持っていること忘れてはいけない。

この人は、

自分が儲かれば他人の命などどうでもいい

と考えている政治家の一人だと思うな。


(五)日本らしい支援の仕方


PKOには、

非軍事部門である民生部門、

国連文民警察もある。

この点に関し、井筒さんは、

歴代政権はPKFにこだわり過ぎだと指摘される。

なにが

紛争の原因かと言えば、

極度の貧困だ。

そこを直視すれば、

軍事的な介入以外で日本のなしえる

支援方法がきっと見つかる。

まだ、舵を取り直すのに遅くないのだ。

ここが踏ん張りどころだと思う。

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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
聞いた話ですが (やな)
2016-11-22 16:19:40
南スーダンは、スーダンの資源を狙う中国から資源を守るため、資源豊富な地域を独立させた新国家らしく、それで反中国の日本に南スーダンの保護がアメリカに命じられた、とか。ラジオで聞きましたが。
返信する
☆ やなさんへ (忠太)
2016-11-22 18:04:58
反中国のため日本が派遣されると言うなら、どうして要請あれば、中国を駆け付け警護することになるのですか?
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忠太さんへ (やな)
2016-11-23 08:23:50
国際社会ないし国際政治の本音と建て前じゃないですか。
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☆ やなさんへ  (忠太)
2016-11-23 09:11:07
命がけで本音と建て前を区別するのですか?
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忠太さんへ (やな)
2016-11-23 10:10:16
ごめんなさい。今ひとつ忠太さんの指摘のポイントが分からないのですが、とにかく、アフリカの資源を色々な方法で我がものにしようとする中国に対抗することを期待されているらしいですね。我が国は。
駆け付け警護も含め、そういう政治ゲームの中のプレーヤーとして頭を使って振る舞って行くということなんでしょう。
しかし、こういう路線で行くしかないんですかね、これからは。
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☆ やなさんへ (忠太)
2016-11-23 13:31:19
中国は、国連軍を構成してしている国だということをご存知ですか?
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忠太さんへ (やな)
2016-11-23 15:03:26
忠太さんは日本が反中国をおそらく唯一のキーワードとして外交やってるのが気に入らないんですか? 違うように信じたいんですか?
武器輸出の緩和も、中国と対立してる国に武器を売れ!とアメリカから言われてやってるんですよね。下らないですよね。
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☆ やなさんへ (忠太)
2016-11-24 01:01:46
答になっていません。話は、そらさないでください。
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忠太さんへ (やな)
2016-11-24 02:18:44
別にそらしてませんよ。
前にも言ったように、忠太さんの指摘のポイントが分かりませんよ。
国連軍なんて組織されてませんし。
朝鮮戦争のとき米軍が国連軍を「僭称」したくらいじゃないですか。
もう少し長めに書いてくださいな。
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☆ やなさんへ (忠太)
2016-11-24 08:25:28
>国連軍なんて組織されてません

こういうのを虚偽情報と言います。知らないのなら知らないでいいのです。それとも、質問の仕方としては、「中国から派遣された軍隊は、国連平和維持活動(PKO)に参加しているのを知っていますか」とでも尋ねればよかったのですか。平和維持活動と言ったって、実態に即せば、国連の活動としてやっているのは、軍事行動以外ではないでしょう。だったら活動の主体を「国連軍」と言っても不当ではないはずです。なぜ、国連軍なんて組織されていないという嘘をつかれるのですか。

長めに書けと言うご要望ですけど、関係ないことを書けば、議論が拡散してしまいます。
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