のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

そろそろ退屈の虫が鳴き出したぞ

2009年08月16日 15時18分38秒 | Weblog
 40年近く前、森本哲郎さんが「天井桟敷」を主宰していた寺山修司にインタビューしたことがあるそうです。
 「あなたの破壊したいものは何か」と、奇問を発したところ、即座に
 「習慣。それから退屈ですね。退(しりぞ)いて屈するってことは、よかろうはずがない。退屈は悪徳ですよ」と答えたとのことです。
 ものすごい説得力を感じませんか。12日の記事のコメントに言霊のことに触れました。訓読みの結果、表現に言霊といってよいような響き、効用があるようです。詩人、寺山修司は、直観的にそれを知っていたのでしょうね。ただの言い換えと言ってよいのですが、人をうならせるような強い印象を相手に与えます。
 この僕のブログを読んでくださっている皆様の中にも、お盆休みや、それに限らず久しぶりに会う親戚たちを前にして、何をどう会話してよいか悩んでいる方もいらっしゃるのではありませんか。そのような方は、是非、上の理屈を話術の一つとして覚えておいて、ここぞという場面でお試しあれ! おお~お~という感動の渦を呼び覚ますやもしれませぬよ。
 たとえば、「帰省とは、家に帰って労を省くことなり」なんて言って、ずっと寝転んでいるなんてどうでしょう? そう言えば、うちの姉は、今年のお盆、帰ってこないです。さては、労を省く、最も効果的なやり方は、帰省しないことだと考えたかな。。。そんなことをしたら、親を省みられんようになるんだけれど。。。
 さて、話を退屈に戻します。
 前回、You-Tubeで大河内傳次郎を紹介しました。今回は、退屈で有名なこの人、そう市川右太衛門の「旗本退屈男」をアップします。と言って、若い人は知らないでしょうね。北大路欣也の父親と言えば分かりますかね? 
 幼心に聴いた右太衛門の「は、は、は」という豪快な笑い声が未だに耳に残っています。映像を見て「そろそろ退屈の虫が鳴き出したぞ」という彼の“宣言”が懐かしいです。
 ところで、宣言の「宣」の原義は、太陽です。つまり、「宣(の)べる」は、光が伸び広がる様を指します。この「のべる言葉」を通して、自分の心に正直であろうとする時代の空気のようなもの感じ取って下されば、嬉しいです。


市川右太衛門「謎の暗殺隊一部」諸刃流青眼崩の剣の舞



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