映画館には、
観客は僕を含めて二人きりだった。
あんまり
みんなが直視したくない映画なのだろうな。
舞台は、
「どら焼き店」
店主は、左党。
そこにアルバイト希望の老婆が
顔を出す。
その老婆が造る
「あん」がとてもうまい。
それで、
アルバイト店員に採用になる。
老婆の
人生スタイルは、
“聴くこと”。
小豆の来歴など、
小豆自身に聞いている!
その設定自体、
あり得ないと思うけど、
後々、
その老婆の人生を考えるとき、
さもありなんと
思わせるものがある。
実は、
その老婆、ハンセン氏病だった。
19996年、
ようやく病気への理解が広がり、
閉鎖病棟での
管理が見直され、
解放処遇が見直される。
お婆さんは、
それによって施設外の下界に
初めて
降臨したというわけだ。
人生誰しも、
青雲の志のようなものがある。
その婆さんにもあった。
どら焼きの店長さんにもあった。
店長さんは、
喧嘩の仲裁をした際、
勢いあまって、
人を傷つけ、刑務所に入った。
退所して
ある人の世話でドラ焼き屋を始めた。
その恩義があるため、
思うように店が経営できない。
そんな折、
象徴的な事件として
バイトとして雇ったお婆さんが
ハンセン氏病だという噂が広がり、
その恩人から、
解雇しろという圧力とともに、
店の改造の
話が出る。
無力感に打ちひしがれた
店長が
酒浸りになっていく。
ドラ焼き屋の顧客だった少女から、
解雇した
婆さんの訪問を提案される。
2回目の
訪問時、婆さんは死亡していた。
そこで手渡された
ビデオメッセージで、
自暴自棄になっていた店長が
救われる
というストーリーだった。
ここまで
書きながらネタバレのことが頭を掠める。
映画の客員動員数が
余りにに小さく、残念なので
ネタバレ承知で
物語の中身を明かした。
でも、
最後の最後、
ビデオレターに
どんなメッセージを託してあったのかは
内緒ね。
胸打たれたよ。
人の生きる意味って、
「聴くこと」
なんだよ、
だから…おっと、これ以上は、
ほんと、もう内緒。
機会があったら映画を観てね。
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