のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

介護施設は、意外に男社会だ

2008年05月08日 23時33分04秒 | Weblog
「私が代わります」

一人の利用者の見守りをしていたとき、小鹿のような若い介護福祉士さんが申し入れ

をしてきた。偉いなと正直、感心した。

僕が見守っていた利用者は、噛み付くのが有名な人だった・・・

この利用者が相手のとき、スタッフは全員、噛み付きを恐れて、遠巻きにしか接して

いなかった。僕は内心、何じゃその態度は、と思っていた。

それで、その利用者といるときは、好んで近寄って、自分の耳をひらひらさせなが

ら、明らかに至近距離から

「噛んで見る?」とか尋ねたりしていた。

僕は、この人は噛まないと決め付けていたわけではない。反対だ。不快感を与えれ

ば、噛む人だと思っていた。そうと分かっていて、何故そんな態度を取ったかという

と、言葉を交わしたかったというに過ぎない。離れた位置にいたんでは言いたいこと

があっても口にし難いではないか。それだけのことだ。

交替の申し出を受けたとき、

(若いこのお嬢さん、僕のこの思い、理解しているんだろうか・・・)

という迷いのようなものが頭を駆け抜けた。しかし、信じてあげたかった。何事も経

験だからだ。

しばらく経って、主任から呼び出しを食らった。何故、交替したのかと難詰された。

僕にすれば、寝耳に水だ。「交替します」という申し出があったからだ、という事情

を主任に納得させるのにとても長い時間を要した。

一時間ぐらい経って、その申し出が上司からの職務命令として下されていたことを知

る。上司は、僕に罪をなすりつけようと考えていたようだった。

それだけなら、まだ許せる。さんざ嘘八百の上司の説明に付き合わされた挙句、分

かった新事実がある。その上司は、小鹿のような新人に交際を申し込んで、拒否され

ていたということだった。

まだ独身の上司なら、可愛げもある。しかし、現実には立派な妻子持ちだ。振られた

腹いせに、危険な任務を強要したという事実が浮かび上がってくる。こうなってくる

と許せない。

(おっちゃん、それ、セクハラやで!)

僕は、年長者として、バイトで来ている人のまとめ役をおだてられていた。

これは、黙って見逃すわけにはいかないといきりたつ。

他の女性介護者の皆さんに、

「変なことされてませんか」

と、緊急にアンケート調査。

そうすると、出るわ出るわ、悪行の数々。

「怖いのは夜道ばっかりやないで」などと、女性スタッフを脅しては、身の自由を奪

おうとした、という武勇伝もあった。

こりゃあ、一言すべきやな、と思った。

早速、主任に御注進。

しかし、そこでまた、新事実発見。主任の口から意外な言葉が出た。

「私も、実は、被害者です・・・」

で、恐る恐る質問。

「なんで解雇せんのです?」

この上司、ある理事の縁故で職に就いたらしい。

ために主任は、その理事には頭が

上がらんということだった――。

これで、こっちも引くに引けなくなった。

(ここで引いたら恥だ~)

と思った。

「何が起こっても見て見ぬ振りして頂けますか?」と女性職員の一人。

首を縦に振ったように記憶に残っているが。。。

翌日、勢い余ったその女性職員がこの上司を締め上げ、土下座させ、詫びを入れさせたと言う。

「二度といたずらはしません」という念書まで取り付けたとのこと。

この日を境にして、僕は利用者ばかりでなく、管理職からもマークされるようになった。

みんなを煽った罪だ。

好ましくない重大変化が僕の身辺に起こった。

干し上げだ。勤務日が減らされ、食うに食えなくなった。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
卑怯者! (kayo)
2008-05-10 12:13:31
きたないオヤジだ!!

不条理な世の中!!
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なんという上司! (obichan)
2008-05-10 16:43:33
忠太さん、かっこいい!!

でも、その後気になる・・
返信する

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