魯迅は、49歳のときに長子、
海嬰(かいえい)をもうけているのですな。
没年が1936年、56歳でした。
その彼が52歳、1932年秋頃に書いた詩を紹介させて頂きます。
1932年と言えば、「満州国」の成立した年です。
前年には柳条湖事件により満州事変が勃発し
友人の柔石等、青年作家24人が逮捕され、秘密裏に殺されています。
そういう時代背景も頭に入れ、
読んで見て下さい。
(参考文献:「漢詩を読む」〈宇野直人著〉NHKシリーズ)
・・・ ・・・ ・・・
「自嘲」
運交華蓋欲何求 運(うん)華蓋(かがい)に交りて 何をか求めんと欲する
未敢翻身已碰頭 未だ敢(あえ)て身を翻(ひるがへ)さざるに已(すで)に頭(かうべ)を碰(う)つ
破帽遮顔過鬧市 破帽(はぼう)顔(かんばせ)を遮(さえぎ)つて鬧市(どうし)を過ぎ
漏船戴酒泛中流 漏船 酒を戴せて中流に泛(うか)ぶ
横眉冷対千夫指 眉を横(よこた)へて冷(ひや)やかに対す千夫(せんぶ)の指(ゆび)
俯首甘為孺子牛 首(かうべ)を俯(ふ)して甘んじて為(な)る孺子(じゅし)の牛
躱進小楼成一統 小楼(しょうろう)に躱(のが)れ進みて一統(いっとう)を成(な)さん
管牠冬夏与春秋 牠(か)の冬夏(とうか)と春秋とに管(かん)せんや
現代語に訳しておきます――。
仏様でもあるまいに、華の蓋(ふた)に覆われて何を欲せばいいのか
決心もつかないままに挫折の波間・・・
破れた帽子を斜めにかぶり、繁華街をば通り抜け
水の浸み入る船に乗り込んで、酒を飲んでは川のど真ん中
眉毛は一文字、千人の敵でも屁ではない
だけど、子どもと遊ぶときゃ、四つん這いのお牛でござる
小さな家に引きこもって一つの宇宙を作るんだ
春も夏も、秋、冬もあるもんか
(以上、僕の拙訳です。
宇野直人先生の訳出したものを読みたいという方は、
参考文献に掲げた書物を参照して下さい)
※ 「華蓋」という言葉が分かり難いでしょうね。
星の名です。算命術で、人の運勢がこの星にあたると運気が悪くなるということです。
魯迅は、
「華蓋の運は、僧侶にとっては好運であり、頭上に華蓋を頂くことは、
言うまでもなく成仏し開祖となるきざしである。
しかし俗人はだめで、華蓋が上にあると封じ込められ、
障害にぶつかるしかない」(上記文献参照)と述べています。
海嬰(かいえい)をもうけているのですな。
没年が1936年、56歳でした。
その彼が52歳、1932年秋頃に書いた詩を紹介させて頂きます。
1932年と言えば、「満州国」の成立した年です。
前年には柳条湖事件により満州事変が勃発し
友人の柔石等、青年作家24人が逮捕され、秘密裏に殺されています。
そういう時代背景も頭に入れ、
読んで見て下さい。
(参考文献:「漢詩を読む」〈宇野直人著〉NHKシリーズ)
・・・ ・・・ ・・・
「自嘲」
運交華蓋欲何求 運(うん)華蓋(かがい)に交りて 何をか求めんと欲する
未敢翻身已碰頭 未だ敢(あえ)て身を翻(ひるがへ)さざるに已(すで)に頭(かうべ)を碰(う)つ
破帽遮顔過鬧市 破帽(はぼう)顔(かんばせ)を遮(さえぎ)つて鬧市(どうし)を過ぎ
漏船戴酒泛中流 漏船 酒を戴せて中流に泛(うか)ぶ
横眉冷対千夫指 眉を横(よこた)へて冷(ひや)やかに対す千夫(せんぶ)の指(ゆび)
俯首甘為孺子牛 首(かうべ)を俯(ふ)して甘んじて為(な)る孺子(じゅし)の牛
躱進小楼成一統 小楼(しょうろう)に躱(のが)れ進みて一統(いっとう)を成(な)さん
管牠冬夏与春秋 牠(か)の冬夏(とうか)と春秋とに管(かん)せんや
現代語に訳しておきます――。
仏様でもあるまいに、華の蓋(ふた)に覆われて何を欲せばいいのか
決心もつかないままに挫折の波間・・・
破れた帽子を斜めにかぶり、繁華街をば通り抜け
水の浸み入る船に乗り込んで、酒を飲んでは川のど真ん中
眉毛は一文字、千人の敵でも屁ではない
だけど、子どもと遊ぶときゃ、四つん這いのお牛でござる
小さな家に引きこもって一つの宇宙を作るんだ
春も夏も、秋、冬もあるもんか
(以上、僕の拙訳です。
宇野直人先生の訳出したものを読みたいという方は、
参考文献に掲げた書物を参照して下さい)
※ 「華蓋」という言葉が分かり難いでしょうね。
星の名です。算命術で、人の運勢がこの星にあたると運気が悪くなるということです。
魯迅は、
「華蓋の運は、僧侶にとっては好運であり、頭上に華蓋を頂くことは、
言うまでもなく成仏し開祖となるきざしである。
しかし俗人はだめで、華蓋が上にあると封じ込められ、
障害にぶつかるしかない」(上記文献参照)と述べています。
忠太釈が傑作です!
まだまだ人生捨てたものじゃありませんよ
ゆっくり行きましょう~
じっくり考えます。ゆったり構えます。慌てず騒がず、面壁3年コースぐらいで決意を固めます。
長すぎ?
(これは。腐るぞ!!!)
と思ったら、叱咤激励、お願いします。