のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

廃炉計画

2011年04月17日 02時07分09秒 | Weblog
福島原発の場合、

1~3号機の燃料棒が

推定で25~70%損傷してます。

だから、通常の廃炉のやり方は不可能なんでしょ?

しかし、東電、榎本聡明顧問は、

「石棺にはしない。燃料棒は、必ず取り除く」

と強気の姿勢です。


この人は、

毎日新聞のインタビューに応じ、

原子炉建屋が損傷しており、

まず放射性物質の拡散を防ぐ対策が必要、

それが第一。

第二には、燃料の回収装置を新たに開発する旨の

談話を発表してました

〈毎日新聞4月8日付朝刊)。


同顧問によると、

実際に燃料の回収を始めるまで、

10年はかかるそうです。

それでも、成功すればいいのですけど…

この方、02年、

「トラブル隠し」が

内部告発で発覚し、

引責辞任した人らしいです。

なんで、そんな危ない人が出てきて

今後の廃炉の見通しを語る立場にいるのか、

理解できないです。

いくら新聞社からインタビューの申し出を受けても

辞退するのが筋でしょう。

しかし、辞退しなかったというのは、

この人が多分、現場の統括責任者なのに違いないです。

文字通りの顧問なら、名誉職ですから

「後、何年」みたいな話はしえなかったはずです。

でも、率直なところ、

内部告発されたということは、

顧問と言っても、原発事故の隠ぺい工作者でしょ?

人がついて行くんでしょうか。


今日、ネットをあれこれ見て回っていたら、

嫌な記事に出くわしました。

「福島で防護服投棄相次ぐ 20キロ圏内入り脱ぎ捨てか」(asahi.com)です。

原発から20キロ周辺の道路上に

作業員が着ていたような

服が脱ぎ捨ててあったそうです。

10枚前後あったみたいです。

これから大脱走が発生するのではないでしょうか。

今回は、その前触れのような気がします。


いろいろ難しい問題があるでしょうけど、

責任者の資質が意外に重要なのではないでしょうか。

放射性物質の拡散を防ぐ対策が必要、

それが第一と言いながら、

その対策として、

真っ先にしたのがピットへの新聞紙の落とし込みと、

セメントの流し込み、という作業でした。

今でも、よく本気でしたな、

と思います。

普通に考えて、

このおっさんの指示に従っていたら、死ぬど

と、誰しも不安を覚えたはずですよ。

僕も、大いに疑いました、

放射能に汚染された水が

建屋の方からかなりの圧力(トン単位か?)を受けながら、

トレンチの中を

流れているわけです、

水溶性の新聞紙や捏(こ)ねたばかりのセメントは、

水に溶けてしまわないのか、と。

案の定、水の流れを阻止できず、

作業員たちは、

じりじりさせられながら、命がけの任務を強いられたはずです。

こんなことをしていて大丈夫なのか――。

まかり間違えば、再臨界。

またメルトダウンの危機を迎え、

水蒸気爆発でも起こそうものなら、一巻の終わりです。

作業員は全員、死ぬことになります。

恐れ慄(おのの)かなかったとしたら、むしろ、そちらの方が不思議です。

この点、

原発反対派の科学者は、

よく先を見通して、優秀なんではないですか。

その上、優しくて、何より根性がありますよ。

立身出世に目もくれず、

金では買収されない人たちであることは確かです。

人がついてきます。

今は、そんな腹の据わった人たちが必要なんです。

同じテーブルについて意見を拝聴すべきなんではないでしょうか。

東電幹部にとっては、

死んでも頭を下げたくない相手でしょうけど、

指導権を委ねるべきと思います。

少なくとも、榎本某と違って、顧問の資格が充分です。

早くしないと、

何もかもが手遅れになってしまうのではないでしょうか。

面子にこだわっている場合ではないです。

このまま危機が拡大すれば、

幹部の皆さんは、例外なく、日本に恐らく住んでいられなくなるでしょう。

1基につき、

「冷温停止」の成効率が仮に9割だったとしましょう。

しかし、4基ありますからね、

全体としての成功率は、0・9×0・9×0・9×0・9で

6割5分です。

立場の違う人間を抱え込んだ方が賢明と思いますよ。


※ 榎本某の発言に

「石棺にはしない」とありますが、

実は、「したくとも出来ない」のが真実だとする指摘があります

「銀座のうぐいすから」参照)。

ただ、その理由が何なのかが問題です。

燃料棒がメルトダウンしなかったというのは、

どこまでも程度問題です。

そんな技術的なことが弊害として立ちはだかるのでなく、

単なる経済的な動機づけから、「石棺にはしない」と断言しているのではないでしょうか。

ウラン燃料の新たな購入を考えると、

確かにコストがかかります。

経済の合理性、効率性から言えば、「できない」相談です。

しかし、そう決めつけてしまうのは、

企業人としては当然としても、科学者としては拒否されるべき判定です。

名城大学元教授の槌田敦氏が

デタラメぶりの一つとして、

チェルノブイリで成功した「鉛の投入」をしなかった点を挙げておられます

(山口正紀・文「『不安、でも必要』と思わせる報道」、週刊金曜日4/29号所収)。

この「鉛の投入」という作業が「石棺」の準備の工程なわけでしょ。

だとすると、科学者の見地に立つなら、

「できた」と判断するのが妥当だったということになります。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆雨宮舜さんへ (忠太)
2011-06-08 07:03:44
じんわり、情報が出てます。
国民を驚かせてはならないという配慮があるんでしょうね。
でも、善意から、抜き差しならない破滅が生まれます…。大丈夫、大丈夫って言ってる内に大丈夫でなくなるのが怖いです。
返信する
Unknown (雨宮舜)
2011-06-08 01:11:08
今、だいぶ時間がたって、このお言葉に気がつきました。ご忠告ありがとうございました。ところで、皆さんから同じことを言われています。私も原発に関して一万字以上を、60本以上書きましたが、いまごろ、すべて、恐ろしい状態だったと発表をされていますね。それが恐ろしいことです。では。
返信する
☆雨宮舜さんへ (忠太)
2011-04-18 15:08:46
専門的なことを分りやすく説明するって、とても骨の折れる仕事です。素人は、そういう方のご努力の上に乗っかって、理解を得られます。
でも、あまり無理をなさいませんように!! 体を壊すと何にもならないし、気長に行きましょう。
返信する
ご意見に賛成 (雨宮舜)
2011-04-18 07:41:36
おっしゃるとおりだと感じています。私も引続き、一生懸命書いていますので、どうか、のぞいてくださるように、よろしくお願いをいたします。また、このブログへ、私のトラックバックを付けたいのですが、いま、その機能が効かないみたいなので、ただ、書き続けることを続けています。どうか、よろしくお願いをいたします。
返信する

コメントを投稿