のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

いじめを骨抜きにする方法

2008年05月22日 11時03分08秒 | Weblog
脳細胞は皮膚の細胞と連続している。知らない人が多いと思うが、知的障害のある人

には、皮膚に異常が見られる人が多い。ただし、逆は真ではない。つまり、皮膚に異

常があるからといって、脳に障害あるとはいえない。それを前提に話を聞いて欲しい。


ある利用者は、頭髪に異常が出ていた。髪の毛がまったくなかった。見るからに、マ

フィアのボスのような風貌になっていた。周りの者たちが怖がっていた。しかし、当

の嫌われっ子は、どう考えても、気立てがいい!


だが、周りの怖がりようは半端ではなかった。肘が触れるだけでも、「きゃー」。

後ろに立っていたというだけで、やっぱり「きゃー」。男性でも泣き出す始末だった。

女性たちの怖がりよう、想像つくだろうか。


人間、理不尽に嫌われれば、(もっと嫌われてみようかな)という悪戯っ気が生じる

ものだ。その嫌われ者の君をG君としておく。G君は、怖がるものに急に抱きつく妙

な癖がついてしまっていた。


一計を案じる。


誰かがG君に抱きつかれて、悲鳴を上げたとき、G君を罰することにした。ただし、

罰し方は、G君の最も喜ぶ方法を選んだ。具体的に言うと、こそぼった。

いきなりコチョコチョとやるのではない。満面に怒りをたたえた表情をして、彼に次

のように言う。


「こら、何をしている。人の嫌がることをしたらアカン。壁に向かって立て!」と。


この際、思いっ切り椅子を蹴飛ばしたりしてもよい。今にも、G君のお尻を蹴りあげ

るような態度をとる。皆の緊張感が否が応でも高まる。そうしておいて、お尻をぺち

んとやる寸前、こちょこちょやる。G君が体をよじりながら、喜ぶ。


怒ってる表情と、罰として与えている所作の落差が大きい分、というか、罰にも何に

もなってない筋の通らなさが、皆の笑いを誘う。


元来、いじめに根拠はない。敵は、自分の心の中にある。一言で言うと、無意味な恐

怖感に心が占領されているのだ。

恐怖でパニックに陥っている人に、「落ち着け」といっても効果は少ない。そこで、

笑わせる。落ち着いたら、自分の心に目を振り向けさせる。


G君が喜ぶさまを見て、何だか楽しくなった・・・


その思いが大切と思う。G君の泣き顔より、嬉しそうな表情に共感できる自分を発見

させることで、恐怖感を消してしまうのだ、本人も知らぬ間に!


他のいじめのケースに、通用するのかどうかは不明だ。

しかし、役に立つかもしれないので、考えの大枠だけを、もう一度、整理して言う。

まず、いじめる側の視点になって、考える。当然のごとく

「一緒にとっちめてやろう」ということになる。

頭の中では、とっちめる相手が一番喜びそうなことをイメージする。よし、これだ!

というのが見つかったら、後は実行あるのみだ。

いじめっ子にすれば、忠太に任せ、恐怖を取り除こうとすればするほど、相手のいじ

められっ子が大喜びする結果にしかならない。しかし、思惑が外れて悔しいはずなの

に、楽しいと感じる自分しかいない。

何故なんだ?

と考える内に、不合理な恐怖感に取り付かれていた自分を発見することになる、とい

うのがぼくの狙っている筋道だった。

施設のいじめ対策として、自分で言うのもなんだけど、成功していたよ。

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2 コメント

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逆転の発想 (obichan)
2008-05-22 13:40:23
やっぱり忠太さんって楽しい方ですね。
想像したら笑ってしまいました。
お腹を抱えて笑えるぐらいの方がいいですね、こういうときは。

逆転の発想、私も実行していることです。
しかしここまでのギャップは正直考えてませんでした。
ちょっと使ってみたい、素敵な技ですね。
考え方の発想、かなり広がりました。

ご伝授頂き、ありがとうございました。
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笑いの効用 (トッペイ)
2008-05-22 20:34:01
 なるほど、そんなやり方があるんですね。

忠太さんは、すぐれた演出家でもありました。
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