のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

自分以外を信じない菅首相の奥の手

2011年04月05日 22時35分02秒 | Weblog
菅直人首相は、薬害エイズ問題で注目を浴びた人です。

官僚に立ち向かう英雄のイメージがありました。

しかし、この男性、

とことんエリート意識の塊だったのですね。

なぜ、そう断定できるかと言うと、

彼の民への不信度の大きさにあります。

津波災害の後、

原発が機能不全に陥りました。

日本時間、12日午前0時15分、

菅首相は、オバマ大統領と電話会談をしたと言います。

原発の現況について、

菅首相は

「今のところ放射能漏れの証拠はつかんでいない」

と答えたそうです。

それで、当初、

米国際開発局(USID)派遣の

捜索・救助チーム75人に放射能対策の装備はなかったと言います

(毎日新聞4月4日付記事「情報不足に米も不信感」朝刊参照)。

そういう情報がある一方、アメリカ連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、

表向きは災害復興部隊となってますが、

核兵器対応の実動部隊DARTを青森県三沢基地から出動させたとのことです。

国際危機管理者協会、IAEMの職員、唐川伸幸氏の証言です

(週刊・文春、4/7刊。「東電よ、いつまでタレ流すつもりだ」参照)。

この後者のチームが日本の原発を制圧し、

復旧・再稼働を不能に陥れる恐れがあったわけです。

東電は、何としても、それは回避したかった、

それで情報提供を渋ったのでしょうね。

放射能漏れの危険は、原発の電源喪失に由来します。

11日、午後3時42分に確認されました。

電源喪失により冷却機能が失われ、核燃料が溶けだす心配がありました。

その際、まずあるのが水素爆発です。

スリーマイル島原発事故では、

特殊な装置でなければ検知できないようなものは格別、

大きな水素爆発は、回避しました。

日本も同じように水素爆発の回避に成功して国威を発揚したい。

これが、理科系出身が自慢の種らしい菅首相が

乏しい情報の中で、

考えた決論だったのでしょうか。

政府、菅首相の意向として、

“ベントをせよ”という

原子炉内の圧力を低下させるための

水蒸気放出の指示が再三にわたり東電に伝えられました。

東電の本心は原発の復旧・再稼働にありますから、

放射性物質の拡散を伴う水蒸気放出など、簡単に応じられる要求ではないです。

そこで、のらりくらりしてました。

海江田経産相を通して政府から初めて指示があったのは、

12日午前1時半です。

実際にベントがなされたのは、

一号機格納容器内の圧力が8・4気圧に達し

「炉心溶融」がいつ起こってもおかしくないという、午前10時17分になってからでした。

首相は、アメリカを始め、諸外国にベントの指示を東電にしたことを

伝えてませんでした。

その代わりにしたのが、

ベントがなされたか否かの極秘の調査でした。

午前6時過ぎ、

首相は班目原子力保安院委員長らと官邸ヘリポートから

陸上自衛隊の要人輸送ヘリ・スーパーピューマーで

福島第一原発に飛び立ちました。

首相は線量計を携帯してました。

アラームが鳴らないのを確かめて後、

吉田昌郎福島第一原発所長を怒鳴りつけ、

「早くベントをやれ」

と命令しました。

所長は、恐れ入って

「やらして頂きます」

と恭順の意を表したのですかな。

しかし、相手は自分以外の者、特に民を信用しない首相です。

どうも機械に頼る癖があるようです。

8時過ぎ、

再びヘリに乗り込んだとき、

首相の胸ポケットの線量計が鳴りました。

(お、お、お~、すげぇ)

ベントが即座に執行されたと勘違いしたんでしょう。

この、すっとこどっこい、

ヘリの中で

(それ、見たことか。ちょいと怒鳴れば、この通り!

ひょっとして、わしって天才? 神様かな。

アーティストだったりして。伸子、わしに惚れ直せよ~~~~)

などと自己陶酔していたのかもしれません。

意気揚々と帰路につきました。

何があったかを言葉で一々伝えるのが苦手な、この理系首相は

官邸に戻るや、

周囲に誇らしげに

「原発は爆発しないよ」と語ったらしいです

(毎日新聞4月4日付記事、「“自主的措置”が裏目」参照)。

放射能漏れは、原発の免震棟滞在中、すでに制御不能になっていたんでしょう。

ベントをしようがしまいが放射能は漏れまくり、

結局、首相は、それに気づくだけの知性がなかった…

という誠に残念な結果に終わりました。

その責任を責めようとは思いません。

ただ、人の心を見抜けず、

線量計という小さな機械一個のみに頼ったがため

大きな局面を見失ったという己れの不明、失策を教訓として、

今後の政策ビジョンに生かせ、ぐらいは言いたいです。

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