日米安保条約、
正式には
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」
の第五条には
次のような規定があります。
―― 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない――。
この条文の適用があるというのは、
たとえ、
日本の領有に属する地域であっても
アメリカが
自国の国益(ナショナル・インタレスト)
にかかわると認めた場合、
軍事行動に出る
地帯であることを示すということです。
要するに、
「これを越えたら、攻撃するぞ」
という
警告の意味を持つ「線」が
引かれるわけです。
「警告」
ということだから、
その線は、
“レッド・ライン”
と呼ばれます。
バネッタ米国防長官が
19日、
北京を訪問して
習近平・国家副主席と
会談しました。
その際、
尖閣諸島には
日米安保条約第5条が適用される、
すなわち、
同島はレッド・ラインだ、と伝えたと言います。
だから反日デモが収まったのだ、
と日本のメディアは理解してますし、
その通りなのでしょう
(金子秀敏・文「尖閣にレッドライン」
毎日新聞10/25付朝刊「木語」のコーナー所収記事参照)。
しかし、
尖閣周辺に
アメリカがミサイル防衛システムの
かなめになるような、
たとえば、Xバンドレーダーを置く事態も
考えられなくはないです。
そうなるとするば、
間違いなく
中国にとって
“センカク”は、脅威です。
まさに
キューバ危機(1962年)のときに
アメリカが
置かれていた立場に中国は似ています。
アメリカは、
キューバ危機に際して、
屈服か空爆かという
二者択一を迫られているような
状況に
追い詰められました。
その時にとった危機回避の方法が
レッド・ラインを引くという方法でした。
今、同じように
そのラインを
アメリカが引いたようです。
しかし、キューバのときと違って、
アメリカ本国から
遠く離れたところでの
線引きなのです。
当然、緊張感に
雲泥の差があるはずです。
そのことを忘れると、
日本にとって
とんでもないことになる恐れがあります。
今朝、
孫崎 享氏が
田母神俊雄氏の
Sapio11月号での発言を
取り上げていました(リンク)。
いわく、日米安保条約の条文を読む限りでは
日本が敵国から攻撃をうけた時、
自動的に米国が参戦して日本を守ってくれる保証はない云々。
「日米安保条約第5条が適用あり」
という言質を
日本は手にしたと考えてはいけません。
安保条約に基づく
行動を
取るとしても
その軍事力の行使は
アメリカ本土の
防衛政策の一環としてです。
日本を守るために
使われるのではありません。
それを知らせる趣旨で、
孫崎氏は、
あえて元自衛隊陸幕長で、
ナショナリストの色合いの濃い田母神氏の言葉を
引用されたのでしょう。
つまり、日本の官僚や
似非(えせ)愛国主義の徒は、
利権のことしか
頭になく、
後はアメリカにすべてお任せでしょ、
その結果、どうなるかが
見えてないんですな。
「日米安保条約第5条が適用される」
とアメリカが
明言したと聞くだけで
安心してしまう傾向さえあります。
それでは困るので、
この人物の言うことなら
耳を傾けるだろうという判断の下、
田母神氏の見解を
紹介されたのでしょう。
正式には
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」
の第五条には
次のような規定があります。
―― 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない――。
この条文の適用があるというのは、
たとえ、
日本の領有に属する地域であっても
アメリカが
自国の国益(ナショナル・インタレスト)
にかかわると認めた場合、
軍事行動に出る
地帯であることを示すということです。
要するに、
「これを越えたら、攻撃するぞ」
という
警告の意味を持つ「線」が
引かれるわけです。
「警告」
ということだから、
その線は、
“レッド・ライン”
と呼ばれます。
バネッタ米国防長官が
19日、
北京を訪問して
習近平・国家副主席と
会談しました。
その際、
尖閣諸島には
日米安保条約第5条が適用される、
すなわち、
同島はレッド・ラインだ、と伝えたと言います。
だから反日デモが収まったのだ、
と日本のメディアは理解してますし、
その通りなのでしょう
(金子秀敏・文「尖閣にレッドライン」
毎日新聞10/25付朝刊「木語」のコーナー所収記事参照)。
しかし、
尖閣周辺に
アメリカがミサイル防衛システムの
かなめになるような、
たとえば、Xバンドレーダーを置く事態も
考えられなくはないです。
そうなるとするば、
間違いなく
中国にとって
“センカク”は、脅威です。
まさに
キューバ危機(1962年)のときに
アメリカが
置かれていた立場に中国は似ています。
アメリカは、
キューバ危機に際して、
屈服か空爆かという
二者択一を迫られているような
状況に
追い詰められました。
その時にとった危機回避の方法が
レッド・ラインを引くという方法でした。
今、同じように
そのラインを
アメリカが引いたようです。
しかし、キューバのときと違って、
アメリカ本国から
遠く離れたところでの
線引きなのです。
当然、緊張感に
雲泥の差があるはずです。
そのことを忘れると、
日本にとって
とんでもないことになる恐れがあります。
今朝、
孫崎 享氏が
田母神俊雄氏の
Sapio11月号での発言を
取り上げていました(リンク)。
いわく、日米安保条約の条文を読む限りでは
日本が敵国から攻撃をうけた時、
自動的に米国が参戦して日本を守ってくれる保証はない云々。
「日米安保条約第5条が適用あり」
という言質を
日本は手にしたと考えてはいけません。
安保条約に基づく
行動を
取るとしても
その軍事力の行使は
アメリカ本土の
防衛政策の一環としてです。
日本を守るために
使われるのではありません。
それを知らせる趣旨で、
孫崎氏は、
あえて元自衛隊陸幕長で、
ナショナリストの色合いの濃い田母神氏の言葉を
引用されたのでしょう。
つまり、日本の官僚や
似非(えせ)愛国主義の徒は、
利権のことしか
頭になく、
後はアメリカにすべてお任せでしょ、
その結果、どうなるかが
見えてないんですな。
「日米安保条約第5条が適用される」
とアメリカが
明言したと聞くだけで
安心してしまう傾向さえあります。
それでは困るので、
この人物の言うことなら
耳を傾けるだろうという判断の下、
田母神氏の見解を
紹介されたのでしょう。
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