――異論はあるでしょうが、昨今の急速な中東、北アフリカへの中国企業の進出、中国政府の動きを私は帰国する度、肌で感じています。私の感覚でこの情勢を言うなれば、以前からの欧米による資源争奪戦に露中が加わりさらに複雑で泥沼化。現地住民の暴走とだけ伝えられるが報道は何故これを説明しないのか?(リンク)――
とツイートされるのは、FIFI_Egypt さんです。
これに近似する指摘として
「アフリカの物資なくしては世界の工場である中国は成り立たない時代へ入る。中国人は昔の日本人が満州に大挙して働いたように、アフリカに大挙して働く時代となる」
という理解があります
(「アルジェリア大虐殺は計画されたか!?」参照/リンク)。
ただ、そう理解する立場が
事件を
誤算で日本人を
殺してしまったものという受け取り方をする点に
論理的な飛躍を感じます。
さて、では、
日本人が
殺されたのはなぜでしょうか。
武装勢力は、
人質で何を手に入れようとしていたのか
が謎のままでは、
本当には、なぜ、日本人が
狙われたのか、
という問いには答えられないでしょう。
2013年1月19日 付の
産経ニュースに
こんな記事がありました。
現地報道によると、
犯行グループは
複数の米国人を拘束していると主張し、
米政府に服役囚との交換を持ちかけたのに対し、
「テロリストと交渉しない」
として米報道官が人質交換を拒否したとのことです
(記事リンク)。
犯人の要求は
「仲間の釈放」なわけですから、
人質に選ぶべきは、
「仲間」を投獄している国の国籍を持っている者に限られるでしょう。
The Guardianというイギリスの
Web記事に
ーーAn Algerian engineer working for the JGC told the French paper Humanité that when militants saw that there were mainly Japanese, Filipino or Malaysians in his block, he heard a commander say he wanted Americans, French and English and “didn’t need Asians”. He saw two Asian colleagues shot.(リンク)――
とありました。
上の赤字の部分に注目して頂ければ、
分かりますが、
アメリカ人、フランス人、イギリス人を手に入れたいのだ、
アジア人は欲しくないと明言してます。
すなわち、
この証言が正しいとするなら、
日本人は、
人質としては
端から求められていなかった、
ということでしょう。
そして狙われなかった結果として、
「マリ北部への攻撃をやめなければ、アルジェリアやフランスなどの国々は人質の命に対する責任を取らなければならない」
として、フランス軍などによる
マリ北部への攻撃を停止するよう要求するための
道具にされた・・・
(上記「The Guardian」の青字での記載個所参照)。
ちなみに、1月27日NHKのニュースで、
マリ北部への攻撃を停止要請の
報道がありました。
資料として
転載しておきます。
■ 資料
“日本人含む外国人を人間の盾にした”
NHKニュース (1月25日 19時22分)
アルジェリアで起きたイスラム武装勢力による人質事件で、人質となったフィリピン人の男性が、NHKのインタビューに応じ、アルジェリア軍に攻撃をやめさせるため武装勢力が日本人を含む外国人の人質をいわゆる「人間の盾」にしたことを明らかにしました。
これは、事件が起きた天然ガスの関連施設で働いていたフィリピン人のジョセフ・バルマセダさん(42)が、25日、フィリピン国内の病院でNHKに対して明らかにしたものです。
バルマセダさんによりますと、事件が発生した今月16日、大勢の外国人と共に人質となった際、すぐそばで自分と同じように手足を縛られた5、6人の日本人を見たということです。そして、翌日には、施設を包囲する軍から見える広場に外国人の人質が連れ出されたということです。
この直前には軍から攻撃があり、バルマセダさんは「武装勢力は、人質を『人間の盾』にしようと私たちに手を上げさせた」と述べ、軍に攻撃をやめさせるため武装勢力が人質を「人間の盾」にしたことを明らかにしました。
この後、バルマセダさんは、日本人を含む外国人と共に数台の車に乗せられて移動していたところで、軍の攻撃を受けて、突然、車が爆発したということです。
バルマセダさんは「気付いたときには、何人かの日本人が倒れていた。生きていたか、死んでいたかは分からない」と説明しました。
施設に通じる道路には複数の検問所が設けられるなど厳重に警備されていたということで、バルマセダさんは「この施設で8年間働いてきたが、警備は万全だった。なぜテロリストたちが施設に入れたのか、分からない」と話しました。
アフリカの物資なくしては世界の工場である中国は成り立たない時代へ入る。
私も、日本人が身代金以前の問題で執拗に追われ殺されているのは非常におかしいと思います。
日本人のプラント技術者たちを一斉に殺し、日本企業の後釜に一体どのような国や企業が入り込もうと企んでいるのか、私も中国は非常に怪しいと思います。
日本が中東で手にした
石油採掘権をアメリカの圧力で
放棄させられました。
その後、日本が手にしようとした
権益は、
中国に渡ったと言います。
中東での
中国人の動きが
俄かに活気づいた・・・
というのは、
その関係で納得いきます。
しかし、
だからと言って、
中国人たちが
今なぜ、
アラブのイスラム教徒に
命を
狙われねば
ならないのでしょう、
なぜなんです?
お説では、
日本人は、
中国人と見損なわれて
殺されたのですよね。
しかし、
中国人がターゲットにされた理由が
そもそも不明です。
その動機は、
攻撃の主体が
アルジェリア政府なら
説明がつくのでしょうか。
なお、
ご意見には、
URLを記すようにして下さい。
落書きと
区別がつきにくいので。