世界に拡散する貧困について

国家は、民衆を囲い込む

檻のようなものです。

しかし、人と人は、

国境線なんかにはお構いなく

つながっていきます。

それが世に言う、

グローバル化ですよね。

なぜ、つながっていくかと言うと、

資本の流動性ゆえです。

雇う側は、

賃金を極力、低く抑えたい。

先進国と

発展途上国との間にある

優位性が

時に逆転してしまうのは

この賃金コストの

耐性が

どの国であっても同じだからでしょう。

コストが

低ければ低いほど、

企業にとって

楽チンコースなのです。

苦しければ、

企業は倒産します。

後進国も

先進国もこの間の事情は、

同じです。

企業の活動が衰退すれば、

失業者が増え、

税収は、減ります。

それに応じ、

行政が担える

サービスの質量が低下します。

それを避けるには、

税収を上げねばなりません。

ただ、増税に頼ると、

景気が悪化します。

当然ながら、

景気は、

それが悪化するほど、

益々、税収が減ってしまい、

悪循環に陥ります。

増税以外のものに訴えるとするなら、

国債です。

しかし、これにも罠があります。

昨今の欧州信用不安に

如実に現われています。

弱り目に祟り目と言いますが、

税収が減少しだすと同時に、

社会保障等のニーズが

上昇します。

ここで、

確実に言えることがあります。

「逆立ちしても

お金が落ちてこない程度に

干からびる」

貧困化現象が

シビアな形で立ち現れます。

グローバル化の下、

政府は、借金まみれです。

「財政の緊縮」以外に

政策として言う言葉を無くします

「小さな政府」は、

お金がない

国家にとって、

不可避な選択です。

ただ、金銭の使い方に関し、

地方の自治体ごとに

考えるなら、

「行政機関を大きく動かす」

方が安くつく、

という逆説があります。

つまり、大きく動かす方が

融通が利くのです。

たとえば、

生活保護費など、

大都市の方が、

カバーしている範囲が広いので

貧困区域のニーズに応えられる

ということがあります。

この点は、

盲点かもしれないです。

しかし、都市では、

どんなに貧困のニーズに

応えられたとしても

群衆の中に埋没する孤独感

（一個のアトムでいる虚しさ）

がありますので、

抑鬱した

不安感を拭えません。

人は、不安感のため、

限りなく落ち着かなくなります。

切れやすく、騙されやすくなるでしょう。

実際、古めかしさは、

長い時間による

検証がありますので、

ある程度の合理性は

担保されているはずです。

しかし、それでも

“古い”というだけのことで

伝統を攻撃対象にし、

罵倒する

時代の雰囲気に便乗する

悪しき政治家が

跋扈するようになります。

こうして空気が

経済関係に反映して

国家への信頼を担保とした

国債と通貨が売られる条件が整います。

そして売る動きが始まるや

投資家から

「政府に借金返済意志がない」

と見透かされ、

資金を引き揚げられます。

かくて財政は、

目出度く破綻します…。

国債を買う他国の銀行を巻き込んだ

信用不安が拡がります。

つい最近、

欧州の信用不安として

顕在化しましたよね。

不安を募らせた人々に迎合することで、

転げ落ちる

車輪がさらに早く回転し、全てが台なしになります。

民意の限界です。

ただ、こういう限界を一点突破するに

必要なのは、

なんでしょうね。

やっぱり、民意なんでしょうね、

上に書いたことと矛盾しているようですが。