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HONDA G'の整備色々



ホンダ Gダッシュ 2743kmで入庫。

以前2009年11月にマフラー洗浄などで入庫してます。問診による直近の不具合はエンジン始動困難・低速でのぐずつき・アイドルでのストール。「抱きついたかもしれない」とまで擦った揉んだあった車両です。

ただでさえ整備性の悪いG'な上 新車と見紛うばかりの美しい車体。 カウルのツメを折らないようにとか気を遣うし、おいそれと触りたくないというのが本音だったりします。オマケに色々弄ってるらしいけど自分はノータッチで素性も知りませんし。因みに弄ってるポイントはキャブがディオZXの物に替えられていて、メインジェットは100番に変更 それに伴い吸気経路を大きくとってるとのこと。

現状を把握するために先ずそのままで駆しっておきたいところですが、全然エンジンが掛かりません。エアクリ塞いでもキックしてもダメ。よく乗って来られたなぁと問い合わせてみると「キック10回くらいで掛かる」らしい。いやもうその時点でおかしいし。問診してる時もアイドル中にストールしたので、スロージェットが詰まってるんじゃないかとは思ってたんですが、即キャブOH開始です。



どんなメンテをやるにも、とにかくカバーを脱がさなきゃ始まらない。そのせいでG'のメンテは敬遠してしまうんです。排熱の為にクランクケースが肉抜きされています。必要でやったのか? カッコウでやったのか? 弄っていった過程を知らないから、整備していても挙動の変化とその原因も全て憶測で考察していくしかありません。他人が手を加えたバイクを弄りたくないのは、こういう事があるからなんですよね。



キャブレターとご対面。さて取り外すかと思って見てるとなんか違和感が? 分かりますか? スロットルバルブの向こう側に有るべき物が有りません。そうオートバイスタータが無い!



前方でプンプラン遊んでました。慌てて撮ったのでぶれてます。もっと引いて撮ればよかったんですが、こんなの想定してませんからねぇ。



内側が埃まみれです。これ、かなり長いことこの状態だったんでしょうか? いや、それだと即始動困難になるからそんなはずないか。セットプレートビスは無く、まんまプランプラン。SMで確認してもビスにはワッシャ等なく、そもそも締めたら外れるような部品じゃありません。ネジの上にはカバーがあるので緩んでも外れて脱落することが物理的に考えにくい。単純に取付しなかったんじゃないかと思えて、これだけで整備者に不信感を覚えるレベルです。中のニードルとかが無くならなかったのが不幸中の幸いでした。手持ちの六角ボルトで固定し取り付け。

フロート室を開けて掃除。酷い汚れはなくスロージェットも詰まってはいませんでしたが、なんとなくクリアではなく アイドリングでストールしたのも納得です。私のジュリオもスーパーディオも、一度OHしたのに1年程でスロージェットは詰まった経験があります。あれ以来ホンダのこの時代のキャブというかジェットはここウイークポイントだと思っています。

それにしてもバイスターターの件から一気にやる気スイッチが入りまして次々にクエストを対処。整備の写真を撮ってる間が有りませんでした。後々良い資料になるのに。

キャブを組み直すと難無くエンジン始動。アイドルが安定しないのでキャブ調整しつつテスト走行。う~ん・・・あの「マイルドな乗り味なのにカッチリした剛性感」は何処へいったのか? 細々とやんちゃな手が加えられているからかがさつなフィーリングを覚えちゃって。オマケにドライブケースに空けた穴からヒューヒュー風が抜ける音がして、それが私には不快でしょうがない。上を使う気になれないまま帰還。『大人しいスタイルなのに駆しったら凄い』というのがGダッシュの真骨頂なのに・・・と少々残念な心持ちになってしまいました。まあ当面の不具合は解決しました。



さて、他に頼まれたチューンナップがあります。上、元から装着していたCDI 銀POSH。下、今般手に入れた俗に言う金POSH。ちゃんとした金はデジタルですけど、対Gダッシュ用に正規の金ポッシュはありません。それでも「この金の方が凄い!」とか言う声があるようですが、正直私は中身一緒だと思う。もし違ってたら銀を「ケース入り」と称する小売店もなく、それどころかウリにして発売するでしょ。仮に違ったとしてもアナログでそう変わるものでもないと思うし、わざわざ着けたヒートシンクは伊達じゃないでしょう。でも折角手に入れたんだから試しに使ってみるという方向で。実際走らせてみないと分かりませんしね。

尤も上まで回せない私には分からないかもしれませんので、オーナーの駆しりに委ねましょう。それにしてもG'でCDIの交換は気軽に出来ませんね。左右のサイドケース・ボディカウル・リアケース・リアフェンダー・ジェネレーター・テールランプ等外してやっとご対面ですもん。あのジュリオが可愛く見えるよ。写真撮ってる余裕がなかった。



ここまでやったら別途手に入れたというプーリーも換えてやるぜとドライブケースを開けますが、凄いベルトカスの汚れです。2700kmなら初期削れでこうなってもおかしくないかもしれませんが、直近開けてると聞いてたのに。その時掃除してないのかな?



いきなりWローラーが零れた事に違和感覚えて細かくチェック。純正のフェイスシールが無いんですね。ベルトはデイトナ製に変わってました。しかしWローラーが全然減ってなくて、ベルトカスの量と見合わないと思う。やはりケース内が汚れたまま、パーツだけ交換したんでしょう。悲しい。



装着されていたのと別途入手したというムーバブルドライブフェイス。ドライブフェイスもランププレートも形状に差違はみられないんですが、ボスだけ長い様です。取り敢えず素性を知らないままに使うのは怖いので色々調べました。



プーリーはどちらも型番16192A デイトナのハイスピードプーリーでしょうか? ランププレートの刻印はR1RとS71。R1Rは後期の純正? S71はタクトの時代からAF-34ディオなんかで使われていた品みたいですが、大きさも角度も同じに見えます。どちらもバラバラな組み合わせなわけで、とにかくG'のドノーマルが知りたい所です。



ボスは後から来たのが36mmで元着いていたのが33mm。長いのは最高速狙いとしてもベルトとの兼ね合いがあるなと計ってみると、幅15.5mm。ノーマルでは標準使用範囲の数値です。このベルトの標準値は判りませんが、最高速狙いにはならないからボスは元のが無難ですね。



でも試しに長い36mmを組んでみたんですが、ドライブフェイスギアが乗る余地がありません。これは怖くて使えない。



こっちが33mm。これでもギリギリに思えます。ボス延長して使うならプーリーそのものを薄くしないと無理ですよね。ていうかよく見るとスプラインが既に甘くないか? ただピンホケしてるだけ? ホント、ドノーマル状態が知りたい。流石に気になって細かく観察したんですが、センターロックナットはドライブフェイス中心のツメ内側に入って噛み合わない構造になってます。これで良いの? 別途ギアナットかなんかあるんじゃないの? そういえばアドレスV100は有ったと思ったんですが、G'ではケースの内側にナットが収まるホールと切り欠きが設けられてました。この辺は流石技術者の思考。それにしてもクランク軸のスプライン細いし、甘く映る。コレ見ると、エンジン掛からないからって鬼キックはダメですね。なんか色々勉強になるわぁ、私ノーマル派なのに。



Wローラーも元着いていた方が削れてないのでそれを使います。8gのようですが、これを使っての加速は良い感じでしたからね。因みに着いてきたのは変摩耗しながら8.5g前後でした。



無事に組み上がりましてテスト走行。今回くらい時間と神経を使ったメンテは覚えがありませんでドキドキワクワク。先ずはエンジンの始動でコケる事は皆無でバッチリ。クランクケース内、スターターギア等清掃グリスアップしましたから軽く回って良い感じです。

駆しりに関してはライダーがヘタレなのでCDIの違いはさっぱり判らないんですが、上まで軽く回って気がつくといつの間にかスピードが出てる。なのに剛性が高く安定感あるG'の駆しりは健在です。こんなにちっこい車体なのに感心しますよ。

難点は30km/hから40km/h辺りでグズつく事。多分スローからメインジェットに切り替わった所で、パーシャルのままだと吸排気が追いつかないんでしょう。ここからスロットル捻る人なら良いけど、ここが巡航速度の私には合わないセッティングだ。

調子は良いです。キャブと駆動系の定期メンテナンスをしたわけですから当たり前か。この基本メンテ、外観がキレイな車両なので端から必要と考えてなかったわけですが、剥いてみればこれだけ誰かが何処かでパーツを換えたり弄ったりしてるわけですからね。盲点でした。



今回弄っていて改めて解りましたが、細部に至るまで各部の造り込みが半端無いスクーターですね。スポーツスクーターとしてホンダが本気で作り上げてたんだということがよくわります。

そのポテンシャルを上限まで引き出した部分については、オーナーの駆しりに委ねると致しましょう。私じゃムリなんで(笑
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