ヌチドゥタカラ「命こそ宝」

ヌチドゥタカラとは、沖縄の言葉で「命こそ宝」の意味。脱原発と反戦。命こそ守らなければならないもの。一番大切なもの。

伊江島の阿波根さん

2015-06-19 11:48:59 | 日記
昨日の毎日新聞夕刊社会面に沖縄伊江島の記事が掲載された。6月23日が沖縄慰霊の日。過酷な基地負担に苦しむ沖縄の原点をたどる連載記事の一巻目となるものである。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150618dde041040066000c.html

6月14日放映のNHK沖縄戦全記録 http://www.myvi.ru/watch/4sPL31w9BUSk9KHwvsA4HQ2 で、伊江島の壮絶な地上戦の実相を垣間見ることができた。4月16日に米軍上陸。20日には1日で781名もの死者が出ている。伊江島が沖縄戦で最も苛烈な思いをさせられたのは、米軍上陸1ヶ月前に日本軍が完成させた飛行場の故である。米軍にとって日本本土決戦のために飛行場が必要だったのだ。伊江島は決して大きな島ではないが、本島からもよく見えるイータッチューの愛称で親しまれる標高172.2mの城山(ぐすくやま)があるだけで、後は平らな島。戦後、米軍が農民の土地を取り上げて作った基地は今も広い面積を占めている。
伊江島には沖縄のガンジーと称される阿波根昌鴻氏が中心となって反戦・基地撤去闘争を非暴力で粘り強く闘った歴史がある。



「わびあいの里」計画のもと「やすらぎの家」、県内外から訪れる人々に戦争の愚かさと平和の尊さを説き続けた。
また基地撤去のために闘い、反戦平和の思いを伝えるため、1984年に自宅敷地内に自費で建設開館した、反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」には、アメリカとの戦いのための陳情規定が掲げられている。

『陳情規定
・反米的にならないこと。
・怒ったり、悪口を言わないこと。
・必要なこと以外はみだりに米軍にしゃべらないこと。正しい行動をとること。ウソ偽りは絶対語らないこと。
・会談の時は必ず座ること。
・集合し米軍に対応するときは、モッコ、鎌、棒切れその他を手に持たないこと。
・耳より上に手をあげないこと。(米軍はわれわれが手をあげると暴力をふるったと言って写真をとる。)
・大声を出さず、静かに話す。
・人道、道徳・宗教の精神と態度で折衝し、布令・布告など誤った法規にとらわれず、道理を通して訴えること。
・軍を恐れてはならない。
・人間性においては、生産者である我々農民の方が軍人に優っている自覚を堅持し、破壊者である軍人を教え導く心構えが大切であること。
・このお願いを通すための規定を最後まで守ること。』

この規定の前文には
「これから鬼畜とたたかうには、こちらは人間になる。
鬼畜を討ち滅ぼす事は難しい、生き返ってくる。だから鬼畜であるアメリカを人間に教育する。
子供を教えるように誠意をもって教えていく。そのために『陳情規定』というものを作った。」
と書いてある。


徹底した誠意のある対話と言うものの力を、阿波根氏は生涯をかけて示し続けた。

私のブログhttp://blog.goo.ne.jp/nutidu のタイトル「ヌチドゥタカラ」はここから採らせてもらったのだが、反原発の運動もその根底をなす思想は、「命以上に大切なものはない」ということに尽きる!と考えている。

沖縄へ行っても、北部の伊江島で足を伸ばすのはかなり大変だけれど、万難を排してぜひ訪れてほしいと思う。阿波根氏の志を受け継いだ謝花さんが、心を込めてお話をして下さるので、沖縄と言うものをとことん知ることができる。


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