夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

ロスト・イン・トランスレーション

2007年01月14日 | ら行の映画
【「マリー・アントワネット」公開記念 ソフィア・コッポラ特集】

Story
ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)
ハリウッド・スター(少し落ち目)の彼は、ウィスキーのCM撮影のために来日。
結婚25年。最近、妻とは今ひとつうまくいっていない。
新宿のパークハイアットホテルに滞在。慣れない国。妻からの冷たいFAXに気持ちが沈む。

シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)
写真家の夫(ジョバンニ・リビシ)に同行して東京へ。
結婚2年。夫は仕事に追われて、なかなか一緒にいる時間が持てない。
パークハイアットホテルの部屋に一人でいる彼女は孤独感に苛まれていた。

エレベーターに乗り合わせ、バーラウンジで言葉を交わし始めた二人は、次第に一緒に時を過ごすようになる。日々親密さを増していく二人だがやがて帰国の日が近づく・・・。

2003年/アメリカ/ソフィア・コッポラ監督作品





評価 ★★★★

いつも思うのですが、外国人監督の撮る日本って、日本人から見ても外国のように感じられるのが不思議です。独特の映像の雰囲気なんでしょうか・・。「ブラック・レイン」を観たときも、舞台は日本なのに外国のように思えて仕方なかったですね。この映画も映像の雰囲気というか、空気感がとてもお洒落で、よく知っている東京が見知らぬ街のように感じました。

この映画は、ボブとシャーロット、二人の主人公が東京で偶然出会い、お互い家庭で満たされない孤独を抱えている者同士、しだいに打ち解け合い、惹かれ合っていく物語です。だからといって、恋愛関係にまで発展しないのが逆に良かった。たまたま同じような悩みを抱えている二人が出会って、一緒にいることで、お互いの空虚感を埋めていってるような感じがしました。その二人の関係もお互いが東京にいる間だけのことで、どちらかが帰国したら終わってしまう関係です。その設定が、ラストの二人の別れのシーンをとても切ないものにしています。

それにしてもソフィア・コッポラは東京通ですね!とてもマニアックなお店まで登場したりして、東京をよく知っているのが分かります。
ボブとシャーロット、東京の色々な場所に行ってましたが、私が特に印象に残っているのが、渋谷駅前のスクランブル交差点でのシーンです。目の前に見えるQFRONTビルに原寸大の恐竜の映像が映し出されたのは、とても格好よくて感動しました。というのは私、結婚前は東京に住んでいまして、この交差点はよく通っていたんです。知っている場所が出てくるとなんだか嬉しくなりますね。普段はゴミゴミしていて、決してきれいな街とは言えない渋谷が、この映画ではお洒落に見えてしまったのが不思議です。

この作品は、ソフィア・コッポラの監督作品第2作目ですが、衝撃的な内容だった第1作目とは違って、こちらは穏やかな内容だったせいか、安心して観られました。
第3作目はもうすぐ公開される、キルスティン・ダンスト主演の「マリー・アントワネット」ですよね。こちらはどんな仕上がりになっているか、すごく楽しみです!





評価 ★★★★

僕の場合、この映画は、女の子の気持ちに共感するというよりも、ヨハンソンと一緒に東京の街を彷徨する感覚が心地よかったです。
パークハイアットホテルの無機質な部屋と窓から見える靄に霞んだ新宿の街並が、主人公達の孤独感をうまく表現していましたね。異国の地で、同じ孤独感を持った二人だからこそ共有し得た親密な時間は、やがて帰国の別れで終わってしまいます。しかし、特殊な状況だからこそ生まれたファンタジーなので、美しい思い出として終わった二人にとっては哀しいけどハッピーエンドじゃないかなと思いました。
それから、日本人がごくフツーに描かれているのに感心しました。(こんなことに感心したくないけど、あまりにも日本人を勘違いに描写した映画が多いから)

(「ロスト・イン・トランスレーション」2004年6月 仙台フォーラムにて鑑賞)

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