夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

アリア

2008年11月18日 | あ行の映画
Story
長野県・諏訪に住むミチ(原田 佳奈)は、女子高生のステンド・グラス作家。ある冬の日、従兄弟で絵本作家の俊太郎(井坂 俊哉)が東京から帰って来た。幼い頃から俊太郎に想いを寄せていたミチは、見知らぬ女性(田中 伸子)を連れての帰郷に胸を痛める。そんな時、同級生の堅吉(大塚 朝之)から告白され、交際を始める。しかし、俊太郎への思いは忘れられない。俊太郎もミチへの想いが再燃し、ある夜、一緒に東京に行こうと誘う。しかし、俊太郎とミチには悲しい秘密があった…。(goo映画より)
2008年/日本/村松亮太郎監督作品



今月の11月2日(日)に長野県の下諏訪町にある諏訪湖時の科学館・儀象堂という時計博物館で、映画「アリア」の試写会が行われました。この映画は諏訪市を舞台に描かれているので、私達の地元の諏訪がどのように撮影されたのかが気になって、wancoと一緒に鑑賞してきた作品です。

時計博物館で映画上映なんて・・とちょっと不思議な感じがしたのですが、博物館内には素敵なミニシアターがあって、そのシアター内でこの作品は上映されました。上映は1回限りだったせいか、情報を聞きつけたお客さんでけっこう満席に近い状態でしたね。作品の内容が恋愛映画ということもあって、女性客がかなり目立ちました。

映画上映前には、この作品の撮影監督である藤田秀紀(下諏訪出身)さんによる舞台挨拶が行われました。村松亮太郎監督本人が来場されていなかったのはちょっと残念でしたね。
この作品は5年もの歳月を経て完成されたそうで、さすがに5年も経つと、諏訪市に当時あった建物が今は無くなったりと、そんな当時の撮影エピソードなどについて色々お話してくださいました。

全国公開は今月の11月29日(土)から東京・渋谷のユーロスペースで公開されます。ご興味のある方はぜひ劇場へ足を運んでみてください♪





評価 ★★★☆☆

ネタバレ注意!!

長野県・諏訪市を舞台にした切ない恋愛映画!

「アリア」は、好き嫌いがハッキリ分かれる作品かと思うのですが、wancoはこういうタッチの映画が結構好きなので、興味深く観る事ができました。

この映画には特徴的な演出がいくつかあります。まず、クローズアップを多用することで登場人物の感情の機微を捉えている事。
そして、日常の物音を強調して録音した音響効果。これは相対的に、周りの静けさを印象づける効果を上げています。
シーンの切り換えに暗転を多用しているのは、まるで、記憶の断片が再生されているような印象を受けました。

主人公の女の子の名前からも、チルチルとミチルの物語、「青い鳥」が、モチーフにされています。ラストでホテルの窓から見えた2羽の青い鳥は、儚く消えてしまった2人の幸せを現しているようでした。

堅吉がミチへよせる想いは、思春期特有の痛々しいまでの恋愛感情でしたが、俊太郎はもっと純粋な愛情でミチに接しているように思えました。そして、2つの感情が悲劇的な結末を導いてしまいます。このような物語を、状況説明は大胆に省いて(例えば、ミチと俊太郎の過去の事情について)、全体的に観客の感性に委ねる作りになっているのが逆に好感が持てました。





評価 ★★★☆☆

『パッチギ!LOVE&PEACE』の井坂俊哉の初主演作♪

冒頭でも説明しましたが、この映画は、長野県・諏訪市を舞台に描かれた作品なので、私達の地元の諏訪市が色々と紹介されているのを観るのはなんだか嬉しかったですね。劇中では、諏訪湖に、霧ヶ峰、車山高原、上諏訪駅周辺のレストラン、諏訪大社などなど、私達の知っている場所がいくつか登場しました。

主役の俊太郎を演じた井坂俊哉と言えば、井筒監督の『パッチギ!LOVE&PEACE』で有名ですが、初主演作となる今作では、『パッチギ』とは一味も二味も違う、繊細な美青年役を好演していました。この役ではまた別の一面が見れて、彼のファンにはたまらない作品かもしれませんね。
また、村松亮太郎監督も、俳優として画材屋の店主役で登場するので、それも必見かもしれないです。井坂俊哉に負けないくらいのかなりのイケメンさんでした♪

この映画を観て特に印象に残ったことは、とにかく映像がオシャレなこと!どのシーンも絵葉書になるような繊細で美しい映像ばかりでした。
映像だけでなく、劇中で登場する小道具もとてもオシャレで、ステンド・グラスや絵本の作品の数々は、実際に手に取って閲覧してみたいものが多かったですね。

ただ一点だけ欲を言えば、どのシーンもセリフでの状況説明が多かったので、シーンをもっと展開させて、アクションでストーリーを見せてくれたら、もっと面白くなったのかもしれないです。
だけど、美しい映像に合わせて、登場人物たちの感情表現がとても巧みに描かれているので、観終わった後は登場人物たちの気持ちに同調して、強く心に残る映画になっていると思います。


映画『アリア』公式サイト


(「アリア」2008年11月 下諏訪町 諏訪湖時の科学館・儀象堂にて鑑賞)

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